左様なら今晩はの紹介:2022年日本映画。山本中学のコミックを実写映画化。優しいがどこか頼りないサラリーマンと、彼の部屋に現れる呪縛霊との甘酸っぱい恋の物語。同棲していた彼女が出て行った夜、陽平の前に若い女の幽霊が現れ…。
監督:高橋名月 出演:久保史緒里(愛助)、萩原利久(陽平)、小野莉奈(果南)、永瀬莉子(玲奈)、中島ひろ子(みさき)、宇野祥平(奥田)、ほか
映画「左様なら今晩は」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「左様なら今晩は」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「左様なら今晩は」解説
この解説記事には映画「左様なら今晩は」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
左様なら今晩はのネタバレあらすじ:起
2年一緒に暮らした彼女・玲奈(永瀬莉子)が部屋を出ていきます。その夜、半澤陽平(萩原利久)が一人部屋で酒を飲んでいると、急に部屋の電気が消えました。ポルターガイスト現象が起こり、怖がる陽平。
次の瞬間、陽平の前に女の幽霊・愛助(久保史緒里)が姿を現します。陽平と玲奈が引っ越してきた時からずっとそばで見てきたと話す愛助。「あんたは優しいふりして、結局なんも考えとらん」と、愛助が陽平にダメ出しします。「面倒なことから逃げてばかりだから、彼女にも逃げられたんよ」と愛助が説教。
この部屋で死んだ愛助は、幽霊となってからこの部屋から出ていけなくなったのだと言います。陽平が愛助のことをじーっと見つめます。「何見とるん!」と愛助に平手打ちされる陽平。愛助は幽霊なので陽平に触れることはできませんでしたが、なぜか陽平はその場に倒れて朝まで起きませんでした。
翌日、目覚めた陽平の頬は赤く腫れあがっていました。出社した陽平は、後輩女性の果南(小野莉奈)から頬が赤くはれていることを指摘されます。果南が陽平の顔をスマホで撮ると、陽平の周りに黒いもやがかかってきました。
帰宅した陽平は、コンビニで購入した線香を点けてみます。線香を持って部屋の中を歩き回る陽平。すると愛助が姿を現します。愛助は線香が気に入ったようで、飽きずにずっと線香を眺めています。
陽平は不動産屋を訪れ、今住んでいる部屋は事故物件ではないか尋ねました。不動産屋の奥田(宇野祥平)はしらを切り、陽平に早く帰るよう促します。
左様なら今晩はのネタバレあらすじ:承
陽平が家に帰ると、愛助が勝手に線香をたいていました。部屋の中はモクモクしていて、陽平が急いで窓を開けます。「部屋から出ていけないんだったらさ、せめて大人しくしてほしい」と頼む陽平。
除霊方法などを検索しますが、いい方法が見つかりません。陽平がソファーで寝ていると、愛助が近づいてきました。目を開けた陽平は、愛助が近くにいたので驚きます。大人しくしてほしいと頼む陽平に対して、愛助が「うちは責められるようなことをしたのでしょうか?うちだって好きでここにいるわけじゃないですよ。出れるんだったら、とうの昔に出て行ってるわ」と逆切れ。「迷惑なのであれば追い出してほしい!」と愛助に逆切れされた陽平は、黙り込んでしまいます。
愛助がベランダに出て行ってしまいました。一人で泣いている愛助に、陽平が「ごめん」と謝ります。「あなたの気持ち考えていなかった」と陽平。外には出られないと話していた愛助ですが、どうやらベランダには出れるようです。愛助はこのベランダが気に入って、部屋を借りました。それは陽平も同じです。
陽平は、愛助が生きていた頃の記憶がないか尋ねます。よくは覚えてはいない愛助でしたが、社会人だったように覚えています。名前をぼんやりと覚えている愛助は、「『あ』と『い』がついていた気がする」と言います。陽平が「愛助」と名前を付けてやりました。愛助も陽平のことを「陽さん」と呼ぶことにし、こうして二人の距離が一気に縮まります。
左様なら今晩はのネタバレあらすじ:転
翌日、愛助が外に出ようとしても無理なことを陽平に証明して見せます。玄関から外に出ても、なぜか気が付くと部屋に戻っているのです。愛助が幽霊だと改めて認識した陽平のテンションが上がります。
再び不動産屋を訪れた陽平は、「何か知っているのであれば教えてほしい」と奥田に頼みます。しかし奥田は個人情報が厳しく、教えることはできないと言います。
愛助が未成年ではないことを確認した陽平は、一緒にビールを飲むことに。愛助の飲みっぷりはよく、グラスに入っていたビールを一気に飲み干します。しかしグラスにはビールが残っていて、不思議がる陽平。愛助は「生きている頃の常識が、死ねばなくなるんです」と説明。
翌日、出社した陽平は果南から「最近先輩の生気が感じられませんよ」と言われます。翌朝、陽平が寝ていると愛助が近づいてきました。そして陽平に触れようとする愛助。びっくりして飛び起きた陽平に、愛助が「喉ぼとけを触ってみたかった」と言います。陽平の喉ぼとけに触らせてもらった愛助は、「けっこう骨っぽいんじゃね」とニヤニヤ。生きている頃にどうやら愛助は彼氏ができなかったようです。
同僚の送別会に参加した陽平。隣に座っていた果南と前の彼女・玲奈の話になりました。果南は「私は前の彼女さんと結婚するのかと思っていました。先輩は、元カレに似てるんです」と言います。それを聞いて「そういうこともあるよね」と陽平。果南が「意味わかってます?」と眉間にしわを寄せます。
送別会の帰り、果南から「家に行ってもいいですか?」と聞かれました。部屋に来た果南には、どうやら愛助が見えないようです。果南と陽平がキスをします。果南が服を脱ごうとすると、電気が消えました。怖がる果南。次の瞬間、果南にも愛助の姿が見えるようになります。果南は混乱し、逃げるように帰っていきました。
果南が帰った後、愛助が「そんなつもりではなかったんです。新しい彼女さんですか?」と尋ねます。陽平は付き合っているわけではないと説明。それを聞いた愛助は、付き合ってもいない人とキスするなど信じられないと言います。前の彼女には一途だった陽平に憧れ、陽平のような人と付き合いたいと思っていた愛助。生きている頃に彼氏ができなかった愛助は、一度でいいのでキスぐらいしてみたいと思っています。
愛助が陽平にキスをしようとします。拒む陽平。以前は愛助の体に触れることができなかった陽平ですが、なぜか愛助に触れることができました。陽平に触れられ緊張した愛助は「ちょっとトイレ」と、その場から去ります。
左様なら今晩はの結末
翌日、果南からお祓いをすすめられる陽平。しかし陽平は断ります。家に帰り愛助の頭をなでる陽平は、「こんな風に触れられたら、生きてる人とかわらないじゃん」と、愛助を抱きしめます。誰かと触れ合うことの喜びを知る愛助。翌日、不動産屋を訪れた陽平が、再度愛助のことを尋ねます。しかし何も教えてもらうことはできませんでした。
果南のおばさん・みさき(中島ひろ子)に会うことにした陽平。スナックのママのみさきは、霊感が強く霊媒師もしています。愛助について尋ねると、「深入りしないほうがいい」と言われました。愛助について聞きたかった陽平ですが、なぜかお祓いの方法を教えられます。
その後、陽平の部屋にみさきがやってきます。みさきには愛助は見えませんが、存在はわかるようです。みさきは「成仏しないといけないよ。生きている人間と死んだ人間は、違う世界にいるもの。それを犯してしまうと、さしさわりがあるの。」と、今後もずっと陽平に付きまとえば、陽平が死んでしまうのだと言います。
みさきが愛助に語り掛けている間、陽平は果南と共に部屋の外で待っていました。たまらなくなった陽平が部屋のドアを開けます。しかしチェーンがかかっていて、中に入ることができません。そこへみさきが「終わったよ」と、部屋から出てきました。部屋に入った陽平は愛助を探します。ベランダにいる愛助を見てホッとする陽平。
愛助は、自分のことが邪魔になったのか尋ねます。陽平は、愛助のことをきちんと知りたかったのだと釈明。愛助は、このままでは陽平が死んでしまうのではないかと心配していました。陽平は「俺は健康だし大丈夫だよ」と言います。それを聞いた愛助は「わがまま言ってもいい?デートがしてみたい」と言います。みさきの話では、鬼門のベランダからなら、外に出られるはずだと言います。
外に出るコツを掴んだ愛助は、陽平と二人で出かけたいとお願いするのでした。
陽平は休暇を取って愛助とデートすることに。デートの前日、陽平は愛助のために商店街でサンダルを買いました。デートの朝、サンダルをプレゼントされた愛助は大喜び。ベランダから飛び降りた愛助は、無事外に出ることができました。愛助のリクエストで、まずは自転車の二人乗りをします。
お昼は、お好み焼き屋に行きました。すると不思議なことに、二人分のお水が出されます。昼食を終えた二人は、映画を見に行くことにしますが、その日はたまたま休館日で映画館は閉まっていました。この映画館は愛助が生きていた頃に、いつも一人で来ていた映画館で、ずっと誰かと来たいと思っていました。それを聞いた陽平が「また来ようよ」と言います。
海へやって来ると、愛助が「今日はほんまにありがとう。色々と思い出せた」と言います。ハグしたいといわれ、陽平が愛助を抱きしめます。さみしそうな表情を浮かべる愛助。
家に戻った愛助が、玄関で「ただいま!」と言います。「うち今日のこと一生忘れんと思う」と愛助。その後、ソファーで寝ている陽平に愛助が話しかけます。「起きている時に言おうと思ってたけど、言えんかった。さようならって…。」と、愛助が陽平にキスをします。「ありがとう」と、愛助が去って行きます。
翌朝、陽平が目を覚ますと愛助の姿がありません。陽平がみさきのスナックへ走って向かいます。みさきから、愛助がようやく成仏できたのだと言われ落ち込む陽平。
部屋で一人酒を飲んでいた陽平が、不動産屋を訪れ愛助のことを教えてほしいと頼みます。「なにも手掛かりがなく、どうしても彼女のことを知りたい」と陽平。切羽詰まった様子の陽平に、ついに奥田が真実を打ち明けます。
翌日、陽平は荒井家の墓の前にいました。墓の前で陽平が愛助に語り掛けます。「一緒に過ごした時間は、夢じゃなかったよね?」と涙する陽平。翌日、出勤する陽平はベランダを見上げます。しかし愛助の姿はありません。陽平は部屋を引っ越すことにしました。
その後、愛助がよく通ったという映画館に陽平が一人でやって来ます。陽平が客席に座っていると、すぐ近くに女子高生が座りました。友人から「あい」と呼ばれる女子高校生が、陽平のことをじっと見つめ微笑むのでした。
以上、映画「左様なら今晩は」のあらすじと結末でした。
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