映画「ショート・カッツ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ショート・カッツの紹介：1993年アメリカ映画。“アメリカで最も愛された作家”のひとり、レイモンド・カーヴァーの9編の短編小説と1編の詩を原作に映画化された群像劇です。ロサンゼルスのありふれた住宅街を舞台に、22人の主要登場人物からなる9組の家族とその友人たちのエピソードが綴られていきます。
監督：ロバート・アルトマン 出演者：アンディ・マクドウェル（アン・フィニガン）、ブルース・デイヴィソン（ハワード・フィニガン）、ジャック・レモン（ポール・フィニガン）、ジュリアン・ムーア（マリアン・ワイマン）、マシュー・モディーン（ラルフ・ワイマン）、アン・アーチャー（クレア・ケイン）、フレッド・ウォード（スチュアート・ケイン）、ロバート・ダウニー・Jr（ビル・ブッシュ）、ほか
この解説記事には映画「ショート・カッツ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ロサンゼルス郊外のとある住宅街。突如発生した害虫“メドフライ”を駆除するため、ヘリコプターが空中から殺虫剤を散布していました。タクシー運転手のアール・ピゴット（トム・ウェイツ）はそのニュースを聞きながら車を走らせ、妻ドリーン（リリー・トムリン）がウェイトレスをしているファミリーレストランへ向かいました。有名なテレビキャスターのハワード・フィニガン（ブルース・デイヴィソン）は妻アン（アンディ・マクドウェル）と共に自分の出演する番組を見ていました。フィニガン夫妻の隣に住むジャズシンガーのテス・トレイナー（アニー・ロス）の娘でチェロ奏者のゾエ（ロリー・シンガー）のコンサート会場の客席には高級住宅街に住む医師のラルフ・ワイマン（マシュー・モディーン）と妻で画家のマリアン（ジュリアン・ムーア）、出張ピエロのクレア・ケイン（アン・アーチャー）とその夫スチュアート（フレッド・ウォード）がいました。プール清掃業のジェリー・カイザー（クリス・ペン）は、妻ロイス（ジェニファー・ジェイソン・リー）が育児をしながらテレフォン・セックスの仕事をしていることに、家計を助けるためと分かっていながらも不満を募らせていました。
アンは翌日9歳の誕生日を迎える息子ケイシーのため、ケーキ屋のアンディ・ビットカワー（ライル・ラヴェット）にバースデーケーキを注文しましたが、そのケイシーはドリーンの運転する車に撥ねられ、ラルフの病院に搬送されるも意識不明の重体になってしまいます。更に追い打ちをかけるように、フィニガン夫妻の元に悪質ないたずら電話が頻繁にかかってきました。ケイシーの事故を知ったハワードの父で30年間も会っていなかったポール（ジャック・レモン）が病院に駆け付けましたが、ケイシーは息を引き取ってしまいました。実はいたずら電話の主はアンディである、アンが注文したケーキを取りに来なかった腹いせに仕組んだことだったのです。事情を知ったアンディはフィニガン夫妻に謝罪しました。一方、ドリーンはアールに子供を撥ねたことを打ち明けますが、二人は子供はきっと無事だろうとしてヤケになって馬鹿騒ぎを起こしました。隣に住んでいたケイシーの死を知ったゾエはクラブでリハーサル中の母テスに事態を知らせましたが、テスは何の関心も示しませんでした。元々テスとゾエは互いに自分を音楽でしか表現できず、互いのことをうまく理解しあえない関係だったのです。
警官ジーン・シェパード（ティム・ロビンス）は妻シェリー（マデリーン・ストー）がいながら愛人ベティ・ウェザーズ（フランセス・マクドーマンド）と逢瀬を重ねており、シェリーから朝帰りの件を厳しく追及されました。ジーンはカッとなって飼い犬を捨ててしまい、結局シェリーの機嫌を取るため、犬を探しに出かけました。一方、ベティの元夫で、殺虫剤散布を終えたヘリコプターのパイロット、ストーミー・ウェザーズ（ピーター・ギャラガー）はベティに男がいることを知って激昂、留守中の彼女の家に入り込んで電動ノコギリで部屋の中を滅茶苦茶に荒らしまくりました。その頃、ジーンは、シェリーが画家の姉のためヌードモデルになったことを知り、シェリーに対して欲情を募らせました。ある日、釣りが趣味のスチュアート（フレッド・ウォード）は釣り仲間ゴードン・ジョンソン（バック・ヘンリー）やヴァーン・ミラー（ヒューイ・ルイス）と山奥の川へ出かけたところ、偶然にも女性の全裸死体が浮かんでいるのを発見しました。あまりに山奥なので警察に連絡しようがなく、仕方なくらは死体をロープでくくりつけ、そのまま釣りに明け暮れました。3日後、スチュアートらは帰る際にようやく通報、三人は翌朝の新聞の一面を飾りました。クレアは帰宅してきたスチュアートを激しく非難し、人知れず死体の女性の葬儀に参列しました。
映画のメイクアップアーティストのビル・ブッシュ（ロバート・ダウニー・Jr）と妻ハニー（リリ・テイラー）は、向かいのアパートに住む裕福な家庭が1ヶ月留守にする間の管理を任されました。ハニーは真面目に務めを果たそうとしましたが、自分の作った作品に興奮したビルは友人のジェリーをアパートに誘いました。ちょうどその頃、ハワード宅のプールを清掃していたジェリーは、隣の家のゾエが全裸で泳ぐところを覗き見していました。やがてテスはまるで溺死体のように浮かび上がり、テスは娘がまた自殺の真似でもしているのだろうと相手にもしませんでした。ジェリーはロイスを連れてビル夫妻が管理するアパートに行き、ビルと馬鹿騒ぎに明け暮れました。ビルはジェリーとロイス一家を誘い、ハニーも交えて郊外へピクニックに出掛けました。しかし、ビルとジェリーは二人組の女の子に目をつけてナンパしますが、その時ロサンゼルスを巨大地震が襲いました。人々は突然の事態に驚愕しますが、やがて地震は程なく収まり、奇跡的に死者は出ませんでした…ジェリーとナンパした女性の二人を除いては…。人々はまた何事もなかったかのようにいつも通りの生活に戻っていきました。
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