キャット・ピープルの呪い(別題:幽霊屋敷の呪い)の紹介:1944年アメリカ映画。『キャット・ピープル』(1942年)の続編。ホラー映画らしいタイトルだが内実は孤独な6歳の女の子の心理を描いたファンタジー映画(プロデューサのヴァル・リュートンが考えていたタイトルは「エイミーとともだち」)。撮影途中でフリッチから『市民ケーン』等の編集者だったワイズに監督が交代。『サウンド・オブ・ミュージック』等の監督のデビュー作。
監督:ロバート・ワイズ、グンター・フォン・フリッチ 出演者:シモーヌ・シモン(イレーナ)、ケント・スミス(オリヴァー)、ジェーン・ランドルフ(アリス)、アン・カーター(エイミー)、エリザベス・ラッセル(バーバラ)、ジュリア・ディーン(ジュリア)、イヴ・マーチ(キャラハン先生)、ほか
映画「キャット・ピープルの呪い」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「キャット・ピープルの呪い」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「キャット・ピープルの呪い」解説
この解説記事には映画「キャット・ピープルの呪い」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
キャット・ピープルの呪いのネタバレあらすじ:夢見がちな少女
オリヴァーの前妻のイレーナの悲劇的な死から年月が経った。オリヴァーとアリスは結婚しエイミーという女の子が生まれ、今は都会を離れてニューヨーク近郊の村に住んでいる。夢見がちなエイミーは幼稚園で他の子どもたちから浮いた存在。
この日も森の中で「ともだち」と呼びかけて蝶を追っていく。彼女のために蝶を帽子で捕まえた男の子の手の中で蝶が死んでいるのを見てエイミーは男の子をひっぱたいてしまい、両親がキャラハン先生に呼び出される。オリヴァーは繊細なエイミーに、自分をキャット・ウーマンであると信じたために人を殺し自殺をしてしまったイレーナに通じるものを感じて不安になっていた。エイミーは私の子なのにと夫をたしなめるアリスも、わが家にまるでイレーナの呪いがかかっているような気がしていた。
その日はエイミーの6歳の誕生日だったが、招待した子供たちは誰も来ない。実はエイミーはパーティーの招待状を庭木の空洞に入れていた。そこは昔オリヴァーが魔法のポストだと教えた場所だった。両親とジャマイカ出身の料理人のエドワードとだけでしたパーティーでエイミーはお父さんが言うように友達と遊ぶいい子になると願いを立てた。
キャット・ピープルの呪いのネタバレあらすじ:ともだちをお願い
約束していたのにパーティーに招待しなかったという理由でエイミーは仲間はずれにされてしまう。仲間はずれのエイミーが古い屋敷の前を通りかかったとき、二階から女性の声で「庭におはいりなさい」と言われる。エイミーが門の中に入るとハンカチを通した指輪が投げ落とされる。エイミーが帰って指輪をエドワードに見せると、願いをかなえてくれる魔法の指輪かもしれないと言われる。エイミーは指輪にともだちをお願いする。すると庭に風が吹き、エイミーは姿の見えないともだちと遊ぶ。
キャット・ピープルの呪いのネタバレあらすじ:首のない騎士
夜、指輪を見たアリスは、知らない人から物をもらってはいけないと、エイミーにその屋敷――ファーレン家――に指輪を返しに行くよう言う。翌日、エドワードが仕事で忙しいためエイミーは一人でファーレン家を訪ねる。家には娘のバーバラと、彼女の母でエイミーに指輪を投げたジュリアが住んでいた。かつて有名な舞台女優だったジュリアは、バーバラは6歳で死に、他の女がバーバラに成りすまして自分の世話をしていると思っている。
そしてエイミーから指輪は受け取らず、この土地の伝説である首のない騎士の話をしてくれた。エイミーは、エイミーが魔女の住むと噂される屋敷に行ったと知ってあわてて迎えに来たエドワードと帰るが、夜、首のない騎士の夢でうなされてしまう。夜中に歌を歌ってエイミーをなぐさめたのはまたしてもエイミーの「ともだち」だった。
キャット・ピープルの呪いのネタバレあらすじ:イレーナの写真
翌朝、エイミーは机の引き出しから若い女の写真を見つける。アリスは、それはイレーナであると教える。庭で「イレーナ」とエイミーが口にするとともだちが初めて美しい姿を見せる。それがイレーナだった。イレーナは、ずっとエイミーのともだちでいてあげると言うが、誰にもイレーナのことを話さないようにとエイミーに約束させる。一方、オリヴァーは一枚だけを残してイレーナの写真を暖炉で燃やす。
キャット・ピープルの呪いのネタバレあらすじ:別れを告げるともだち
季節は巡るが、エイミーはイレーナと庭で遊び続けた。そしてクリスマスの季節がやってきた。クリスマス・イヴにキャラハン先生をはじめ両親の友人たちが家に来てアリスのピアノでクリスマス・キャロルを歌っているとき、エイミーは外でイレーナが歌っているのを見る。エイミーはイレーナにプレゼントのブローチをあげる。
エイミーはファーレン家に行き、ジュリアにもクリスマスプレゼントの指輪を贈る。友情と愛に感謝するジュリア。実の娘からのプレゼントは開けもしないのに。
クリスマスツリーを解体する晩、アリスがキャラハン先生を相手に思い出話に花を咲かせていると、一枚だけ残されたイレーナとオリヴァーの写った写真を見つけたエイミーが、お父さんも私のともだちを知っていると言ってしまう。エイミーがイレーナを知っているはずはない。オリヴァーは外にエイミーを出して、庭に誰もいないだろうと言う。イレーナがしゃべってはいけないと合図をしても、イレーナが見えるとエイミーは正直に言ってしまう。オリヴァーはその態度に腹を立てて罰を与える。
部屋で泣いているエイミーのところにイレーナが現れ、別れの時が来たことを告げる。しばらくはエイミーは私のことを覚えているだろうけど、私を忘れると。エイミーはイレーナのことを忘れないと言うが、イレーナは消えてしまう。
キャット・ピープルの呪いの結末:ともだちが見える
あなたがエイミーとともだちにならなくてはとキャラハン先生に説得されてエイミーの部屋にオリヴァーが行くとエイミーがいない。オリヴァーと先生がエイミーの教育について議論している隙にエイミーはイレーナをさがして森へ入ってしまったのだ。
雪の降りしきる夜、エイミーはジュリアの話した首のない騎士の馬の蹄の音におびえる。そして疲れてねむりかけるが、彼女を探す州警察の警察犬の吠え声でめざめてファーレン家に逃れる。ジュリアのお気に入りのエイミーに嫉妬し「あの子が今度来たら殺してやる」と言うほど嫌っているバーバラからエイミーを隠すためにジュリアはエイミーを二階に連れて行こうとするが、長く二階に上ったことのない彼女は階段で息絶えてしまう。そこへバーバラがやってくる。「あなたは母親の最期の瞬間まで私から奪ってしまった」と言って近づくバーバラ。だが、エイミーがともだちに呼びかけると、エイミーの目にバーバラの姿とイレーナの姿が重なって見える。自分に「ともだち」と呼びかけるエイミーの首を絞めることはバーバラにはできなかった。ちょうどその時、ファーレン家に警察やオリヴァー達がやってきた。
エイミーを抱えて帰ってきたオリヴァーはエイミーに庭にともだちがいるかいとたずねる。イレーナが見えるとエイミーが言うと、エイミーに見えるなら自分にも見えるとオリヴァーは答える。庭ではイレーナが微笑みながら姿を消した。
以上、映画「キャット・ピープルの呪い」のあらすじと結末でした。
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