姿三四郎の紹介:1943年日本映画。日本映画界の巨星・黒澤明の監督デビュー作は富田常雄の同名小説を映画化したものです。柔術家を目指して田舎から上京してきた青年・姿三四郎が、師匠との出会いやライバルたちとの死闘を通じて人間的に成長していく様を描いています。
監督:黒澤明 出演者:藤田進(姿三四郎)、大河内傳次郎(矢野正五郎)、轟夕起子(小夜)、月形龍之介(檜垣源之助)、志村喬(村井半助)ほか
映画「姿三四郎」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「姿三四郎」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「姿三四郎」解説
この解説記事には映画「姿三四郎」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
姿三四郎のネタバレあらすじ:起
明治15年、柔術家になるために会津から上京した青年、姿三四郎(藤田進)は、神明活殺流の門馬三郎(小杉義男)に弟子入りします。ところが入門した日の夜、門馬は弟子を引き連れて、敵対する修道館柔道の矢野正五郎(大河内傳次郎)を闇討ちします。しかし、矢野はたった一人で門馬ら神明活殺流を片付けます。矢野の圧倒的な強さと相手に怪我をさせないような闘い方に感心すると共に、門馬の卑劣さを見限った三四郎は柔術から柔道への転向を決意、早速矢野に弟子入りします。その後、三四郎は修道館の四天王に数えられるほどの強さを身に着けていましたが、慢心のあまり街に出てチンピラと喧嘩してしまいました。矢野は三四郎を「人間の道を分かっていない」と叱り、反発した三四郎は庭の池に飛び込み、死んでやると叫びましたが矢野は取り合いませんでした。池に浸かったまま一晩を過ごした三四郎でしたが、明け方に蓮の花が美しく咲いているのを目の当たりにし、己の未熟さを思い知り、師匠の意図に気付きます。
姿三四郎のネタバレあらすじ:承
三四郎は矢野から稽古止めを言い渡されます。ある日、矢野の道場に異様な存在感を放つ良移心当流柔術の達人、檜垣源之助(月形龍之介)が道場破りに現れ、三四郎の兄弟子たちを一瞬で倒していきます。三四郎はただ見守ることしかできませんでしたが、いずれ闘うことになるだろうと予感していました。やがて、因縁の門馬から修道館に挑戦状が叩きつけられ、三四郎は修道館を代表して出場します。三四郎は門馬と対戦し、必殺技「山嵐」を決めて勝利しますが、門馬は壁に頭を打ち付けられて動かなくなり、そのまま絶命してしまいます。観客からは悲鳴が上がり、門馬の娘お澄(花井蘭子)の悲痛な眼差しを見た三四郎は、柔道を続ける意義を見失ってしまいます。
姿三四郎のネタバレあらすじ:転
三四郎は矢野の猛特訓を受け、ようやく戦う気力を取り戻します。ある日、三四郎は神社で祈りを捧げる、良移心当流師範・村井半助(志村喬)の娘の小夜(轟夕起子)と出会います。三四郎は警視庁武術大会で村井との対戦が決まっており、小夜は父の勝利を願っていたのです。三四郎は苦悩しますが、寺の和尚から「その娘の美しい強さに負けない、お前の美しかった時を思い出せ」と言われ、かつて自分が飛び込んだ池で見た蓮の花の姿を思い出し、遂に闘いに挑む決心をします。
姿三四郎の結末
いよいよ警視庁武術大会が始まりました。大観衆の見守る中、村井は持てる力の全てを三四郎にぶつけ、白熱した死闘となりますが、最後は三四郎が辛うじて勝利を収めます。その後、村井は三四郎を道場に招待し温かい言葉をかけると小夜の手料理でもてなします。三四郎の名声は高まり、やがて子供たちの歌にもその名が詠まれるようになっていきましたが、かつて矢野の道場を破った檜垣は快く思っていませんでした。三四郎と戦う場を中々もらえないどころか、想いを寄せている小夜が三四郎と親しくしているのが許せませんでした。そして檜垣は三四郎に果たし状を叩きつけます。迎えた12月26日の夜8時、右京が原で両者は遂に決闘に挑みます。互いに死力を尽くした末に檜垣は必殺技の十字絞めを繰り出しますが、三四郎は己を滅して技をかわし勝利を収めます。その後、三四郎は小夜の見送りを受け、横浜駅から汽車に乗って旅立っていきました。
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