ダーク・ハーフの紹介:1993年アメリカ映画。ホラーの帝王スティーヴン・キングによる同名小説の映画化。ある小説家が、別名で暴力的な人気小説を書いていた。しかし別名を封印して本来の自分に戻った時、封印したはずの残忍な自分(ダーク・ハーフ)が現実化しおぞましい殺人を繰り返していく。過去にリチャード・バックマン名義で数多くのアクション小説を書いていたキング。彼だからこそ描けたといえる不思議な世界観のファンタジー・ホラー。監督はジョージ・A・ロメロ、そして「ウォーキング・デッド」や「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのマイケル・ルーカーも若き保安官役で登場している、ホラーファン必見の90年代作品。
監督:ジョージ・A・ロメロ 出演者:ティモシー・ハットン(サディアス・ボーモント/ジョージ・スターク)、マイケル・ルーカー(アラン・バングボーン)、エイミー・マディガン(リズ・ボーモント)、ジュリー・ハリス(レジー・デレセップス)、ロバート・ジョイ(フレッド・クロウソン)、ケント・ブロードハースト(マイク・ドナルドソン)、グレン・コレリダー(ホーマー・ガマチ)ほか
映画「ダーク・ハーフ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ダーク・ハーフ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ダーク・ハーフ」解説
この解説記事には映画「ダーク・ハーフ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ダーク・ハーフのネタバレあらすじ:起
1968年。十代の少年サディアス・ボーモントは、原因不明の頭痛に悩まされ続けていました。激痛に倒れ、病院で緊急手術が行われますが、サディアスの頭蓋骨を外した医者は驚きます。脳に埋もれた目玉が1つ、キョロキョロとこちらを見ています。さらに鼻の一部や虫歯になった歯まで見つかります。もともと双子だったのが1人を吸収し、それが何故か成長を始めたのだろう。そう判断した医者は、頭痛の原因と思われる部分を全て切除します。サディアスの手術の間、どういうわけか病室の窓の外におびただしい数のすずめが集まってきて、狂ったように飛び回っていました。
ダーク・ハーフのネタバレあらすじ:承
23年後。小説家となったサディアスは、妻リズとの間に双子を授かっていました。本名で書いている純文学は人気がありましたが、ジョージ・スタークという別名で書いている過激なバイオレンス小説のほうが売れていました。ジョージ・スタークによるシリーズ小説の主人公はアレクシス・マシーンという人物で、残虐な殺人を繰り返す悪党です。サディアス自身は物静かな人物でしたが、ジョージ・スタークとして執筆している時だけは日常も乱暴な言葉遣いになり、リズはそんな夫に一抹の不安を抱いていました。ある日、地元の大学で講義をしていたサディアスに、フレッド・クロウソンと名乗る男が近づいてきます。クロウソンはジョージ・スタークの正体がサディアスだと見抜いていて、口止め料を払えと恐喝してきます。サディアスは、クロウソンにお金を払うくらいなら自ら公表しようと決心。週刊誌記者のドナルドソンとカメラマンのホーマーに頼んで記事を制作します。悪乗りしたホーマーは、サディアスの家族の墓がある場所にジョージ・スタークの墓を建て、そこにサディアスとリズを笑顔で立たせて写真を撮ります。
ダーク・ハーフのネタバレあらすじ:転
その直後、夜道でホーマーが何者かに殺害されます。町の保安官でサディアスの友人でもあるアラン・バングボーンが捜査に乗り出しますが、その後クロウソンも殺害されます。どちらの現場にもサディアスの指紋が残されていました。身に覚えのないサディアスは必死に否定しますが、次第に奇妙な行動をとるようになります。無意識に鉛筆を握り、まるでジョージ・スタークが憑依したような内容を書きなぐるのです。その後、サディアスを担当する編集者のミリアム、公表記事を書いたドナルドソン、そしてミリアムの元夫リックが相次いで殺害されます。サディアスはジョージ・スタークが現実化して自分の知り合いを殺害しているとアランに訴えますが、アランには信じられません。ついにジョージ・スタークからサディアスに電話がかかります。お前のことは殺さないとスタークは言いますが、サディアスはそれを罠だと感じます。警察に監視されている自宅を抜け出し、サディアスは少年時代に診察を受けた医者を訪ねます。医者から自分が双子だったと聞いてショックを受けますが、そこに突然スタークが現れ医者を殺害します。死んだ双子の片割れが蘇ったんだと言うサディアスに、大学の同僚レジーは言います。あなたが無意識にスタークの現実化を望んだのよ。あなたが望まなければ彼は消えるわ。レジーの言葉に励まされ、サディアスはスタークと闘う決意を固めます。スタークがサディアスを電話で呼び出しました。彼はリズと双子を拉致し、サディアスの別宅で待っていました。
ダーク・ハーフの結末
スタークの体はすでに朽ち始めていました。サディアスがスタークの名で新作を書かなければ自分の命は危ない。サディアスの全てを乗っ取って生き続けるのがスタークの望みでした。サディアスとスタークは書斎に籠って向かい合います。恐る恐る鉛筆を握るスタークでしたが、紙に向かうとすらすらと小説を書き出し喜びます。反対にサディアスは頭がぼんやりし、次第に苦しそうな表情になります。椅子に縛られて身動きできないリズは、窓の外をすずめの大群が飛び交っているのを目にします。サディアスは、夢中で小説を書き続けるスタークに銃を向けて取っ組み合いになります。屋敷の周囲にものすごい数のすずめが集まり、狂ったように飛び回っています。それらはやがて窓ガラスを割り、壁をぶち破って室内に押し寄せました。すずめ達が襲いかかったのは、サディアスではなくスタークでした。悲鳴を上げて暴れるスタークの全身はやがて骨だけになり、影も形もなくなりました。屋敷に突入したアランは、その光景を目にして呆然と立ち尽くします。スタークの命を奪ったすずめ達は一群となり、屋敷から飛び立ち消えていきます。サディアス達とアランはただただ夜空を見つめます。
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