ザ・シューター/極大射程の紹介:2007年アメリカ映画。「トレーニング デイ」(2001)で知られるアントワーン・フークア監督の演出に加え、「ディパーテッド」(2006)で存在感を露わにし、以降「ザ・ファイター」(2010)や「テッド」(2012)で揺るぎない地位を獲得した人気俳優マーク・ウォールバーグが主演のこの作品は、アクション映画でありながらもアメリカの民主主義という名の一部富裕層による利己的な目的で人道を無視し行われた法では裁けない外国への侵略、そしてそれに利用される軍人達に焦点を当てている、見応えのある作品になっています。
監督 :アントワーン・フークア 出演:マーク・ウォールバーグ(ボブ・リー・スワガー)、マイケル・ペーニャ(ニック・メンフィス)、ダニー・グローヴァー(アイザック・ジョンソン大佐)、ケイト・マーラ(サラ・フェン)、イライアス・コティーズ(ジャック・ペイン)ほか
映画「ザ・シューター/極大射程」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ザ・シューター/極大射程」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ザ・シューター/極大射程」解説
この解説記事には映画「ザ・シューター/極大射程」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ザ・シューター/極大射程のネタバレあらすじ1
アフリカの国境を越えたエイトリア領内で、アメリカ海兵隊武装偵察部隊所属していた敏腕スナイパーのボブ・リー・スワガー一等軍曹(ウォールバーグ)は、長年連れ添ってきた観測手のドニー・フェン上等兵と共に、先にエイトリア領内で任務を遂行している味方部隊が戦闘地域から無事に安全地帯まで帰還できるように見守る任務に就いていた。
しかし、味方部隊が帰還中に追っての武装勢力が迫ったため、身を潜めていた殺風景の山から狙撃。スワガーの援護により味方は無事に脱出できたが、スワガー達は敵に位置がばれてしまい、激しい攻撃を受ける。
スワガーは援護を要請するが、作戦上層部は国境を越えて行われた違法の任務が露出される事を恐れて、スワガー達を見捨て全ての回線を切ってしまう。孤立した二人はなんとか敵の激しい攻撃を凌いでいたが、武装勢力のヘリコプターの攻撃により、相棒のフェンは命を落とす。
ザ・シューター/極大射程のネタバレあらすじ2
何とかエイトリアから生き延びたスワガーではあったが、政府から裏切られたスワガーは誰も信じなくなっており、すぐに軍から除隊し、人目のつかない山奥で3年間、隠遁生活を送っていた。
そんなある日、いつものようにニュースで政府が流す嘘の情報を鼻で笑って見ていると、スワガーの唯一心を許せる家族である犬のサムが人の気配を感じ、吠え始める。姿を現したのはアイザック・ジョンソン大佐とその部下数人。
サムはジョンソン大佐の部下であるジャック・ペインに敵意をむき出しにする。ジョンソンはスワガーの腕を見込み、アメリカ大統領の遊説先のフィルドルフィアで計画されているという凄腕のスナイパーによる、2012メートルの長距離精密射撃暗殺阻止の協力を申し出る。最初は断っていたスワガーであったが星条旗や名誉勲章などのスワガーの愛国心を刺激するジョンソンの言葉に説得され、政府の要請を承諾する。
ザ・シューター/極大射程のネタバレあらすじ3
サムを家に残し、フィルドルフィアに単身で来たスワガーは、スナイパーが大統領を狙える建物を割り出す事に見事に成功し、暗殺阻止の為に完璧な準備が整えられた。そして、エチオピア司教が訪問してくる大統領遊説当日、スワガーも犯人逮捕に協力する為に自分が割り出した建物に待機しているジョンソン大佐の部隊に合流した。
望遠鏡を除き込み、状況を伺っていると、地元の警官のティモンズ巡査も現場に顔を出し、協力の姿勢を示した。スワガーは引き続き、望遠鏡で大統領の演説状況を監視し、完璧に犯人を捕まえる為に大統領の命を狙うスナイパーが引き金を引くまでの動作を全て説明し、今まさに犯人が引き金を引くであろうと言うとき、警告しようと後ろに振り向くと、ティモンズが銃をスワガーに向けて放つ。
同時に銃声が2発響く。一発は演説会場へ。もう一発はスワガーの横腹を貫通した。ティモンズはとどめを刺そうともう一発放つが、スワガーは窓から落ちてその場を逃れる。ジョンソンに嵌められたと気がついたスワガーは重傷を負いながらも現場付近の路地で警備をしていたFBI新参者のニック・メンフィスから銃と車の鍵を奪った後に、自分は嵌められたとメンフィスに言い残し、その場から姿をくらませる。
ザ・シューター/極大射程のネタバレあらすじ4
全国に犯人として指名手配されたスワガーは、病院には行けず唯一自分を信じてくれる可能性のあるフェンの妻、サラの元を訪れる。最初は警戒していたサラであったが、毎年夫の命日に手紙と花を贈ってくる今は亡き夫の相棒を信用し、スワガーに全面協力する。
そこでスワガーは、殺されたのは大統領ではなくエチオピア司教であった事と、愛犬のサムが殺された事を知り、復讐を誓う。
ザ・シューター/極大射程のネタバレあらすじ5
その頃、FBIの恥さらしとして責任を追及されていたメンフィスは、スワガーが残した言葉と犯行現場や犯人断定までの流れの速さに違和感を覚えて独自に調査を進めていくと、この事件には裏がある事を確信する。
しかしヒーロー扱いされていたティモンズ巡査に会いたいと願うと、彼は事件の二日後に何者かに殺害された事を知る。ここで彼の調査は行き詰まってしまう。
メンフィスに目をつけていたスワガーは変装したサラにジョンソンが訪ねて来た時に控えておいた彼の車のナンバープレートの番号を渡させ、調査を急激に進ませる。
しかしCIAのデータベースを使った事により、メンフィスの存在に気がついたジョンソンは彼を暗殺しようと刺客を送りこみ、拉致させ、自白剤の投与や暴行などの拷問をした後に自殺偽装装置で殺害しようとするも、スワガーにより阻止される。
想像以上の黒幕の大きさに恐れながらも、メンフィスは自分の正義の為にスワガーに全面協力する事を誓う。
ザ・シューター/極大射程のネタバレあらすじ6
黒幕を突き止める為に、自分以外に2012メートルの狙撃を知ろうとスワガーとメンフィスは伝説の銃作りの名人で情報通である老人を訪ねる。
話をしているうちにこの老人は元軍人であり、ケネディー暗殺をした狙撃手を砂漠に埋めた経験から、今回の事件も政府の陰謀である事を確信していることを知る。
老人から、死んだとされる冷酷無比な狙撃手ミハイロ・セルビアックの存在を聞いたスワガーは、ジョンソンとの暗殺阻止の為の会議中に、ノートを取っていた車椅子に乗っていた男がセルビアックであった事に気がつく。
ザ・シューター/極大射程のネタバレあらすじ7
その頃、ジョンソンの一味はスワガーが毎年必ず花をサラに送っている事を突き止める。サラはショットガンで抵抗するも、ペインにより捕まってしまう。スワガーがセルビアックの存在に気がつくと予想していたジョンソンは、彼を囮に屋敷の周りに兵を伏せ、スワガーを待ち伏せる。
スワガーは見事に屋敷に侵入し、追い込まれたセルビックは全てを白状した。
エピオピアでアメリカの石油会社がパイプラインを通す為に、邪魔になる村の住人をなんの交渉もせずに400人虐殺して石油施設の下に埋めた事を知ったエチオピア司教が、それを公表しようとした為に暗殺された事、そしてスワガーが三年前にエピオピアで援護した味方部隊がそれを実行し、スワガーとフェンはそこで死ぬ算段であった事、そして全てを指示したのはモンタナ州の上院議員のミーチャム議員である事。議員や大佐を殺しても何も変わらない。欲に溺れるのは人間の本質でありシステムであると。
そして最後にサラが捕まった事を告げると、セルビックは自分の頭を撃ち抜いた。
ザ・シューター/極大射程のネタバレあらすじ8
なんとかジョンソンが配置していた部隊を退けたスワガーとメンフィスは、FBIに電話してわざと自分たちの会話をジョンソンに聞かせ、ジョンソンから電話がかかってくると、セルビックが告白した「事件の真相を録音した携帯」とサラの交換を要求し、仲介人としてミーチャム議員を入れて見渡しのいい雪山で待ち合わせる事になる。
ミーチャル議員は三人のスナイパーを山に潜めておくが、隠れていたスワガーにより返討ちにあう。サラを盾にショットガンをサラに向けていたペインは、スワガーを挑発すると一発目でショットガンと指を吹き飛ばされ、二発目で片腕、3発目で片足を吹き飛ばされ倒れこむ。
スワガーは姿を現し、ジョンソンとミーチャム議員から拳銃を没収すると、サラがそれを拾い上げてペインに乱射する。 追い込まれたニーチャム議員はスワガーに、「富裕層だけが勝ち続けるのが民主主義であり、勝ち組に仕えるのが利口だ」と、自分の下で働くように説得しようとする。
FBAが現場に到着すると、スワガーは深すぎる闇は証人を全員殺すであろうと考え、証拠が録画された携帯にオイルをかぶせ、ライターで火をつけると、自分は田舎に住む銃マニアでいいと告げる。ジョンソンと議員はその場を去り、スワガーはFBIに捕まってしまう。
ザ・シューター/極大射程のネタバレあらすじ9
その後、FBIの協力を経て、スワガーは司法長官、FBI長官、サラ、メンフィス、そしてジョンソンを会合に集める事に成功した。司法長官は軍の上層部から圧力を受けながらも三権分立に則り、正当な裁判をする事を誓った。
スワガーは真実を証明する為に、犯行で使われたとするFBIに保管されていた自分のスナイパーに密かにメンフィスから受け取った一発の銃弾を込めて、ジョンソンに向かって引き鉄を引くが、弾丸は出てこない。
スワガーは家を空けるたびに全部の銃の打針入れ替えていたのだ。これはスワガーが無実の証明にはなるが、ジョンソンが犯罪に関わった証拠にはならない。メンフィスは次にアフリカでジョンソンによって虐殺された人々の写真を見せるが、それも国外の事であり、国内の法律では裁けないと司法長官は認め、ジョンソンは釈放される。しかし、司法長官はすぐにスワガーも解放する。
ザ・シューター/極大射程の結末
次の日、現地民との問題を解決しにエクアドアに行く準備を控えたジョンソンは、ミーチャム議員と別荘でシガーを吸いながら勝利の宴を開いていると、ボディーガードたちが次々と撃たれていく。ジョンソンも逃げようとしたところを、一撃で仕留められる。
追い込まれた議員は命乞いをするが、スワガーは迷わずに一発で頭を撃ち抜き、そしてジョンソンが犯行を行ったように偽造したあと、家を爆破して車で待っていたサラの車で現場から去るのだった。
以上、映画「ザ・シューター/極大射程」のあらすじと結末でした。
「ザ・シューター/極大射程」感想・レビュー
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法廷で主人公が、自分の銃の撃針を外して保管していることを説明する場面は興味深いが、一般の視聴者には分かりにくいのではないかと思う。
実際、わざわざそこまでして銃を保管する人はいないだろう。せいぜいボルトを抜いておくぐらいだと思うが、これも銃に興味がない人には分かりにくいこと。無実を証明する証拠としては無理があると思う。 -
超大味な映画
イコライザーシリーズも含めてフークアは大味だが途中まではサスペンスとしてはとても面白い
問題は雪山で、黒幕を滅ぼさなかったこと
何一つ解決しないならあそこで潰してよかった
もう一度見たいか?NO -
ラストでスワガーを罠に掛けた連中がくたばってスッキリしました。
マーク・ウォールバーグが演じるボブ・リー・スワガーは凄腕のスナイパーで、国境を越えて任務についていたが、仲間の乗る車を助ける為に狙撃する。そのことで位置がばれて猛攻撃に遭い、無線で応援を呼ぶが、国境を越えている為に違反行為になるので上層部は回線切る。銃撃戦の中で相棒のドニーが撃たれて亡くなってしまう。ピンチになったスワガーがヘリを撃ち落とし、国境を越えて故郷に帰る。既に軍を辞めており一人で山奥に住んでいたが、ジョンソン大佐が訪れてくるが政府の要請を断っていたが、狙撃出来ることが可能だと分かると、引き受けることになった。実はスワガーを犯人にして、エチオピア司教を暗殺する計画だった。犯人のぬれぎぬを着せられて逃亡するが、可愛がっていた愛犬を殺されて、復讐することを誓う。このマーク・ウォールバーグは最高にかっこいい。しかも戦闘力が半端でない。凄腕ってこんなに凄いのと思ってしまう。