新選組始末記の紹介:1963年日本映画。子母澤寛の原作を大映へ移籍間もない星川清司が脚色。その後、数多く作られた三隅・星川・雷蔵トリオ作品の最初のものとなった。新選組を扱った映画の中でも出来栄えがよく、三隅研次監督にとっても代表作のひとつになっている。
監督:三隅研次 出演:市川雷蔵(山崎烝)、若山富三郎(近藤勇)、天知茂(土方歳三)、松本錦四郎(沖田総司)、伊達三郎(山南敬助)、田崎潤(芹沢鴨)
映画「新選組始末記」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「新選組始末記」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「新選組始末記」解説
この解説記事には映画「新選組始末記」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
新選組始末記のネタバレあらすじ:起
文久3年(1863年)春、黒船来航から10年が過ぎ、もはや幕府は崩壊寸前でした。脱藩した志士たちが集まった京都では倒幕佐幕両派による暗殺事件が頻発していて、河原に死体がさらし者になることも少なくありません。同年結成された新選組は市中警備に当たり、事を起こそうとする尊王攘夷派の志士たちを次々と斬り捨てていました。勤皇派に斬られた隊士から偶然遺品を預かった浪人の山崎丞は局長首座の芹沢鴨を訪ねますが、相手にされません。その対応を見かねた近藤勇が座敷に山崎を招き入れ、丁寧に礼を述べます。
新選組始末記のネタバレあらすじ:承
近藤のことが気に入った山崎は自らも新選組への入隊を決意。隊士募集に応じて合格し、新選組屯所で寝起きすることになります。勢いを増す新選組ですが、芹沢鴨を中心とする元水戸浪士の一派が権力をカサに傍若無人な振る舞いをするため、近藤・土方一派との反目が激しくなっていきます。やがて近藤たちは芹沢鴨の腹心である新見錦を切腹に追い込み、山崎がその介錯を行います。大変な剣の使い手である山崎はすぐに隊内で重きをなすようになり、近藤との個人的交流も深まりますが、土方歳三の謀略による芹沢鴨の暗殺、そしてその際の近藤の偽善的な態度から、山崎の心に新選組の方針への疑問が生じます。
新選組始末記のネタバレあらすじ:転
そして成り行きから町方与力を斬ってしまった山崎は、一旦新選組から逃亡。しかしやはり近藤への思いは消えず、薬売りに身をやつし、密偵として勤王派の動きを探ることにします。やがて正体がばれて手傷を負った山崎は、仕方なく浪人時代に親しくしていた女医の毛利志満のところへ。山崎は志満との夫婦のような生活に一時の平安を得ますが、すぐにまた密偵の仕事に戻ります。やがて、元治元年6月5日、祇園の宵山の日、三条木屋町の池田屋に勤王派の吉田稔麿、北添佶摩、宮部鼎蔵、大高又次郎、石川潤次郎、杉山松助、松田重助らが集まって謀議を行っているという情報が山崎によりもたらされます。
新選組始末記の結末
さらに新選組は尊攘過激派で間者である古高俊太郎を捕えることに成功。拷問により、古高はその日に御所焼き討ちの計画があることを白状します。しかし、古高によると密議の場所は四国屋という宿屋。山崎の情報と食い違います。近藤があくまで山崎を信じて池田屋に向かうと、中では山崎が勤王派に取り囲まれていました。やはり山崎が正しかったと知った近藤たちは勤王派たちを全滅させます。そして今や英雄となった新選組は、京の町を勇ましく練り歩きます。それを群衆の中で見送る志満。その顔には不安だけが宿っていました。
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