TENET テネットの紹介:2020年アメリカ映画。名もなき男のミッションは、<時間のルール>から脱出すること。時間の中に隠された秘密を解き明かし第三次世界大戦阻止に向けて始動した。突然、国家を揺るがす任務に巻き込まれた名もなき男と相棒ニール。無事に任務を遂行することができるのか。脅威のスケールで放つ極限のタイムサスペンス超大作。2021年の第93回アカデミー賞では視覚効果賞を受賞した。
監督: クリストファー・ノーラン 出演:ジョン・デヴィッド・ワシントン(名もなき男)、ロバート・パティンソン(ニール)、エリザベス・デビッキ(キャット)、ディンプル・カパディア(プリヤ)、アーロン・テイラー=ジョンソン(アイブス)、ヒメーシュ・パテル(マヒア)、クレマンス・ポエジー(バーバラ)、マイケル・ケイン(クロズビー)、ケネス・ブラナー(セイター)他
映画「TENET テネット」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「TENET テネット」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
TENET テネットの予告編 動画
映画「TENET テネット」解説
この解説記事には映画「TENET テネット」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
TENET テネットのネタバレあらすじ:起
6月14日。
キエフ国立オペラ劇場は突如現れた武装グループに観客もろとも占領されてしまいまいました。CIAエージェントの“名もなき男”(ジョン・デヴィッド・ワシントン)はテロリストと特殊部隊の乱戦の中で「プルトニウム241」を回収しようと、武装グループに潜入した仲間のもとへ近づきました。
しかしその時、観客もろとも劇場を爆破しようとする特殊部隊を見つけ、この戦い自体が何者かに仕組まれたものであることに気付きます。名もなき男は敵の襲撃に遭ってしまいましたが、逆行する弾丸を操る謎の男によって助かり、観客の命を救うことができました。
ところがそう思ったのも束の間。敵に捕まってしまい拷問を受けました。敵の隙を見て、自殺カプセルを飲みましたがそれは単なる鎮痛剤でした。
目が覚めた場所は何かの施設でした。
死んだと思われた名もなき男を救ったのは、第三次世界大戦を未然に防ぐために活動する謎の組織でした。協力を要請された彼は、施設内で研究員から時間の逆行を見せられました。それは壁に打ち込まれた弾丸が、自力で飛び出し銃口に逆戻りするという、あまりにも現実離れした衝撃の瞬間でした。そして、これは、キエフの劇場で彼を救った男が起こした現象と同じでした。
TENET テネットのネタバレあらすじ:承
弾丸の薬莢に使われている金属がインド特産のものであることを突きとめた名もなき男は、ムンバイに行き大物武器商人サンジェイを探るためアシスタントのニール(ロバート・パティンソン)と合流しました。ニールは初対面にもかかわらず、名もなき男のことをよく知っているようでした。
サンジェイと対峙すると、本当の黒幕は妻のプリヤ(ディンプル・カパディア)であることが分かりました。
その後、プリヤとイギリスの諜報員クロズビー(マイケル・ケイン)の情報をたどり、ロシアの武器商人セイター(ケネス・ブラナー)が本当の黒幕だと判明します。
名もなき男はその妻キャット(エリザベス・デビッキ)に接近し、夫に弱みである贋作絵画を握られている彼女のために、保管庫に突入することにしました。
オスロの空港に隣接された保管庫のセキュリティを大胆な方法で突破した名もなき男とニールは、保管庫の中心に回転ドアのような装置を見つけました。
すると突然、回転ドアが開き中から2人の黒服の男が飛び出してきました。名もなき男は時間を逆行する奇妙な動きに翻弄されながら苦戦を強いられます。一方、ニールは逃げる黒服男を追いかけていきました。
その後、キエフで回収されたプルトニウム241が警察に渡りタリンへ移送されることを知った名もなき男とニール。タリンのハイウェイで待ち構え、セイターの裏をかいて移送中のプルトニウム241を強奪することに成功しました。トランクの中身は何からの部品のような物体。息つく間もなく、次は逆走する車に突っ込まれます。中には未来から逆行してきたセイターとキャットが乗っていました。未来から来たセイターは全ての真相を知っている様子で、キャットの命と引き換えにトランクを要求してきました。
TENET テネットのネタバレあらすじ:転
キャットは逆行世界のセイターの銃弾で重傷を負ってしまいました。彼女の命を救うため、名もなき男は応援部隊のアイブス(アーロン・テイラー=ジョンソン)の手を借りて逆行する世界へ飛び込みました。
向かったのはセイターとチェイスしたハイウェイ。しかし、セイターの車に追いつくも自らの車は横転してし、パーツはセイターに奪われてしまいました。
負傷するキャットを連れた2人は、次に再度順行に戻るためにオスロの回転ドアを目指します。以前、回転ドアから飛び出して襲ってきた黒服の男は、彼自身でした。
セイターに奪われてしまったパーツは、全時間を逆転させ、順行世界を滅ぼすアルゴリズムでした。未来の科学者によって発見され、悪用されないよう9つに分解して過去に隠し自殺したのでした。セイターはプルトニウム241を手にしたことで全てのパーツを手にいれたことになりました。
セイターは時間を逆行させてすべての生命を消滅させることを考えていました。末期のすい臓がんを抱えていることから、全人類を道連れにして死のうとしていたのです。アルゴリズムは彼の命と連携しており、死んだ瞬間にスイッチが入るようになっていました。
起爆は14日のセイターの故郷スタルスク12。キャットによれば、14日は彼が幸せを感じた最後の日で、それ以来姿を消したとのことでした。
名もなき男はアイブス率いる大部隊とともに母艦マグネヴァイキング号で時間をさかのぼり、決戦の地スタルスク12へと向かいました。
TENET テネットの結末
作戦はスタルスク12での爆発を機転に順行逆行で10分間の挟み撃ちで決行されます。
逆行するブルー隊は爆心地へ降下し、敵の排除と情報収集。順行するレッド隊はアルゴリズムの確保です。
レッド隊の名もなき男とアイブスは銃弾が降り注ぐ中、なんとか施設にたどり着くことができました。しかし、施錠された鉄格子に阻まれます。
扉の向こう側でセイターの部下ボルコフがアルゴリズムを埋めようとしているのを見ながら何もできないことにいら立ちを見せる名もなき男とアイブス。
なんとか襲撃しようとする名もなき男にボルコフも応戦してきます。
そしてそんなボルコフに銃を向けられた次の瞬間、足元に横たわっていたバックに赤いストラップをつけていた兵士の死体が、逆行により生き返りまるで身代わりになるかのように撃たれました。さらに逆行したこの兵士が鉄格子をあけ、名もなき男とアイブスはアルゴリズムを回収することができました。
一方キャットは時間稼ぎをするためにベトナムへ行き、セイターがいるヨットへ向かいました。
幸せな会話をしているかのようでしたが、セイターの様子に次第に憎しみがこみあげてきたキャットは隠していた銃でセイターを撃ち、ヨットから突き落としました。そして自分も海へ逃げました。つまり、この後にセイターが姿を消したのはキャットが殺したためだったのです。
無事アルゴリズムを回収し、任務を終えたニールは、自分の雇い主が名もなき男であることを明かしました。組織に戻ることを選択したニール。去って行く彼のバックには赤いストラップがついていました。ボルコフとの戦いで自分の身代わりとなり救ったのはなんとニールだったのでした。そればかりか、キエフの劇場で救ったのもニールだったのです。
後日、名もなき男はキャットの命を脅かすプリヤを殺しました。
名もなき男は言いました。「未来の自分がこの組織を作った」と。
アルゴリズムの存在を知る者は抹殺というルールを破って、キャットを救うことを選んだのでした。
以上、映画「TENET テネット」のあらすじと結末でした。
「TENET テネット」感想・レビュー
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1回見ただけでは理解できないとの前評判を受けて見に行ったが、通常の映画の様に極力省いたセリフ回しと余韻で登場人物の立ち位置を理解するといった観方では、初っ端から置いてきぼりを食らってしまう映画でした。しかし、それを踏まえてもこの<時間のルール>の設定だけで十分に新感覚な映画として楽しめる作品でした。
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理解できないという前評判を聞いてどんなものかと思って観ました。
難解なところとしてはエントロピーや時間の概念についての話が出てくることなどがある。
しかし、物語の主題を理解する上ではそこまで気にしないで観ると良い。
というよりすべてをきっちり理解しようとすると矛盾があるので、余計難解になると思った方がいい。序盤の逆行無しのアクション、中盤以降の逆行アクション、シンプルに見応えがあるので素直な気持ちで観るべき。
名もなき主人公の信念を貫く姿勢だったり、ニールとの友情がとても良い映画。何も知らないが信念と周囲の助けの元進んでいった主人公とすべてを理解した上で進んでいったニール、ラストの2人の会話を聞きたいからもう一度観ようかなと思います。
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この映画のすごさは最初から。冒頭からクライマックスかと思うくらい何が起きたのかわからない、そして今後どうなっていくかという展開が読めない緊張感とワクワクさで魅了された。
確かに一見ではわかりにくいが、どうしてここはこうなっているのかという視点で見ると、伏線が回収されたときに改めて理解できる。
とはいえ、自分も見落としているところがあるのでもう一度見てみようと思う。 -
現在、過去、未来の全てが交錯するスリリングな映画です。よくぞ映像化したなと思わされました。細かくは言えませんが、見終わった後にタイトルの意味、散りばめられたキーワードの意味が繋がり、「やられた!」と思いました。クリストファーノーランの世界が、また新しい形で楽しめます。
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時間を逆行させることによって敵の組織の計画を食い止めようと奮闘する主人公の活躍が見所です。ラストシーンでは時間が順行している人と逆行している人の戦いがあり、見ているだけで頭が混乱しそうになりますが、かなり見ごたえのある作品です。
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時間遡行をテーマかつ武器となっているSF映画ですが、物語内だけでなく視聴者への引っかけやミスリードを含め非常に上手く構成された映画となっています。
過去に発生した現象は実は未来の○○の行動が起点となって一見無意味な描写が実は重要な伏線だったり、その伏線の回収も時間逆行を上手く使って演出している点が他に類を見ない特徴となっています。
全編がそんな感じなので独特な話の展開方法から、1回見ただけでは全体像やストーリーを把握するのは難しい作品でもあります。
科学考証についてはあまり考えず録画やDVDのレンタルで1度ざっと通して見た後、もう一度最初から丁寧に注視する事でより楽しめる作品だと思いますね。
映画産業は苦境に晒されていますが、
この映画は正しく劇場に足を運ぶことの意義を観客に印象付ける未知の体験を提供する映画出した。
このような奇抜なアイデアをCGを極力使わず観客に実体験さながらのリアリティで映像化できるのはクリストファー・ノーラン監督だけでしょう。
ストーリーは特にニールとの友情物語が切ないです。
何度も裏切りを疑った存在でしたが、実際は常に主人公のために活躍し、死をもいとわない大役を務めあげる。
そりゃ主人公も涙しますよ。
ただ、肝心の主人公が活躍するのが映画でも描かれなかった未来というのがちょっと勿体なかったです。
非情に魅力的なアイデアですし、もっと掘り下げてほしいですね。この苦境下で難しいのはわかるのですが。