フェイブルマンズの紹介:2022年アメリカ映画。第二次世界大戦後のアメリカ。両親と初めて映画館を訪れ『地上最大のショウ』を見たサミー・フェイブルマン少年はたちまち映画に夢中になる。それ以来、自らも8ミリカメラを手に、家族の休暇や旅行を撮影し、妹や友人たちをキャストに作品を制作するまでとなった。そんなサミーを才能豊かである母親は応援するが、有能な科学者の父は不真面目な趣味だと考えていた。やがて一家は父の転職でニュージャージーからアリゾナ、そしてカリフォルニアへと引っ越した。しかし新しい土地で起こった出来事がサミーの未来を変えていくことに―。両親との葛藤や絆、様々な人々との出会いによって成長していくサミーが、夢を追い求めるという本作は、巨匠スティーヴン・スピルバーグが描いた自らの原体験。
監督:スティーヴン・スピルバーグ 出演:ミシェル・ウィリアムズ(ミッツィ・フェイブルマン)、ポール・ダノ(バート・フェイブルマン)、セス・ローゲン(ベニー・ローウィ)、ガブリエル・ラベル(サミー・フェイブルマン)、ジャド・ハーシュ(ボリスおじさん)、ジュリア・バターズ(レジー・フェイブルマン)、キーリー・カルステン(ナタリー・フェイブルマン)ほ、ジーニー・バーリン(ハダサー・フェイブルマン)、ロビン・バートレット(ティナ・シルドクラウト)、クロエ・イースト(モニカ)、サム・レヒナー(ローガン)オークス・フェグリー(チャド)ほか
映画「フェイブルマンズ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「フェイブルマンズ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「フェイブルマンズ」解説
この解説記事には映画「フェイブルマンズ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
フェイブルマンズのネタバレあらすじ:起
1952年、サミー・フェイブルマン少年は暗い映画館を怖がっている少年でした。科学者の父バートは映写機の仕組みを淡々と解説し、音楽家でピアニストの母ミッツィはサミーに優しく寄り添います。両親に連れられて初めて映画館に足を踏み入れたサミーは、『地上最大のショウ』が始まると、あっと言う間にスクリーンに釘付けになり心を奪われてしまいました。
特に汽車と車の衝突シーンに魅せられたサミーは、父に汽車のおもちゃを買ってもらい、映画を真似て何度も衝突させます。やがて見かねたミッツィはサミーに8ミリカメラを与え、「衝突シーンを撮影すれば、何度も見返すことができておもちゃも壊れない」と伝えました。
サミーが初めて行った撮影は大成功でした。これを機に、彼は妹たちを役者に起用して、次々と作品を撮っていきました。
月日は流れ、RCA社でコンピューターの革新的なライブラリー・システム開発の功績を認められたバートはゼネラル・エレクトリック社にスカウトされ、一家はアリゾナへ引っ越すこととなりました。RCAの仕事仲間で親友、そして子供たちが「ベニーおじさん」と慕っているベニーを置いていこうとしましたが、ミッツィから「親友を助けてよ!」と怒鳴られ共に旅立つことになりました。
フェイブルマンズのネタバレあらすじ:承
引っ越しの最中もサミーはカメラを回し続け、記録係に徹しました。アリゾナでの新しい暮らしが始まる中で、サミーはジョン・フォード監督の『リバティ・バランスを射った』を観たことで感化され、映画作りの野心が少しずつ芽生えてきました。
次回作に第二次世界大戦を描く大作を構想したサミーは、次に今より優れた性能の8ミリカメラと編集機が必要になりました。しかし父からは「たかが趣味のために」と一蹴されてしまいます。
そんな中、突然祖母が亡くなりました。母親を亡くしたミッツィは悲嘆に暮れ、笑顔がなくなりました。妻を何とか励ましたいと考えたバートは、サミーにマンスフィールドの8ミリ用編集機を買ってあげると、一緒に行ったキャンプ旅行の映像を編集し、映画を制作するように頼みました。
その翌日に、珍しい客が現れました。ミッツィの叔父、ボリスおじさんが妹の訃報を聞いてやって来たのです。サーカスのライオン調教師からハリウッドへ転身したボリスは一族から変わり者として避けられていました。しかし、彼が語る映画界の話にサミーは興味深々。そんなサミーに「芸術は輝く栄冠をもたらす一方で、孤独をもたらす」とボリスは忠告するのでした。
フェイブルマンズのネタバレあらすじ:転
キャンプ旅行映画の編集をはじめたサミーは、買ってもらった編集機を駆使して作業をしていると、背景に映り込んだあることに気付きショックを受けます。それはミッツィとベニーが友人以上の関係であることを意味する映像でした。サミーの心は家族の秘密に葛藤し、ミッツィに辛く当たるようになっていきました。
コンピューターの開発に成功を収めたバートはIBMへ転職をすることになり、一家はカリフォルニアへ引っ越すことに。今度ばかりはベニーを連れていくことができず、一家は彼に別れを告げてアリゾナから旅立ちました。
新しい高校でサミーはユダヤ人ということからいじめに遭い辛い経験をしますが、親しくなったモニカの薦めで上級生が卒業前に1日学校を休んでビーチで遊ぶ学校行事“シニアスキップデー(おさぼり日)”の撮影ボランティアをすることにしました。卒業式でこの映像を披露すると会場は大盛況で称賛されるサミー。しかし、モニカからはあっさりフラれてしまいました。
フェイブルマンズの結末
ベニーを忘れることができなかったミッツィはバートと別れてアリゾナへ戻ってしまいましたが、高校を卒業したサミーはバートと2人でロサンゼルスに残り大学に通いました。しかし、学校にもなじめず仕事も決まらないサミーは大学を辞めることを考えます。
そんな矢先、大手テレビ会社CBSから一通の手紙が届きました。なんと採用通知でした。しかも念願だったドラマの助監督を任されることとなり、サミーは大張り切り。
ところが、それだけではありませんでした。
スタジオ責任者の口添えで、招かれた場所はジョン・フォード監督専用のオフィスでした。映画作りの野心が芽生えたきっかけとなる映画『リバティ・バランスを射った』の憧れの監督でした。
遅れてやってきたフォードは椅子に座りゆっくりと葉巻に火をつけると、壁に飾られた写真を指差しながら言いました。
「地平線が上か下にある絵画は面白い。しかし真ん中にあるのは退屈だ」
オフィスを出たサミーは、嬉しそうな足取りで歩き始めました。
すると、彼の後ろ姿を映していたカメラは慌てて上を向き、地平線は真ん中から下へと下がりました。
以上、映画「フェイブルマンズ」のあらすじと結末でした。
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