セイ・エニシングの紹介:1989年アメリカ映画。80年代アメリカにおいて、名作と呼ばれる青春映画の1本。現在は脚本や映画プロデューサーとしても活躍する俳優ジョン・キューザックが、十代の青年をみずみずしい感性で演じている。平凡な高校生ロイドが恋した少女ダイアンは、お金持ちの優等生。だめもとのアタックが成功して2人は恋人同士になるが、ダイアンの父親の猛反対にあい…。監督は、「あの頃ペニー・レインと」(2000)や「バニラ・スカイ」(2001)のキャメロン・クロウ。また、ピーター・ガブリエルをはじめ、チープ・トリック、デペッシュ・モード、ハートのナンシー・ウィルソンなど、当時大人気のミュージシャン達によるサントラも話題となった。ちなみに、キューザックの実の姉、ジョーン・キューザックが劇中でも姉役で登場している。
監督:キャメロン・クロウ 出演者:ジョン・キューザック(ロイド)、アイオン・スカイ(ダイアン)、ジョン・マホーニ―(ジェームズ)、リリ・テイラー(コリー)、ジョーン・キューザック(コンスタンス)、ロイス・チャイルズ(ダイアンの母親)、ローレン・ディーン(ジョー)ほか
映画「セイ・エニシング」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「セイ・エニシング」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「セイ・エニシング」解説
この解説記事には映画「セイ・エニシング」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
セイ・エニシングのネタバレあらすじ:起
シアトルに住む、キック・ボクシングが大好きな青年ロイド(ジョン・キューザック)。両親がドイツにいるため、シングル・マザーの姉コンスタンス(ジョーン・キューザック)の家で暮らしています。ロイドが密かに想いを寄せるのは、高校の同級生でダイアン(アイオン・スカイ)という美少女。しかし、将来の夢も野心も持たない平凡なロイドにとって、裕福なお嬢様で学校一の秀才というダイアンはまるで別世界の人間でした。卒業式の日、生徒代表のスピーチを読み上げるダイアンを、父親のジェームズ(ジョン・マホーニ―)が誇らしげな笑顔で見つめています。老人ホームを経営する実業家のジェームズは、妻と離婚後、ひとり娘のダイアンを引き取り大切に育ててきたのです。愛情深いジェームズは、ダイアンの卒業祝いに新車と母親が残した美しい指輪をプレゼントします。一方ロイドは、大親友の少女コリー(リリ・テイラー)に励まされ、ダイアンにデート申込みの電話をかけます。しかし出たのはジェームズで、君の番号を娘に伝えておくよと言って切られてしまいました。
セイ・エニシングのネタバレあらすじ:承
ダイアンは奨学金を得ることになり、イギリス留学への切符を手にします。ジェームズは大喜びしますが、ダイアンは浮かない顔。彼女は大の飛行機嫌いなのです。ジェームズが書き残したロイドの電話番号を見つけたダイアンは、好奇心でダイヤルを回します。しかしダイアンは、ロイドの顔すらほとんど覚えていません。デートの誘いをやんわり断るダイアンに、必死のロイドは友人宅で開かれるパーティに誘います。しぶしぶOKしたダイアンでしたが、その夜のパーティは意外にも楽しく、ロイドの素朴な性格にいつの間にか惹かれているのでした。ロイドの存在を知ったジェームズは、どんな青年かを見定めようと夕食に招待します。卒業後の進路が未定どころか、キック・ボクシングが大好きだと言うロイドにジェームズは渋い顔。そんな中、国税庁がジェームズの事業調査にやってきます。彼には脱税の疑いがあったのです。それを知ったダイアンはショックを受け、別れて暮らす母親(ロイス・チャイルズ)に助けを求めます。しかし母親には新しい恋人がおり、親身に聞いてはくれません。ひとり悩むダイアンを優しく包み込むロイド。2人はついに結ばれますが、ダイアンがロイドを真剣に愛していると知ったジェームズは憤りを抑えきれません。
セイ・エニシングのネタバレあらすじ:転
ロイドは、ダイアンと恋人同士になったことをコリーに打ち明けます。親友の幸せを心から祝福するコリーは、ダイアンに愛情いっぱいの手紙を書くようロイドに提案します。ロイドと一緒にいたいダイアンは、イギリス留学を1年遅らせるとジェームズに言いますが猛反対されます。ロイドはダイアンに手紙を送りますが、ダイアンは「当分会わないほうがいい」と別れをつげ、1人になって涙を流します。突然のさよならにショックを受けたロイドもまた、どしゃぶりの中、車を走らせ涙をこぼします。そんなロイドをコリーは励まし、もう一度ダイアンに会いに行くよう促します。男のプライドが邪魔して行けないと渋るロイドに、コリーはぴしゃりと「男ではなく、大人になりなさい!」。コリーの言葉に受話器を取ったロイド。しかし、何度電話してもダイアンは出ません。そんな中、ジェームズはクレジットカードの使用を止められ、大ピンチに陥っていました。真夜中、不安に押しつぶされそうになりベッドで寝返りをうつダイアンの耳に、どこからか音楽が聞こえてきます。窓の下には、大きなラジカセを頭上にかかげたロイドの姿が。スピーカーから流れるピーター・ガブリエルの「In Your Eyes」のメロディが、ダイアンの心に響きます。
セイ・エニシングの結末
ジェームズの脱税は事実でした。父親の犯罪を知ったダイアンは打ちのめされます。しかしジェームズに罪悪感はなく、全てお前のためだったとダイアンの前で開き直ります。傷ついたダイアンはロイドのもとへ走り、ダイアンのことが忘れられないロイドは彼女を抱きしめます。ジェームズが経営していた老人ホームは没収され、懲役9ヵ月に多額の罰金が課せられました。刑務所に入ったジェームズに会うため、ロイドが1人でやって来ます。実はダイアンも一緒でしたが、父親に会いたくないと車から降りてこないのです。イギリス留学に発つことにしたダイアンでしたが、ロイドも彼女について行くと言います。それを聞いたジェームズは不快感を露わにし、「君は娘の人生の汚点だ」と言い放ちます。ロイドは言い返さず、ダイアンから預かったジェームズ宛の手紙を手渡します。そこには、どれほど父親に失望したかが綴られており、ジェームズの顔は悲しみに歪みます。そこへダイアンが現れました。今はさよならしか言えないと告げるダイアン。父と娘は抱き合います。そして、ダイアンとロイドがイギリスへ旅立つ日がやってきます。機内に並んで座る2人は、固く手をつないでいます。離陸と同時に揺れ出す座席で、緊張いっぱいのダイアン。ロイドは優しくダイアンの肩を抱くのでした。
この映画の感想を投稿する