クリスマス・キャロルの紹介:1970年アメリカ映画。チャールズ・ディケンズの同名小説を映画化。クリスマス・イヴの奇跡を描くミュージカル作品。ケチで意地悪な老人スクルージは、クリスマス・イヴの夜でも相変わらず不機嫌な様子だった。そんな彼の前に、共同経営者だった友人マーレイの亡霊が現れる。マーレイは今夜3人のクリスマスの幽霊がスクルージに会いに来ると話し、改心を迫った。やって来た幽霊達は過去・現在・未来の光景をスクルージに見せる。彼らと旅をしたスクルージは慈しみの心を思い出し、周囲に優しさを振りまく人間へと変わっていくのだった。
監督:ロナルド・ニーム 出演者:アルバート・フィニー(エブニザー・スクルージ)、アレック・ギネス(マーレイの亡霊)、イーディス・エヴァンス(過去のクリスマスの幽霊)、ケネス・モア(現在のクリスマスの幽霊)、マイケル・メドウィン(スクルージの甥のハリー)ほか
映画「クリスマス・キャロル(1970年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「クリスマス・キャロル(1970年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
クリスマス・キャロルの予告編 動画
映画「クリスマス・キャロル(1970年)」解説
この解説記事には映画「クリスマス・キャロル(1970年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
クリスマスキャロルのネタバレあらすじ:マーレイの亡霊
1860年のイギリス、ロンドン。クリスマス・イヴを迎えた街は活気と喜びに満ち溢れ、子ども達があちこちで歌を歌っていました。そんな楽しい空気と無縁なのは、スクルージ・マーレイ商会です。経営者の老人エブニザー・スクルージは街で有名な金持ちでしたが、ケチで意地が悪く、大変な金の亡者でした。
スクルージは食事に誘うためやって来た甥のハリーを追い返し、雇っている書記のクラチットに少ない給料を嫌々渡します。仕事を終えて事務所を出たスクルージに会いに来たのは、貧しい人々のため寄付を募る紳士達でした。しかしスクルージは、貧乏人が死ねば余計な人口が減るので歓迎だと言い放ちます。
彼はイヴの夜にもかかわらず借金の取立てに回り、やっと家に帰って来ました。すると7年前に死亡した共同経営者ジェイコブ・マーレイの亡霊が現れます。彼は生前人間を思いやらなかったため重い鎖に繋がれ、地獄に落ちてしまいました。
マーレイはこのままではスクルージも同じ運命を辿ると言い、それから逃れるためのチャンスを1度だけやろうと言います。今夜3人のクリスマスの幽霊が現れるので、彼らに会い、改心して生まれ変われと忠告しました。
スクルージは怯えながら聞いていましたが、マーレイの亡霊が去ると幻覚だと決めつけ、さっさとベッドに入ってしまいます。
クリスマスキャロルのネタバレあらすじ:過去のクリスマスの幽霊
午前1時。
寝付けないでいるスクルージのもとに、1人目のクリスマスの幽霊が現れました。赤い服を着た婦人の幽霊は、過去のクリスマスの幽霊だと名乗ります。彼女はスクルージを改心させるために来たと言い、スクルージを連れて彼の過去を見に行きました。
子どもの頃のスクルージは家族から愛されず仲間はずれにされ、孤独に過ごしていました。それからフェズウィグという親方のもとで働き、彼の娘イザベルと結婚の約束をします。スクルージは不器用でしたが、確かな幸せを感じていました。しかしスクルージはいつしか仕事に没頭し、金の亡者になってしまいます。
変わってしまったスクルージを嘆き、イザベルは去っていきました。その光景を見ながら、スクルージは彼女を追わなかった過去の自分を責め立てます。彼は今でもイザベルを愛していました。しかしスクルージと幽霊の姿は他の人間には見えていないため、必死の訴えも届きません。
耐えられなくなったスクルージは、過去のクリスマスの幽霊に部屋に戻してくれと懇願します。気付くとスクルージは、自分の寝室で枕を抱きながら子どものように泣いていました。
クリスマスキャロルのネタバレあらすじ:現在のクリスマスの幽霊
午前2時。
今度は現在のクリスマスの幽霊を名乗る大男がやって来ます。彼はスクルージを悪党の見本だと歌い、明るい人生を送れと言いました。しかしスクルージは、人生など嫌いだと顔を顰めます。現在のクリスマスの幽霊は、スクルージに「人生が好き」と歌うように促し、思いやりのミルクを飲ませました。
するとスクルージは次第に愉快な気持ちになり、幽霊と一緒に「人生が好き」と歌います。幽霊はスクルージをクラチットの家に連れて行きました。クラチットは貧しいながらも妻子と幸せに暮らしています。中でも7歳の息子ティムは天使のような歌声で家族に喜びを与えていました。
しかしティムは重い病を患っており、満足に歩くことも出来ません。スクルージは可哀想に思い、幽霊にティムのことを尋ねました。しかし幽霊は、貧乏人が死ねば余計な人口が減るので好都合なのだろうと言い放ちます。スクルージは自らの発言を酷く恥じました。
次に幽霊は、ハリーの家のクリスマスパーティーにスクルージを連れて行きます。招待客も、ハリーの妻ですらスクルージを嫌っていましたが、ハリー本人はいつか改心するものと期待していました。はじめは不機嫌に見ていたスクルージも、次第に愉快な気分になって手を叩きます。
スクルージは自分の姿が見えていない客人を相手に、とても楽しいクリスマス・イヴだったと一方的にお礼を言いました。そして不意にイザベルを思い出して悲しい気持ちになります。
スクルージの家に戻って来た幽霊は、全ての望みを叶えるには人生はあまりに短い、だからこそ一生懸命生きろと言い残し去っていきました。
クリスマスキャロルのネタバレあらすじ:未来のクリスマスの幽霊
午前3時。
ついに最後の幽霊が現れます。未来のクリスマスの幽霊は真っ黒なローブを身にまとい、ずっと無言でした。恐ろしい見た目にスクルージは怯え、生まれ変わりたいので未来を見せてくれと頼みます。幽霊は未来のクリスマスにスクルージを連れて行きました。
すると事務所の前に人が大勢集まっており、皆拍手しながら笑顔でスクルージに礼を言っています。スクルージは自分が何をしたのかもちろん分かりませんが、大勢の人に感謝されて上機嫌になりました。すると事務所の中から柩が運び出されます。スクルージには見えていませんでしたが、それは未来のスクルージの柩でした。
街の人々は、スクルージの死を喜んで歌い踊っていたのです。何も知らず浮かれていたスクルージは、幽霊に案内された墓地でティムと自分の死を知りショックを受けました。幽霊の正体は死神であり、スクルージは彼に突き落とされ地獄に落ちます。
迎えに来たマーレイは、魔王がスクルージを気に入り書記に抜擢したと笑いながら告げました。悪魔達がマーレイのものよりもっとずっと大きく太い鎖を運んで来ます。巨大な鎖を巻かれたスクルージは必死に助けを求めました。
クリスマスキャロルの結末:生まれ変わったスクルージ
気付くとスクルージは寝室で1人もがいていました。彼は幽霊達との旅を素直に受け入れ、人生をやり直そうと決意します。既にクリスマスの朝が来ていました。スクルージは身も心も軽くなり、踊りながら「メリークリスマス」と叫びます。
外に飛び出し、少年達を連れてごちそうやおもちゃを沢山買い込みました。ワインを道行く人にプレゼントし、偶然会った甥夫婦にもプレゼントを渡します。サンタクロースの格好をしたスクルージは、目的地であるクラチットの家へやって来ました。一家にたくさんのごちそうとプレゼントを渡すスクルージ。
クラチットをはじめ街の人々はスクルージの変貌ぶりに目を白黒させますが、生まれ変わったスクルージは少しも不機嫌な顔を見せません。スクルージはクラチットの給料を上げると宣言し、一家を援助すると約束しました。ティムを名医にみせ、必ず病を治すのだと笑います。
クラチットの家を出たスクルージは、借金を帳消しにすると叫び、寄付もすると約束しました。街中が歌で溢れかえり、スクルージを中心に幸せが広がります。スクルージはマーレイを思い浮かべ、やっと自分達も良いクリスマスを迎えられると言いました。
クリスマスの喜びの中、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「クリスマス・キャロル」のあらすじと結末でした。
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