悲しみに、こんにちはの紹介:2017年スペイン映画。1993年、夏。両親の死によりスペイン、バルセロナからカタルーニャの叔父の家庭へあずけられた幼い少女フリダ。家族や友達と馴染もうとする反面、嘘をついたり意地悪をしたり、うまく自己表現できずにいた。無邪気さの中に見え隠れする闇を、輝きと儚さを伴って描いた少女のひと夏の出来事。多くを語らずしても、フリダの悲しみや恐怖をやさしく表現している。監督カルラ・シモンの長編デビュー作で、彼女の幼少期の実体験をもとに描かれている。
監督:カルラ・シモン 出演:ライラ・アルティガス(フリダ)、パウラ・ロブレス(アナ)、ブルーナ・クッシ(マルガ)、ダビド・ヴェルダグエル(エステバ)ほか
映画「悲しみに、こんにちは」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「悲しみに、こんにちは」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
悲しみに、こんにちはの予告編 動画
映画「悲しみに、こんにちは」解説
この解説記事には映画「悲しみに、こんにちは」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
悲しみに、こんにちはのネタバレあらすじ:起
1993年の夏、エイズで両親を亡くした少女フリダは1人バルセロナを後にして、カタルーニャの叔父エステバと叔母マルガの家族に引き取られました。緑に囲まれた叔父の家にはいつも音楽がかかっており、自給自足の生活ができます。近所の酪農家に産みたての卵をもらいに行ったり、道端にマリア像を見つけたり、停電があったり…これらの生活は都会育ちのフリダにとってどれも新しい経験でした。しかしエステバ夫妻と従姉妹アナの4人生活は、上手く行くことばかりではありませんでした。ある日のこと、血液検査のため病院に向かう車の中でフリダは不機嫌でした。髪型が気に入らないと言うので、マルガは車を停めコームで直してあげようとすると、フリダはそれを取り上げ窓から外へ放り投げてしまいます。病院でも「バルセロナではもう検査はしなくていいと言われたのに…」とフリダの機嫌は直りません。フリダはその日の夜、マリア像の立つ場所へ1人で出向き、マルガのバッグから取ったタバコを置きました。「ママが来たら渡してあげて」と。
悲しみに、こんにちはのネタバレあらすじ:承
それでも少しずつ周りと馴染もうとするフリダ。ある日、新しい友達と公園で遊んでいる最中、転んで膝を擦りむいてしまいます。心配した友達がフリダのそばに駆け寄り声をかけるものの、その子の母親は「近寄っちゃダメ!この子は病気なんだから」と飛んできてムスメを引き離します。この言葉にマルガは気を悪くし、フリダを抱きかかえその場を去りました。フリダはただ黙ったままでした。そんなある日、フリダが大好きな祖父と祖母が突然訪れます。ご機嫌なフリダは祖父に靴紐を結んでもらうよう頼みます。自分でやらせたいマルガは少々苛立ちを見せていました。それ以来、アナも真似をして靴紐を結ぶようせがんできます。マルガはフリダのせいだと怒り出してしまいました。
悲しみに、こんにちはのネタバレあらすじ:転
ある日のこと、朝から表情の曇っていたフリダをアナが呼びます。1人でいたいフリダに対して、一緒に遊んでほしいと付いてくるアナ。フリダはアナを森の中へ連れて行き、置き去りにしてしまいました。アナを探すマルガにも「見ていない」と嘘をつきます。しばらくすると腕に怪我を負ったアナを連れてマルガが戻ってきました。フリダは後悔の表情ですが、マルガの怒りは限界でした。その日の晩、マルガは「あの子には良心がない」とエステバに話す声をフリダは聞いてしまいます。また別の日、体調が悪く休んでいるマルガのもとへフリダがやってきて、マルガの身体を気遣います。フリダ自身の精一杯の償いでした。検査の結果はフリダはエイズに感染していないことが分かりました。マルガはフリダにアイスを買ってあげ共に喜びました。そこへ再び祖父母がやってきます。みんなで楽しい時間を過ごしますが、帰る際に自分もバルセロナに行くとフリダは駄々をこね、車に乗り込んでしまいます。しかしエステバに無理やり降ろされ、車は去ってしまいました。フリダは立ちすくんだまま動けずにいました。
悲しみに、こんにちはの結末
その日の夜、エステバとマルガが寝ていることを確認し、大切にしていた人形をリュックに詰めるフリダ。それに気付いたアナに「誰にも好かれてないから家に帰る」と言います。「私は好き」と告げるアナに人形をあげて、フリダは出ていきました。エステバとマルガの探す声が聞こえます。暗闇から出てきたフリダは「暗いから明日にする」といいベッドに戻りました。部屋に入ってきたマルガはとがめることなく、優しく添い寝をしてくれました。フリダにとって新しい学校での新学期が始まろうとしています。部屋でマルガと持ち物のチェックをしていたフリダは突然聞きます。「ママが死んだ時に何か言ってた?」と。「娘の世話ができなくて悲しんでいたわ」と答えるマルガ。フリダはマルガに向かってそっと「病気にならないでね」と言いました。夜、フリダはアナとベッドで飛んだり跳ねたり遊んでいます。エステバも一緒にふざけて、3人は声をあげて楽しそうにはしゃいでいました。しかし、突然フリダは泣き出します。マルガもやってきて「どうしたの?」と聞きますが、溢れ出る感情を抑えることができません。これまでずっと我慢してきた気持ちが一気に吹き出るかのように、フリダはただただ泣きじゃくるのでした。
以上「悲しみに、こんにちは」のあらすじと結末でした。
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