死の追跡の紹介:1973年アメリカ映画。アメリカの映画監督サミュエル・フラーの小説『Riata』を原作とし、西部開拓時代のメキシコに近い町を舞台に、ならず者に愛する妻子を殺害された町きっての名保安官が復讐の鬼と化していく過程を描いた西部劇です。これまで銃を使わずに町の治安を守ってきた保安官は、ならず者集団を追ってきたメキシコの保安官の制止を振り切って壮絶な復讐劇に身を投じていきます。
監督:バリー・シアー 出演者:リチャード・ハリス(シーン・キルパトリック)、ロッド・テイラー(フランク・ブランド)、アル・レッティエリ(グティエレス)、ネヴィル・ブランド(チュー・チュー)、ウィリアム・スミス(スクールボーイ)、ポール・ベンジャミン(ジェイコブ)、イセラ・ヴェガ(マリア)、ペドロ・アルメンダリス・ジュニア(ブラックスミス)、ケリー・ジーン・ピータース(キャサリン・キルパトリック)、シーン・マーシャル(ケビン・キルパトリック)、レイ・モイヤー(プリースト)ほか
映画「死の追跡」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「死の追跡」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
死の追跡の予告編 動画
映画「死の追跡」解説
この解説記事には映画「死の追跡」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
死の追跡のネタバレあらすじ:起
西部開拓時代。リオ・グランデ河にほど近いテキサスの小さな町サンタ・ローザの保安官シーン・キルパトリック(リチャード・ハリス)は銃を持たず、法と秩序で町の治安を守ってきました。キルパトリックの評判と名声は国境を隔てたメキシコにまで届いていました。
ところがそんなある日、サンタ・ローザをならず者のフランク・ブランド(ロッド・テイラー)率いる集団が乗り込み、銀行を襲撃してきました。キルパトリックは助手のビル(ウィリアム・ブライアント)や武装した住民を率いてブランド一味を追い詰めましたが、一瞬の隙を突いたブランドはキルパトリックの息子ケビン(シーン・マーシャル)を人質に取って逃走しました。
キルパトリックの妻キャサリン(ケリー・ジーン・ピータース)はケビンを助けようとしてブランドに射殺され、ケビンも馬から転落して一味の馬に踏み殺されてしまいました。ブランド一味はそのまま国境を越えてメキシコに逃げ、キルパトリックは妻子の仇を討つべく、銃を手にしてメキシコに乗り込みました。
死の追跡のネタバレあらすじ:承
ブランド一味を一人残らず抹殺することを決意したキルパトリックは、手始めにブランドの手下スクールボーイ(ウィリアム・スミス)を見つけて殺害しました。その後、小高い丘からブランド一味を発見したキルパトリックは狙撃するため銃を構えましたが、同じくブランド一味を追っているメキシコの保安官グティエレス(アル・レッティエリ)に制止されました。
グティエレスは、キルパトリックはメキシコでの捜査の権限がないことから、ブランド一味を捕らえて裁判にかけるべきだと主張しましたが、もはや復讐の鬼と化していたキルパトリックはそれでは生ぬるいと、主張を無視、グティエレスを殴って気絶させると再び追跡の旅に出ました。
その後、小さな町に辿り着いたキルパトリックでしたが、ブランドは町人を殺してその罪をキルパトリックに擦り付け、キルパトリックは町人たちに取り押さえられて牢獄に入れられてしまいます。
キルパトリックの前に現れたグティエレスはブランド一味を必ず逮捕することを誓い、キルパトリックを牢に入れたまま逃亡した一味の追跡に向かいました。そしてグティエレスは一味のひとりであるチュー・チュー(ネヴィル・ブランド)を逮捕しましたが、ブランドには逃げられてしまいました。
牢獄から抜け出したキルパトリックは、護送中に脱走を図ったチュー・チューを見つけて追い詰めました。キルパトリックはチュー・チューからブランドが愛人マリア(イセラ・ヴェガ)の暮らす町へ向かっていることを聞き出し、チュー・チューを底なし沼に突き落として殺害しました。
死の追跡のネタバレあらすじ:転
キルパトリックは旅の途中、ブランドに銃撃されて負傷したグティエレスを見つけて手当てをしました。キルパトリックはグティエレスと共にブランドを追うことにしましたが、グティエレスはキルパトリックにブランドを殺さぬよう忠告し、万が一忠告を破ったらキルパトリックを殺さねばならないと告げました。
マリアの町に辿り着いたキルパトリックは銃撃戦の末にブランド一味の最後のひとりであるジェイコブ(ポール・ベンジャミン)を射殺、マリアからブランドがこの町から遠く離れた修道院に向かっていることを聞き出しました。
ところが、キルパトリックは銃撃戦に巻き込まれて負傷した男から発砲され、幸いにも被弾はしなかったものの顔面近くで銃弾が爆発したことにより失明寸前にまで陥りました。それでも不屈の執念で立ち上がったキルパトリックは、グティエレスやマリアの協力を得て修道院へと向かいました。
修道院にはブランドの一人娘がおり、ブランドは娘のためにこれまで奪ってきた大金を修道院に寄付しようとしていたのです。キルパトリックは単身修道院に乗り込み、ブランドの娘を人質に取って彼を誘き寄せ、遂に逮捕することに成功しました。キルパトリックはグティエレスとの約束を守り、この場でブランドを殺すことはしませんでした。
死の追跡の結末
キルパトリックはブランドを拘束して町まで戻りましたが、町に辿り着くとグティエレスはブランドの悪事を目撃した唯一の証人が死亡したことを明かしました。もはやブランドの犯罪を証明するものは何もなく、笑い転げるブランドを前に、キルパトリックは法の無力さに絶望しました。
意を決したキルパトリックは突如ブランドを射殺しました。忠告を無視されたグティエレスはキルパトリックを逮捕しようとしましたが、キルパトリックは銃を捨てると「止まらないと撃つぞ」というグティエレスの警告を無視し、馬に乗って町から出ようとしました。
グティエレスの放った銃弾がキルパトリックの背中に命中したのはその直後でした。
以上、映画「死の追跡」のあらすじと結末でした。
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