鏡の中にある如くの紹介:1961年スウェーデン映画。巨匠ベルイマン監督の「沈黙」「冬の光」と並ぶ「神の沈黙」三部作のひとつ。精神を病んだ女性の近親相姦を思わせる場面が話題となった。アカデミー賞外国語映画賞を受賞したほか、脚本賞にもノミネートされている。
監督:イングマール・ベルイマン 出演:ハリエット・アンデルセン(カリン)、グンナール・ビョルンストランド(ダビッド)、マックス・フォン・シドー(マーチン)、ラーシュ・パッスコード(ミーナス)
映画「鏡の中にある如く」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「鏡の中にある如く」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「鏡の中にある如く」解説
この解説記事には映画「鏡の中にある如く」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
鏡の中にある如くのネタバレあらすじ:起
泳ぎを楽しんだ後、桟橋に上がってくる男女4人がいます。作家のダビッド、彼の17歳の息子・ミーナス、娘・カリン、そしてカリンの夫であるマーチン医師です。水が冷たいらしく、みんな震えています。丘の上には別荘があり、そこに休暇で滞在しているのです。やがて体を拭き、服を着たあと、マーチンはダビッドに話を始めます。カリンの罹っている統合失調症は、もう完治不可能な状態まで進んでいるという内容でした。最近彼女を病院から退院させたのもそのためなのです。ミーナスはそんな姉の様子も知らぬげに、仲良く彼女と海辺を歩いています。
鏡の中にある如くのネタバレあらすじ:承
やがて、ピクニックのような夕食の後、野外にしつらえた簡素な舞台で、ダビッドひとりだけを観客に芝居が始まります。それはミーナスが書いたオリジナルの物語です。ダビッドはその内容に感心し、盛んな喝采を浴びせます。しばらく経って夜も更け、全員が寝室へ。同じベッドのマーチンは疲れて寝てしまいますが、カリンは起き上がって寝室から廊下に出ます。そして現在は使われていないホコリだらけの部屋入ると、辺りを見渡すのです。周りに張られたボロボロの壁紙に耳を当てると、何人ものささやき声が聞こえてきました。壁を離れたカリンは欲情に駆られたような態度で身をよじります。そして何事もなかったかのように、父親のダビッドの部屋へ。
鏡の中にある如くのネタバレあらすじ:転
優しい父はカリンを自分のベッドに寝かしつけます。彼女が寝たと見てダビッドが外へ出ると、カリンは起き上がって父親の原稿をパラパラとめくりますが、その興味は引き出しに隠された日記帳へ。そこにはカリン自身には秘密にされていた病気の詳細が書かれていたのです。おまけにスランプに陥っているダビッドは、彼女の病気を作品の題材に使うつもりでした。翌日、ダビッドとマーチンが船で釣りに出かけると、カリンは弟のミーナスを前夜の空き部屋に導き、「自分はここで神が姿を現すのを待っている」と告げます。そして嵐が近づくと突然走り出し、浜辺に打ち上げられた朽ちた船の中へ。ミーナスが追いかけて中に入ると、カリンは彼を誘惑。2人は恋人のように抱き合ってしまいます。
鏡の中にある如くの結末
ダビッドとマーチンが帰ってくると、ミーナスが事情を話し、2人は慌てて船へ。カリンの希望もあって、そのまま病院へ戻すことになります。空き部屋で待っていたカリンの前で、やってきたヘリコプターの振動のためドアが勝手に開き始めます。カリンはまるでそれが神の来訪のように微笑みを浮かべますが、すぐに泣きわめき始め、ダビッドに取り押さえられます。マーチンに鎮静剤の処置を受けた彼女はようやく静かになり、夫とともにヘリコプターで去ってゆくのです。残された父子は神について会話を交わします。その会話のせいで、不安だったミーナスもようやく落ち着くのでした。
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