ザ・サークルの紹介:2017年アメリカ映画。全世界に30億人のユーザーを持つ超巨大SNS企業〈サークル〉は、誰もが憧れる最先端企業。運良くサークルに採用され日々奮闘する新入社員のメイ。ある出来事をきっかけにカリスマ経営者ベイリーの目にとまり、新サービスの実験モデルに大抜擢されることとなる。このプロジェクトにより至る所に超小型カメラを設置し、自らの24時間をネット上に公開したメイは、瞬く間に1000万人を超えるフォロワーを獲得し、アイドル的な存在になる。背負った人気と膨大な善意の渦に挟まれながら悲劇の波へとのまれていく。そしてメイはサークルの重大な欠陥に気づいていく。原作は全米で一大センセーショナルを巻き起こしたベストセラー。エマ・ワトソンとトム・ハンクスの二大ハリウッドスターを主演に迎え、近い未来に待ち受けるSNS社会の光と闇を描いた作品。監督は28歳で長編映画デビューを果たし2年連続でサンダンス映画祭審査員特別賞を獲得したジェームズ・ポンソルト。先ごろ急逝したビル・パクストンがメイの父親役を演じていることでも話題になった。
監督:ジェームズ・ポンソルト 出演:エマ・ワトソン(メイ・ホランド)、トム・ハンクス(イーモン・ベイリー)、ジョン・ボイエガ(タイ・ラフィート)、カレン・ギラン( アニー・アラートン)、エラー・コルトレーン(マーサー)、パットン・オズワルト(トム・ステントン)、グレン・ヘドリー(ボニー/メイの母)、ビル・パクストン(ビニー/メイの父)ほか
映画「ザ・サークル」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ザ・サークル」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ザ・サークルの予告編 動画
映画「ザ・サークル」解説
この解説記事には映画「ザ・サークル」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ザ・サークルのネタバレあらすじ:起
夢を抱いて名門大学を出たものの、地元でさえない暮らしを送るメイ。派遣で始めた水道会社の仕事は、電話オペレーターとして客に支払いの催促をするだけのつまらない仕事でした。家には難病を患っている父親と、看病に疲れた母親がおり、両親はメイが幼馴染のマーサーと一緒になることを望んでいますが、乗り気ではありません。唯一の趣味、カヤックで気晴らしに湾に出ることが週末の過ごし方でした。そんな退屈な毎日を送っていたある日、友人アニーより連絡がきて、世界最大のSNS企業〈サークル〉の面接を受けられる話が突如舞い込んできました。アニーは〈サークル〉の重要ポストに就いており、便宜を図ってくれたのです。メイは見事に面接をパスし、入社することが決まります。新人のメイが任されたのは〈トゥルーユー〉と呼ばれるサービスの顧客対応でした。〈トゥルーユー〉は実名で登録することが必須のSNSで、買い物もチャットも、ユーザーがやりたいことは全てワンアカウントで何でもできるサービス。このサービスが〈サークル〉を世界一のSNS企業に押し上げました。
ザ・サークルのネタバレあらすじ:承
メイが入社して間も無く、大規模な社内発表会が行わました。全社員が注目の中、カリスマ経営者であるベイリーより発表されたのは〈シーチェンジ〉と呼ばれる革新的なサービスでした。好きな場所に設置した超小型のワイヤレスカメラによって映し出された美しい景色や刺激的な体験をたくさんのユーザーたちとシェアすることができるこのサービスは、個人の楽しみだけではなく犯罪やテロを根絶することもできるとベイリーは宣言し、全社員からの拍手喝采をもらいます。こうしてメイの入社一週目は終わり、週末は実家で両親やマーサーと過ごし新しい仕事について意気揚々と報告をします。週末が明け、メイが出社するなり同僚からある忠告を受けます。社内ネットワークに自らの情報をもっとアップしシェアするべき。そして週末は社内アクティビティに参加しコミュニティを楽しむべきだと。さらに友人アニーは人事課に働きかけ、会社の保険プランに加入させ、メイの父は最先端の治療を受けられるようになります。ところがメイは会社の手厚い優遇に感謝する一方でプライバシーがなくなっていく違和感も感じるようになります。
ザ・サークルのネタバレあらすじ:転
メイは野外パーティで〈トゥルーユー〉の開発者のタイと出会い、当初の開発とは違う方向に進んでいる〈サークル〉の危険性について知らされます。さらには、メイが何気なくアップした、マーサーお手製の鹿の角のシャンデリアの画像が原因で、マーサーは鹿殺しと殺人予告が届くようになります。もともとSNSに批判的だった彼はメイの職場を訪れ「君の世界の一部になりたくない」と別れを告げます。ショックを受けたメイは夜の湾に無断で入り、拝借したカヤックで暗い水面を進みます。ほどなく波は荒れ、コントロールを失ったカヤックは転覆してしまいました。ヘリに救助され間一髪、命に別条はなかったものの、後日ベイリーに呼び出されたメイは救助が〈シーチェンジ〉を見ていたユーザーが通報したものだと聞かされ、これをきっかけにある提案をされます。数日後、社内発表会でメイが紹介され、壇上で「誰かに見られていたらカヤックを盗んだか?」とベイリーより問われます。メイは「見られていなかったから盗んでしまった。隠し事は罪」と懺悔し、シーチェンジ・カメラを24時間身につけ自らを”透明化”させることを宣言。あっと言う間に1000万人を超えるフォロワーを獲得していきました。
ザ・サークルの結末
〈サークル〉のアイドル的な存在に成り上がったメイ。脚光をあびる姿に、アニーは嫉妬と激務で少しずつ疲労していきます。はじめは乗り気だった両親も、プライバシーのない生活に音信が途絶えていきますが、メイの勢いは止まりません。やがてメイは全人類がサークルによって1つにつながる壮大なプロジェクトのリーダーとなり、手始めに開発された〈ソウルリサーチ〉のプレゼンテーションを任されます。世界中の人々のSNSを利用して、逃亡犯から行方不明者まで様々な人を探し出せるこのサービス。まずは逃亡犯を20秒で捕まえることに成功します。観衆のリクエストに応えて次のリサーチに選んだのは、メイの幼馴染のマーサーでした。10秒もかからず山奥から探し出すことに成功するものの、マーサーは追跡から逃げ出し、橋の上から車ごと落ちて命を落としてしまいます。メイは後悔と怒りで深く傷つき、ネットワークから逃れるように実家にこもりました。数日経ち、何気に取り出した携帯でアニーへ連絡すると、アニーもまた地元に戻り穏やかな日々を過ごしていました。アニーに勇気付けられ、決心するように会社へ出向いたメイ。ベイリーから今度は交通事故防止のための新サービスのプロジェクトを聞かされます。発表会でメイが打ち出したのは、ベイリーの思惑とは異なるものでした。ベイリーとトムを名指しし壇上へ呼ぶと、シーチェンジを装着させ”透明化”を提案。さらにタイが秘密裏に集めた社内の秘密文書、ベイリーとトムのメールのやりとり、またはプライベートな情報までをもモニターに映し出します。ところが危機を察知し何者かによって照明を落とされてしまいます。静まる会場からは1人、また1人と携帯のモニターの照明をつけ始め瞬く間に会場に明るさが戻りました。ベイリーは一言「やられた」と言い、会場からのたくさんの拍手に包まれたメイでした。
以上、ザ・サークルのあらすじと結末でした。
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