悪人伝の紹介:2019年韓国映画。韓国を舞台に、正体不明の凶悪な殺人犯を追うべく、はみ出し者の暴力刑事と殺人犯に命を狙われたヤクザの組長が手を組んで追いつめていくというまさかの非常識な共同捜査の過程を描いた極悪バイオレンス・アクション映画です。カンヌ国際映画祭ミッドナイト・スクリーニング部⾨の正式上映作品に選出され、韓国本国では観客動員数300万人を超える大ヒットを記録。シルヴェスター・スタローンのプロデュースによりハリウッドでリメイクされることも決定している作品です。
監督:イ・ウォンテ 出演者:マ・ドンソク(チャン・ドンス)、キム・ムヨル(チョン・テソク)、キム・ソンギュ(カン・ギョンホ)、キム・ユンソン(チェ・ソジン)、オ・ヒジュン(キム・ドンチョル)、チェ・ミンチョル(クォン・オソン)、ユ・ジェミョン(ホ・サンド)ほか
映画「悪人伝」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「悪人伝」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
悪人伝の予告編 動画
映画「悪人伝」解説
この解説記事には映画「悪人伝」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
悪人伝のネタバレあらすじ:起
韓国。ある夜、凶悪なヤクザ組織の組長チャン・ドンス(マ・ドンソク)が何者かに襲撃されました。この時一人で行動していたドンスは襲撃者に突然刃物で刺され、辛うじて反撃に出るも力尽きて病院に搬送されました。
同じ頃、刑事のチョン・テソク(キム・ムヨル)は韓国国内で多発している連続殺人事件を追っていました。チョンは一連の事件が同一犯の犯行だと睨んでいましたが、証拠も少ないうえにチョンはかねてから捜査には暴力的な手段も辞さないはみ出し者であることから警察署内では煙たがれていました。
チョンはドンスの襲撃犯が一連の事件と同一犯であろうこと、奇跡的に一命を取り留めたドンスが犯人の顔を知っているであろうことから彼に捜査協力を求めましたが、チョンを毛嫌いしているドンスはこれを頑なに拒絶しました。
犯行が対立する組織によるものだと考えたドンスは手下に犯人の似顔絵を描かせ、独自に襲撃犯を追い始めました。チョンもまた引き続き連続殺人鬼を追っていましたが、有力な手掛かりは得られないままでした。
悪人伝のネタバレあらすじ:承
そんな時、長距離トラックの運転手が連続殺人鬼と思わしき者に襲撃される事件が発生しました。殺人鬼は凶器の刃物を道路に投げ捨て、犯行に使った車を乗り捨てていました。ドンスの手下は犯人の車を入手しました。
似顔絵だけの捜索に限界を感じていたドンスは、警察の科学捜査を利用するためにやむなくチョンに協力を申し出ました。この際、ドンスは犯人を自分たちが先に見つけ出した場合は自分たちで自ら制裁すると宣言、殺人鬼を法の裁きにかけたいチョンでしたが、やむなくドンスと共闘することになりました。
こうして暴力刑事とヤクザの組長という、ありえないまさかの共同捜査が開始されました。
チョンはドンスの手下が保管している殺人鬼の車を科捜研に鑑定依頼しましたが、その矢先に今度はドンスと敵対しているヤクザのホ・サンド(ユ・ジェミョン)が殺害されるという事件が発生しました。凶器に使われたのは、殺人鬼が長距離トラックの運転手を襲撃した際に使用したもので、今はドンスのもとにあるはずでした。
チョンもこればかりはドンスを疑い、二人は意見が真っ二つに分かれて激しい殴り合いを展開しました。ドンスは部屋にカメラを仕掛けてこの騒動の一部始終を録画しており、「この事を話したら、この動画を公表する」とチョンを脅してきました。
そんな時、科捜研の科学鑑定の結果により、一連の殺人事件は同一犯によるものであると断定され、所轄署と公安が合同捜査を行うことになりましたが、チョンは事情も知らずに偉そうに振る舞う公安の刑事に悪態をつくようになりました。
悪人伝のネタバレあらすじ:転
ドンスはサンドの葬式に参列しました。そこにドンスを襲撃したあの殺人鬼が現れ、サンドの側近に「私の刃物が殺しに使われた」と書かれたメモを渡してきました。
その後、チョンに呼び出されたドンスは再び殺人鬼の車に向かい、以前ドンスが殺人鬼に反撃した際に付着したと思われる殺人鬼の血痕を探し出そうとしました。そこにサンドの手下たちが現れてドンスとチョンに襲いかかってきましたが、ドンスとチョンは手下たちを返り討ちにしました。
その後、チョンは殺人鬼の捜査から外され、一連の連続殺人事件とは関係のなさそうな別の誘拐事件を担当することとなりました。チョンは身代金の引き渡し現場に指定された飲食店を見張っていましたが、犯人は現場には現れず、代わりに店員が身代金を受け取ってしまいました。
その店員は誘拐犯から身代金を受け取るよう要求されていましたが、犯人の顔は覚えていませんでした。そこでチョンは誘拐犯が店内で飲んだ焼酎の空き瓶を入手、科捜研に鑑定を依頼しました。
そしてチョンは誘拐犯の正体がカン・ギョンホ(キム・ソンギュ)なる人物であることを突き止め、彼の自宅に乗り込みましたが、そこには既にギョンホの姿はありませんでした。
しかし、チョンはそこでギョンホが写っている写真を発見、それが何とドンスが作成した殺人鬼の似顔絵と完全に一致していることに気付きました。チョンとドンスはそれぞれ裏付けを進めようとしましたが、これ以上の有力な手掛かりは見つかりませんでした。
悪人伝の結末
そんなある日、雨で困っている時にドンスから傘を借りた女子高生が何者かに殺害されるという事件が発生しました。そのことを知ったドンスは女子高生を殺したのは自分を襲った殺人鬼だと確信、チョンたちと共に徹底的に周囲を調べ上げました。
そしてドンスは遂に殺人鬼=ギョンホがカラオケ店に潜伏していることを突き止め、殴り込んでギョンホを叩きのめし、アジトへと連行していきました。
ドンスはこのままギョンホを殺そうとしましたが、そこに駆けつけたチョンがギョンホを警察に連行していきました。しかし、ギョンホが一連の連続殺人事件に関与したとされる決定的な証拠は未だに見つからず、チョンは悩んだ末にドンスに裁判で証人として証言すべきだと勧めました。
ドンスはギョンホへの復讐の機会を奪ったチョンを殴りつけましたが、実はサンド殺害を指示したのは他ならぬドンスであり、その他にも違法賭博に手を染めた罪などにも問われかねない状態でした。
自分まで罪に問われることを危惧するドンスに、チョンは何とかすると持ちかけ、ドンスはチョンにある条件を呑ませることを条件に法廷で証言することにしました。ドンスでの法廷での証言が決定的な証拠となり、ギョンホは連続殺人事件の真犯人として死刑判決を受けました。
ドンスは逮捕され、刑務所に収監されましたが、チョンの働きかけによりサンド殺害などの重罪は全て揉み消してもらい、罪状は違法賭博の罪のみという軽いものでした。ドンスがチョンに出した条件とは「ギョンホと同じ刑務所に収監する事」であり、刑務所内でギョンホの姿を見つけたドンスは恐ろしい笑顔を浮かべました。
以上、映画「悪人伝」のあらすじと結末でした。
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