それからの紹介:2017年韓国映画。韓国映画界の名匠ホン・サンス監督が贈るユーモラスなヒューマンドラマです。ある小さな出版社に就職した女性が社長の愛人と間違えられたことから起こる騒動を美しいモノクロ映像で描きます。
監督:ホン・サンス 出演者:キム・ミニ(ソン・アルム)、クォン・ヘヒョ(キム・ボンワン)、キム・セビョク(イ・チャンスク)、チョ・ユニ(ボンワンの妻)ほか
映画「それから」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「それから」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
それからの予告編 動画
映画「それから」解説
この解説記事には映画「それから」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
それからのネタバレあらすじ:起
著名な文芸評論家であり、小さな出版社「図書出版カン」の社長でもあるキム・ボンワン(クォン・ヘヒョ)は女性従業員のイ・チャンスク(キム・セビョク)と不倫関係にあり、妻(チョ・ユニ)との板挟み状態で苦しんでいました。妻はボンワンが毎朝4時半に起きてはいつも帰りが遅いことから、もしかしたら夫が浮気をしているのではないかと疑いを抱いていました。
そんなある日、ソン・アルム(キム・ミニ)は大学教授の推薦により、図書出版カンへの就職が決まりました。アルムの初出勤の日、ボンワンはアルムを近所の中華料理屋へ昼食に誘い、彼女がボンワンが選考委員を務めている文芸賞に応募していることを知りました。ボンワンは早速アルムが書いた小説を読みたいと言い、嬉しくなったアルムはついボンワンに
「生きる理由は?」と問いかけました。ボンワンが答えに困っているとアルムは矢継ぎ早に自分の意見を述べ、ボンワンはすっかり彼女に感心しました。
それからのネタバレあらすじ:承
ボンワンはかつてこの店で、アルムの前任者だったチャンスクと食事した時のことを思い出していました。ボンワンはあの日、チャンスクから卑怯な人間だと酷く責められていたのです。
その日の午後、会社にボンワンの妻が乗り込み、応対に出てきたアルムをいきなり平手打ちにしました。ボンワンの妻はどうやら夫の浮気の証拠である、ボンワンがチャンスク宛てに書いた手紙を見つけたようです。身に覚えのないアルムは今日が初出勤だと答えても信じてもらえず、仕方なくボンワン自ら浮気を認め、その相手は今は会社を辞めて海外に行っており、居場所すら知らないと釈明しました。
その日の夜、ボンワンはお詫びとしてアルムを食事に誘い、仕事を辞めたいという彼女を引き止めました。ところが、ボンワンがトイレに行くと、そこには何とチャンスクの姿が。トイレに向かったアルムは偶然にもボンワンとチャンスクが愛を確かめ合っている場面を目撃してしまい、大変驚きました。
それからのネタバレあらすじ:転
アルム、ボンワン、そしてチャンスクは会社に戻ってきました。しかし、突然チャンスクはアルムに出版社を辞めてほしいと言い出し、さっきまで引き留めていたはずのボンワンもチャンスクに同調してしまう有様。呆れ返ったアルムは、ボンワンが持って帰ってもいいと言っていた本数冊を手に会社を去っていきました。
その直後、ボンワンの携帯に妻からメールが届きました。その内容は「家に帰りたくないのね。二人とも見事な演技だったね。私は絶対騙されないから」というものでした。そこでチャンスクは、自分の顔がボンワンの顔にバレていないことをいいことに、ボンワンと不倫していたのはアルムということにすればいいと持ち掛けました。どうせもう二度と会うこともないのだからと。
そうとも知らないアルムがタクシーの中で本を読んでいると、運転手が「本が好きなの?」と声をかけてきました。運転手はどうやらアルムに見覚えがあるようで、美しい人だから覚えていると言う運転手にアルムは礼を言いました。窓の外は雪が降り始めていました。
それからの結末
それから…。ボンワンの評論が有名な賞を受賞したお祝いに、アルムは久しぶりに出版社を尋ねました。ボンワンは最初はアルムのことをすっかり忘れてしまっているようでしたが、ふと思い出すと彼女に今はどうしているのか問いました。アルムは毎日小説を書いていると言い、ボンワンから昼食に誘われましたが断りました。どうやらボンワンとチャンスクは破局したらしく、今では連絡を全く取っておらず、彼女がどこにいるのかもわからない状態でした。ボンワンは心を入れ替えて、これから妻と娘のために生きて行こうと決心したことを明かしました。帰り際、アルムはボンワンから夏目漱石の『それから』の新訳本を受け取りました。「素晴らしいですよ」と言うボンワンにアルムは礼を言い、歩き始めました。
この映画の感想を投稿する