息子の面影の紹介:2020年メキシコ, スペイン映画。メキシコの貧しい村に暮らすマグダレーナ。貧しい生活から抜け出すために仕事と夢を求めた息子ヘススは友人とアメリカへ向けて旅立ったまま消息を絶ってしまう。マグダレーナはヘススを探すためにひとり村を出発した。やっとの思いで得た情報を頼りにある村へと向かうマグダレーナは、道中でヘススと同じ頃の青年ミゲルに出会い、彼が母親を探していることを知る。息子と母、それぞれが大切な存在を探している2人は共に旅を始める。
監督:フェルナンダ・バラデス
出演:メルセデス・エルナンデス(マグダレーナ)、ダビッド・イジェスカス(ミゲル)、フアン・ヘスス・バレラ(ヘスス)ほか
映画「息子の面影」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「息子の面影」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「息子の面影」解説
この解説記事には映画「息子の面影」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
息子の面影のネタバレあらすじ:起
「リゴと行くよ。アリゾナで仕事する」
そうマグダレーナに言い残し旅発った息子ヘススは2か月後、消息を絶ってしまいました。バスで国境へ行く、それがヘススからの最後の連絡でした。友人リゴも同様に行方不明でした。
マグダレーナはリゴの母親と2人で相談所を訪れました。
そこで見せられたのは、連邦警察から送られてきたおびただしい数の身元不明の死体の写真。そこで無残に殺されたリゴの写真がありましたが、ヘススの写真はありませんでした。
リゴの葬儀が行われ、リゴの母は嘆き悲しみながらも「ヘススはきっと無事よ」とマグダレーナを励ましました。そして彼を探すならとお金を貸してくれました。
白人の女医のもとに1本の電話が鳴りました。オペを終えた女医が向かったのは国境近くの遺体安置所。マグダレーナも国境まで探しにやってきました。
遺体袋を確認した女医は、確認できないほど変わり果てた息子の姿を目の当たりにしDNAは一致しているという言葉に納得するしかありませんでした。
書類に困っているマグダレーナの様子をみかねた女医は声を掛けました。ヘススのことを話すと女医は言いました。「この書類にサインをしたら捜査は打ち切られる。私の息子ディエゴは4年前に消息を絶って、散々探したあげく先日連絡がきて身元確認をしたら死後2週間だった」と。何と言われようと同じ過ちを繰り返すなという女医の言葉に背中を押されて、マグダレーナは決意を固めました。
息子の面影のネタバレあらすじ:承
メキシコ人の青年が空港に降り立ちました。彼の名前はミゲル。アメリカから逮捕されたくなかったら退去しろと言われ、メキシコに戻ってきたのでした。
マグダレーナはヘススが乗ったバスを調べようと思い、バスセンターの事務所へ行きました。事務員にヘススが乗ったバスが襲撃などに遭っていなかったか尋ねましたが、「襲撃の話はきていません」と冷たくあしらわれてしまいます。
ところが、廊下をウロウロしているマグダレーナをさきほどの事務員がトイレへ呼び出しました。人前であんなことを聞かないでと前置きしたあとに「バスの襲撃は表立ったものでなくても日常に行われている。移民施設へ行ってレヒスに会って」と知らせてくれました。
しかしレヒスからは有力な情報を得ることができませんでした。ただ、その時のバスで乗客は全員降ろされ、その中の高齢の男性アルベルト・マテオが殴打はされたけれど生き残っていると言うのです。
マグダレーナはアルベルト・マテオに会いに遠く離れた村までバスに乗りました。ここにアメリカから退去させられた青年ミゲルの姿もありました。
息子の面影のネタバレあらすじ:転
バスから降りて目的地まで歩き続けるミゲルは途中で疲れ果てていたマグダレーナと出会いました。ミゲルは声をかけ、母の家に行くから良かったら泊まって行ってと親切にしました。
しかし、訪れた母の家は誰もいませんでした。一体何があったのか不穏な空気が流れます。
とにかく今夜はここで休ませてもらうしか方法はありませんでした。ミゲルはマグダレーナの事情を聞きました。アルベルト・マテオに会いに行くにはボートが必要とのこと。「息子さん見つかるといいね…」そう言うミゲルは、母が貯めてくれたお金で渡米することができたと話しました。今は無事なのだろうか…。皮肉にもミゲルが強制退去させられなかったら、この事態に気付くことはありませんでした。
翌朝、ボートもなく無謀にもダムまで歩くマグダレーナでしたが、偶然漁をしている男をみつけ、ボートに乗せてもらうことができました。
やっとの思いでアルベルト・マテオの家までたどり着いたマグダレーナは、方言を訳す家族を通じてバスの襲撃の状況を知りました。アルベルト・マテオは殴打されながらも燃え盛る炎に悪魔のシルエットが浮かんでいたことを記憶していました。
そしてリゴの特徴である顔にシミのある子が殺されたと言います。彼は本当にこのバスに乗っていたのでした。
息子の面影の結末
マグダレーナはミゲルの家へ戻りました。ミゲルはうつろな目でじっと座ったままでした。そんな彼をマグダレーナは優しく慰め言いました。「ここではいつ武装集団に襲われるか分からない。一緒に自分の住んでいる場所で暮らそう」と。マグダレーナの眼差しは自分の息子を見るようでした。
しかしその晩、武装集団が襲ってきました。彼らはこの村を皆殺しにするつもりでした。
ミゲルとマグダレーナは暗闇を逃げ回りました。しかし、相手に追いつかれてしまいミゲルが降参と言わんばかりに手をあげ「母の家に来ただけなんだ」そう言った瞬間、無残にも射殺されてしまいました。
マグダレーナの気配に気づいた敵が彼女を追いました。つまずいてしまったマグダレーナが振り返ると、武装した若者はなんと息子のヘススだったのです。
ヘススはバスが襲われたあの日、武装集団から仲間になれば助けてやると言われたのでした。度胸試しにリゴまで殺して。
「もう戻ることはできないけれど、金は送る」ヘススはマグダレーナを残し武装集団のもとへ戻っていきました。
故郷に戻ったマグダレーナは役所へ向かいました。
そしてミゲルの遺体を引き取る手続きをしました。
以上、映画「息子の面影」のあらすじと結末でした。
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