グレート・ハック SNS史上最悪のスキャンダルの紹介:2019年アメリカ映画。イギリスを拠点とするケンブリッジ・アナリティカ通称CA社は、選挙コンサルタントとして世界中の大統領・首相選挙に関わってきました。しかし、元社員から告発者が出たことによって、CAがフェイスブックの個人情報を利用してプロパガンダをしていたことが明るみに出ます。広告によって人間の考え方は簡単に変わってしまうことを明らかにし、データ社会の重さが見えるドキュメンタリー映画です。
監督:カリム・アーメル、ジェヘイン・ヌジェーム 出演:ブリタニー・カイザー、キャロル・カドワラード、デイヴィット・キャロル、クリス・ワイリー、ほか
映画「グレートハック SNS史上最悪のスキャンダル」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「グレートハック SNS史上最悪のスキャンダル」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
グレート・ハック SNS史上最悪のスキャンダルの予告編 動画
映画「グレートハック SNS史上最悪のスキャンダル」解説
この解説記事には映画「グレートハック SNS史上最悪のスキャンダル」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
グレートハック SNS史上最悪のスキャンダルのネタバレあらすじ:起
イギリスを拠点とするケンブリッジ・アナリティカ社(通称:CA)の専門業務は、選挙コンサルタントとうたっています。米国大統領選挙を始め、世界中の大統領・首相選挙に手を貸し続けていました。
アイオワ州選挙期間中、最下位だったテッド・クルーズはCAに協力を要請し、見事当選まで導くほどに、CAは選挙コンサルタントとしての地位を築いていきます。
しかし、2016年のドナルド・トランプ大統領選挙、「プロジェクト・アラモ」を手伝ったことをきっかけに、CAの悪事が明るみに出ます。
プロジェクト・アラモでは、1日100万ドルをフェイスブックの広告につぎ込み、広告に力を入れていました。CAのCEOアレクサンダー・ニックスは、国民のパーソナリティを予測した上で、的を絞ったコンテンツを提供する独自のシステムを開発したとアピールしていましたが、実際には、フェイスブックから大量の有権者データを引き抜き、そのデータを利用して広告を投下するプロパガンダをしていました。
グレートハック SNS史上最悪のスキャンダルのネタバレあらすじ:承
CAは米国1人あたり5000件のデータを持っていたと言われています。その事実があるにも関わらず、フェイスブックはCAとの関与を否定し続け、個人情報流出も認めません。現在CAはブレグジット(EU離脱)の黒幕であるとも言われています。
なぜこれらのことが明らかになったのか。それはCAの元社員2名による告発と、ブレグジットを調査し続けていたキャロル・カドワラードによって暴かれました。
告発者の1人はピンク髪のデータサイエンティストのクリス・ワイリー。彼は、CAはデータサイエンスやアルゴリズムを駆使した企業ではなく、ただプロパガンダを行っている会社だと主張します。もう1人は、CAの元社員で開発部長を務めていたブリタニー・カイザー。CAの中でも極めて重要なポジションにいた人物が、データの価値は石油を上回ったと話します。
ブリタニーの資料からは、CAが個人情報のデータを使用して、プロパガンダを行っていた証拠がたくさん残されていました。ブリタニーはインターンとしてオバマ陣営のフェイスブックを手伝っていましたが、その後2014年にCAのニックスと出会い、CAに入社をします。
グレートハック SNS史上最悪のスキャンダルのネタバレあらすじ:転
ブリタニーは、説得可能者をフェイスブックの個人情報を使ってリサーチし、その人たちを自分たちの都合がいい方に考え方が変わるよう、おすすめの記事などを洗脳されるまで広告を投下したと話します。それらが大きな話題を呼んで、2018年、フェイスブックは5000万人の個人情報が流出したことを認めます。
噂になってから認めるまで2年以上もかかりました。聴聞会にてフェイスブックのマーク・ザッカーバーグが証言を求められます。ザッカーバーグは全面的にフェイスブックはCAの被害者であると主張します。さらにデータは全て削除したとの報告をしましたが、ブリタニーが調べると、まだ3000万人のデータが残っていることがわかりました。こうして形だけのザッカーバーグの聴聞会は幕を閉じます。
CAはトリニダード・トバコの「Do So!」運動を仕掛けたとも言われています。Do So!運動とは、選挙に投票しないことを主張する運動です。トリニーダ・トバコでは、インド系とカリブ系の人種による意見の対立があり、若者たちをDo So!運動に取り込みます。
結果としてインド系の若者たちは、国民性から親の意見が絶対だったのでDo So!運動に参加していても投票をしました。一方カリブ系の若者たちの投票率はがくっと下がり、結果、インド系の代表者が選挙で当選をしました。
このように、広告を使った戦略によってCAはまた実績を増やしていき、年間10件以上の世界中の選挙に関わっています。ブリタニーも聴聞会にて証言台に立ちます。
グレートハック SNS史上最悪のスキャンダルの結末
CAのニックスが打合せしている動画が公開されます。そこには賄賂の話など、CAが規則違反をしている証拠が残されていました。これをきっかけにニックスは停職処分となり、CAは廃業に追い込まれました。しかしその廃業は証拠を隠滅して真実を隠す目的もあります。
ついにCAのニックスが聴聞会の証言台へと立ちます。しかし、一向にリベラル派のメディアに攻撃をされたとニックスは被害者面をするばかり。ブレグジットの黒幕に思われていることも不服そうです。しかし現実は、ブラジルもミャンマーもCAのフェイクニュースによって国民は煽られ、国は揺れ動きました。
CAにデータの提出を要請しましたが、提出はなされませんでした。それは事実上、罪を認めたことになります。キャロルはテッドでこの問題を講演し、データによって人間の尊厳が危うくなっていることを主張し、データが基本的人権として認められる未来を求めます。
CAが手を貸したトランプ陣営はフェイスブックで590万の広告を打ちましたが、ヒラリー陣営は6万6000でした。キャロルは民主主義の脅威を訴え続け、ピュリッツァー賞の最終選考に残りました。
以上、映画「グレート・ハック SNS史上最悪のスキャンダル」のあらすじと結末でした。
映画を見ていても追い付かなかった部分も詳細に書いてあって、役に立ちました。