いつだってやめられる 10人の怒れる教授たちの紹介:2017年イタリア映画。2009年にギリシャで始まった欧州危機はイタリアにも飛び火し、大学の研究費削減により学者たちの給与カットや解雇が頻繁に行われている昨今。彼らの中には国外に活路を求める者も多く「頭脳流出」と呼ばれ社会問題となった。本作の前章にあたる『いつだってやめられる 7人の危ない教授たち』で大騒動を起こした学者ギャング団が、今度はドラッグ根絶のために再び終結。率いるのは女性警部パオラ。前回のメンバーに新しく仲間も加わり、与えられたミッションを次々にこなしていく。メンバー同士がかばい合いお互いを認め合うかと思えば、プライドの高さや意見の相違により罵り合うことも少なくないが、次第に友情にも似た奇妙な仲間意識も芽生えてくる。製作費もキャストも前作よりスケールアップし、ハリウッド並のアクションシーンで、本国イタリアでは前作を超えた反響があった。
監督:シドニー・シビリア 出演:エドアルド・レオ(ピエトロ・ズィンニ)、グレタ・スカラーノ(パオラ・コレッティ)、ヴァレリア・ソラリーノ(ジュリア)、ヴァレリオ・アプレア(マッティア・アルジェリ)、パオロ・カラブレージ(アルトゥーロ・フランティーニ)、ほか
映画「いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
いつだってやめられる 10人の怒れる教授たちの予告編 動画
映画「いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち」解説
この解説記事には映画「いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
いつだってやめられる 10人の怒れる教授たちのネタバレあらすじ:起
ピエトロとの面会のため刑務所を訪れるジュリア。神経生物学者ピエトロは食器洗い機を買う金欲しさにスマートドラッグを製造し、さらに誘拐、殺人未遂罪で服役中でした。早く出所して妻子共に生活をすることを望むピエトロに対し、ジュリアは刑務所から講義代としてもらっている報酬に生活を助けられているため、ピエトロが模範囚として早期に出所してしまったら、この先どうなるのかと不安に思っています。 ローマではスマートドラッグと呼ばれる合法ドラッグが社会問題になっていました。パオラ警部はそのようなドラッグが違法薬物としてリストに載るまで、警察が一切介入できないことに苛立ちをつのらせています。薬物としてリストに載ってもまた異なる物質でスマートドラッグは作られ、イタチごっこが続く現状に上司はパオラに諦めるよう伝えました。そこへ、ピエトロ・ズンニが逮捕された吉報が入ります。パオラはこれをローマのスマートドラッグ取り締まりの絶好のチャンスだと捉え、ピエトロに秘密裏で捜査の協力をするよう持ちかけました。見返りは、ピエトロの刑期軽減と犯罪歴の抹消。 はじめは乗り気ではなかったピエトロでしたが、もうすぐ生まれてくる自分の子供のためこれを承諾。再びチームを集め捜査に協力することとなりました。これまでのチームに新たに仲間を迎え、秘密裏に活動をする警察お墨付きのバンダ(ギャング団)を結成しました。
いつだってやめられる 10人の怒れる教授たちのネタバレあらすじ:承
仲間の古典考古学者アルトゥーロのアイディアにより、遺跡が発掘されたことで、工事が中断されてしまった地下トンネルを本部に置き、ピエトロは仲間にパオラを引き合わせます。与えられえたミッションは、ローマに出回っているドラッグを分析し物質を突き止め、新たな30種類をリストに追加するというもの。メカトロニクス工学者ルーチョより武器を手に入れ、最初のミッションに取り掛かります。まずスマートドラッグを手に入れ、本部にいる計算化学者アルベルトが分析。成分を解明したところで、動学マクロ経済学者バルトロメオが原料の購入履歴からお金の流れを調査し売人や製造者を捜査するという具合で、次々と順調に仕事をこなしていくバンダ。元ドラッグ中毒のアルベルトだけが、1人地下トンネルで分析をしつつ、薬物に手を出したい欲求と葛藤していました。秘密で捜査に協力しているため、ピエトロはジュリアにも本当のことを言えません。そんな中で次第に大きくなるジュリアのお腹を見て、一層ドラッグ探しに精を出し、出産に立ち会うことを決めるピエトロでした。
いつだってやめられる 10人の怒れる教授たちのネタバレあらすじ:転
次々とローマからスマートドラッグが姿を消し、ノルマの30種類もゴールが見え初めてきた頃、アルベルトはどうしてもソポックスだけ成分が解けないことに苛立ちを見せはじめます。薬物摂取はピエトロからきつく禁じられていましたが、ソポックスの謎を解くには摂取もいとわないとついにアルベルトは手を出してしまいました。一方ジュリアも外出ができるピエトロを次第に怪しみはじめます。ピエトロは模範囚だから日中外出ができるとその場しのぎで答えましたが、ジュリアの不安は怒りと変わり、こんなことならピルを飲むべきだったと思いをぶちまけました。ところが、この言葉にピエトロはハッとします。解明できない謎のソポックスはピルから製造されたのだと。ジュリアにお礼を言い、慌てて本部へ向かうピエトロ。ところが吉報を知らせに戻ったピエトロは唖然とします。そこには薬物を摂取したアルベルトと介抱している仲間たちの姿がありました。解剖学者ジュリオのおかげで意識は取り留めるも、ピエトロは大激怒。アルベルトに仲間を外れるよう迫ります。一方アルベルトは麻薬の効力により、過去に自らが起こした車事故の記憶が覚醒します。車で横転しているときに、一台のトラックとすれ違いました。荷台には大量のソポックスを製造するに欠かせない、巨大なクロマトグラフィーが乗せてあったことを思い出したのです。
いつだってやめられる 10人の怒れる教授たちの結末
パオラはアルベルトの事故の日、クロマトグラフィーが強奪されていたことを突き止めます。ピルは近日、港へ大量に到着することになっていたため、麻薬組織は輸送中に強奪するだろうと見込んだチームはコンテナに潜りGPSを付け麻薬組織を追跡する作戦を立てました。港では現場作業員を撒くために、文化人類学者アンドレアが人格を変えて作業員に化けます。その間にGPSを取り付ける予定でしたが、運搬の時間が早まり仲間のマッティアがコンテナへ取り残されたまま貨物列車に乗ってしまうことになりました。チームは列車を追います。追跡車にはアルトゥーロが用意した、ナチから押収したジープとサイドカー。なんとかコンテナへ追い付きマッティアを助けますが、そこへ麻薬組織のボス、ヴァルテル・メルクリオと鉢合わせしてしまいます。列車からあっという間に大量のピルを車に詰め込み、見事逃走したヴァルテルでしたが、GPSを頼りに製造場所を付き止めることができました。彼らを捕まえることはできませんでしたが、見事に麻薬売買を阻止することに成功しました。ピエトロはジュリアが待つ病院へと急ぎます。出産には間に合わなかったものの、任務を終えたピエトロはジュリアにキスし再び2人に日常が戻りました。しかしその矢先、突如として幸せに暗雲が立ちふさがります。パオラ警部は解任され、ピエトロは生まれたばかりの我が子を見ることもなく警察に連行されてしまったのです。訳も分からず収監されるピエトロですが、アルベルトが残したメモにふと目をやるとあることに気付きます。それはソポックスの文字に隠された化学式。ずっと追っていたソポックスはほんの序章にすぎず、ヴァルテルの狙いは神経ガスを使ったテロだったということを。ヴァルテルは野放しのままどうすることもできず収監されていくピエトロだったのでした。
以上、いつだってやめられる 10人の怒れる教授たちのあらすじと結末でした。
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