ブラック・フォンの紹介:2021年アメリカ映画。コロラド州デンバー北部のとある町で、子どもの行方不明事件が頻発。13歳の少年フィニー・ショーも連続誘拐犯に拉致され、地下室に閉じ込められてしまう。壁に囲まれたその部屋は叫んでも聞こえない防音の密室で、鍵のかかった扉と鉄格子の窓、 そして断線している黒電話があった。すると突如、断線しているはずの電話のベルが鳴り、フィニーが受話器を取ると犠牲者の声が聞こえた。そして彼らは、自分たちに起こったことがフィニーに起こらないように忠告する。一方、行方不明のフィニーを探している妹のグウェンは兄の失踪に関する不思議な予知夢を見たと言う。原作はジョー・ヒルのニューヨークタイムズのベストセラー『20世紀の幽霊たち』の中から受賞したショートストーリーを基にしている。
監督:スコット・デリクソンン 出演:イーサン・ホーク(グラバー)、メイソン・テムズ(フィニー)、マデリーン・マックグロウ(グウェン)、ジェレミ-・デイヴィス(テレンス)、ジェームズ・ランソン(マックス)、E.ロジャー・ミッチェル(ライト刑事)、トリスタン・プラヴォン(ブルース)、ミゲル・カザレス・モラ(ロビン)、J.ギャバン・ワイルド(ムース)、ジェイコブ・モラン(新聞配達人ビリー)、バンクス・レペタ(グリフィン)、プレイディ・ヘプナー(ヴァンス)ほか
映画「ブラック・フォン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ブラック・フォン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ブラック・フォン」解説
この解説記事には映画「ブラック・フォン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ブラック・フォンのネタバレあらすじ:起
1978年、コロラド州デンバー北部のとある町。リトル・リーグの野球の試合でピッチャーを務める13歳の少年フィニーは、ブルースにホームランを決められ負けてしまいました。肩を落とすフィニーにブルースは「すごい球だったよ」と励ましました。
町でも人気者のブルースは、帰り道ですれ違う人々の挨拶に笑顔で答えていました。しかし突如目の前に黒いバンが停車。ブルースは消えてしまいました。最近、町では子どもの誘拐事件が頻発していました。ブルースも町の人々が“グラバー”と呼ぶ誘拐犯によって連れ去られたのでした。
フィニーは父テレンスと妹グウェンの3人で暮らしていましたが、母親が自ら命を絶ってからは酒におぼれる父親から兄妹で虐待を受ける毎日でした。
翌日、フィニーが登校すると、学校前に人だかりができていました。駆け寄ると同級生のロビンが自分より体格の良いいじめっ子ムースを相手に殴り合いをしているところでした。喧嘩の得意なロビンはムースに馬乗りになり血まみれになるまで殴り続けました。派手に倒したのはムースが二度と悪さができないようにとロビンなりの正義でした。
その後、ロビンはトイレで複数人から嫌がらせを受けていたフィニーを助け「自分の身は自分で守れ」とアドバイスをしました。ロビンはフィニーの唯一の友達でした。
グウェンは校長室に呼び出されました。2人の刑事もいました。刑事はグウェンが夢で見たという行方不明の子供たちについて尋ねました。しかし、その夢が何を意味しているかは分からないままでした。
翌日、父の怒号で目覚めたフィニー。キッチンへ行くと父テレンスがグウェンを叱責しているところでした。彼らの母親には予知夢を見る能力がありました。夢によって苦しんだ母親は自殺を選んだため、テレンスはグウェンに同じ道を辿らせないように夢の話を禁止していたのでした。
ブラック・フォンのネタバレあらすじ:承
そんな中、再び誘拐事件が起こります。行方不明になったのはフィニーの親友、ロビンでした。そしてついに誘拐犯グラバーはフィニーの前にも現れました。買い物袋からわざと食料品を落とし、フィニーが拾っている隙に車に押し込めました。フィニーは薬で意識を失ってしまいました。
目を覚ますと、そこは牢屋のような分厚いコンクリートの薄暗い部屋でした。マスク姿のグラバーが「お前は特別な存在だ」と話し、重い扉を締め出て行ってしまいました。
すると突然、壁の黒電話が鳴りました。断線し鳴るはずもない電話に恐る恐る出てみるフィニー。相手は野球でフィニーと対決したブルースでした。いつもと違う様子でしたが、ブルースは、「床の割れたタイルをはがすと土が現れ、掘って外に出ることができる」と助言。電話は切れました。フィニーはひたすら穴を掘りましたが、どれだけ掘っても土しか見えず、ラグをかぶせて今日は休むことにしました。
その頃、グウェンは夢でフィニーを見ました。庭に木が植えてある家に閉じ込められていました。フィニーはドアの向こうから必死に助けを呼んでいる様子でした。
翌日、グラバーはフィニーに食料を持ってきました。しかし地下室を出るときに、扉を開けたまま上階へ行きました。フィニーは逃げるチャンスだと思い扉に手をかけると、再びけたたましく黒電話が鳴りました。電話の声は「それは罠だ!」と警告しました。
声の主は少し前に行方不明になった新聞配達をしている少年ビリーでした。そこから逃げようとすれば階上で待ち構えているグラバーに殺されてしまうとのこと。ビリーは部屋に隠した電線のありかを教えました。電話は切れ、フィニーは電線を窓枠に引っ掛け鉄格子を外すことに成功します。しかし、それだけでは窓があかず脱出することはできませんでした。
刑事は事件を独自に調査しているマックスという男に聞き込みを行っていました。しかし有力な情報を得ることはできませんでした。
ブラック・フォンのネタバレあらすじ:転
再び電話が鳴りました。グリフィンと名乗るその少年はフィニーに壁に書いた数字を探させました。それはこの家を出るための鍵の番号でした。そしてグリフィンはたった今グラバーが眠ったところだと教えました。フィニーは静かに地下室を出て、眠っているグラバーを起こさないように玄関に取り付けられた鍵を開けました。
しかし、開錠した音でグラバーが飼っている獰猛な犬が吠えました。フィニーは走って逃げましたが、すぐグラバーに連れ戻されてしまいました。
次の電話は地元の不良少年ヴァンスでした。彼は「トイレの壁を壊すと隣の部屋の冷凍庫が出てくる。背面を外すと冷凍庫から外へ出ることができる」とアドバイスしました。すぐさま実行に移したフィニーでしたが、どうやっても冷凍庫のドアを開けることができず断念するほかありませんでした。
その頃グウェンは夢でヴァンスを見ていました。ヴァンスは喧嘩した相手の腕にナイフで7741と刻んでいました。それはグウェンが見たグラバーの家の住所でもありました。グウェンは飛び起き、自転車でその家を探し回ります。
全ての手は尽くし、脱出できないことを悟ったフィニーはついに心が折れ泣き喚きました。その時、また電話が鳴りました。
電話の相手はなんとロビンでした。「フィニー泣くな」そう言うと、今こそ自分のために戦う時だとフィニーの心に火を付けました。さらにロビンは電話の受話器に土を詰め武器にし、一緒に戦う練習をしました。
ブラック・フォンの結末
一方マックスはあることに気付きました。それは、行方不明の子供たちはこの家の地下にいるのではないかということです。そして実兄こそがグラバーなのではないかと。その予感は的中しました。マックスは地下室のフィニーを見つけ逃がそうとしましたが、グラバーに見つかり斧で頭を割られて殺されてしまいました。
グラバーは獰猛な飼い犬をドア前に繋ぎ、斧を持ってフィニーに近寄ります。しかし、フィニーは自分を奮い立たせ立ち向かいました。足元に張った電線でグラバーを転ばせて穴に落とすと、仕掛けた鉄格子で足を怪我させ自由を奪い受話器で殴りつけました。
電話線をグラバーの首に巻き付け締めると、突然電話が鳴りました。グラバーに受話器を向けると、彼が殺した子供たちが次々に罵声を浴びせました。そしてフィニーが力の限りに首を締めグラバーの息の根を止めました。
フィニーは冷凍庫の肉で犬の気を引き、地下室を出ました。そしてゆっくり鍵を開けようやく表に出ることができました。
グウェンは殺された子供たちの導きにより、夢で見た家を見つけることができました。グウェンの通報で駆け付けた刑事によって捜査が入り、これまでに誘拐された子供たちの遺体を見つけることができました。その家は空き家でした。
外で待っていたグウェンの目の前にフィニーが現れました。空き家の向かいがグラバーの家だったのです。兄妹は無事保護されました。
父テレンスが到着し涙ながらに駆け寄りました。
「これまでの仕打ちを許してくれ」そう言い、2人を抱き寄せました。
以上、映画「ブラック・フォン」のあらすじと結末でした。
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