ザ・ハントの紹介:2020年アメリカ映画。2016年、保守政党である共和党のドナルド・トランプが大統領選挙に勝利後、ますます激しくなった保守派とそれに反対するリベラル派の対決。リベラル派の不満はネットやデモなどで表明されます。しかしこの映画のリベラル派集団は、保守的な思想を持つ一般市民や、ネットで意見を表明する市民を誘拐して殺戮ゲームの対象にします。『ザ・ハント』は、アメリカの保守とリベラルの対立を描いたストーリーですが、民主主義的な意見の討論ではなく暴力により反対派を殺戮する恐ろしさを描いた映画です。
監督:クレイグ・ゾベル 出演:ベティ・ギルピン(クリスタル・クリーシー)、ヒラリー・スワンク(アシーナ・ストーン)、エマ・ロバーツ(金髪の女性)、アイク・バリンホルツ、ウェイン・デュヴァル、イーサン・サプリー、ほか
映画「ザ・ハント」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ザ・ハント」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ザ・ハントの予告編 動画
映画「ザ・ハント」解説
この解説記事には映画「ザ・ハント」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ザ・ハントのネタバレあらすじ:起・なぜか捕まり銃撃される男女の集団
謎のグループのリーダーであるアシーナ・ストーンは、携帯で殺人計画らしきチャットをしています。そのチャットのメンバーはプライベートジェット機の中にいます。すると突然、ランディという男が騒ぎ始めます。ランディはなぜ自分が飛行機の中にいるのか理解できないと言います。
メンバーはランディを暴行して血に染めます。ランディは、金髪の女性(エマ・ロバーツ)に助けを求めますが、彼女は意識がありませんでした。
金髪の女性が目を覚ますと、彼女はとある森の中にいました。彼女は猿ぐつわをつけられ、口がきけません。彼女は近くにいた一人の女性クリスタル(ベティ・ギルビン)に助けを求めますが、彼女は気づきません。
金髪の女性は周囲にさらに何人かの男たちと巨大な木箱を見つけます。一人の男が箱を開けると、1匹の豚と武器が出てきます。金髪の女性は鍵を見つけ、男たちの猿ぐつわを外して口がきけるようにします。
合計12人の男女のグループは突然、何者かに銃撃されます。グループは箱にあった武器を手に逃げ、鉄条網のフェンスにたどり着きます。グループはフェンスを乗り越えますが、一人の男は弓矢で殺されます。
ザ・ハントのネタバレあらすじ:承・アメリカのリベラルの陰謀?
グループはガソリンスタンドをみつけて中に入ると、それを経営する老夫婦に出会います。老夫婦は、ここはアメリカのアーカンソー州だと言います。グループの男が警察に電話をします。男はバーで酒を飲んでいたら何者かに連れ去られ、気がついたら森にいたと話しますが、警察は事情が理解できない様子。
グループの女性が店のドーナツを食べると苦しみ始めます。すると老夫婦はグループを銃撃します。そこへクリスタルが遅れて店にやってきますが、老夫婦は何事もなかったように振舞います。
クリスタルは、タバコの値段を見てアーカンソー州にしては高いのを不審に思います。彼女は老夫婦も銃撃グループの一味だと思い老夫婦を銃撃します。クリスタルは銃を持って店の外に出ると、クロアチアのナンバープレートの車を見ます。
クリスタルは無線の交信を聞き、ドローンが飛んでいるのを見ます。クリスタルはその無線の交信から、これは狂信的なグループの犯行だと感じます。そしてゲイリーという男が、ドローンを撃ちます。
ゲイリーはクリスタルと線路の上を歩いて進みます。ゲイリーは新聞記事で、アメリカのリベラル派が保守派の一般市民を捕まえて銃撃ゲームで殺して楽しむ記事を読んだと話します。
クリスタルとゲイリーは、貨物電車が来たのでそれに乗り込みます。二人は貨物の中で難民と見られる中東系の集団と出会います。ゲイリーは彼らを殺害しようとすると電車は突然止まりました。
ザ・ハントのネタバレあらすじ:転・謎のリベラル狂信グループの犯行
兵士たちが列車に近づきクリスタル達を下ろします。そして兵士はクリスタル達のボディチェックをします。難民グループの一人でリーダー格の男が逃げ出そうとしますが彼は爆発により死亡します。ゲイリーは逃げ出すものの、クリスタルは収容所に連れて行かれます。クリスタルは収容所で担当者に尋問され、今自分たちがクロアチアにいることを知ります。
クリスタルは収容所で、ドンという誘拐されたアメリカ人に出会います。アメリカ大使館関係者が駆けつけ、クリスタルとドンを連れ出します。しかし、クリスタルは、大使館関係者を名乗る男を不審に感じて殺害します。そしてクリスタルが車のトランクを開けると、そこにはリベラル派に殺されたゲイリーの死体を見つけます。
やがてたどり着いた先にリベラル派が現れます。リベラル派はアシーナから無線連絡を受けています。そこへクリスタルとドンが現れ、その集団を殺害し始めます。するとアシーナはドンに無線で状況を聞いていました。クリスタルは、ドンもリベラル派の一味だと思い、彼も殺害します。
クリスタルはアシーナの居場所を聞き出し、森に入っていきます。
ザ・ハントの結末:クリスタルとアシーナの対決
(1年前)アシーナはある企業の重役で、保守派狩りの件について抗議を受けています。アシーナはただの冗談だと言いますが、役員会からは非難を受けます。
(8ヶ月前)アシーナは殺人計画のためのメンバーを招集します。そのリベラル派のメンバーは、保守派狩り計画の情報流出によりアシーナが失脚したことに伴う復讐のために集められました。そのリベラル派の会議にはクロアチアにいたリベラル派のメンバーや、中東系の難民になりすました男もいます。アシーナ達は数十人を誘拐し、クロアチアで保守派狩りのゲームをすることを話します。メンバーは誘拐する候補者の経歴や政治思想について討議します。そしてアシーナは、クリスタルの写真を見ると激しい怒りを見せます。クリスタルはSNSでアシーナを取り上げていた一人でした。
(現在)クリスタルはアシーナの居場所に向かいます。クリスタルは、アシーナを大邸宅で見つけます。アシーナはクリスタルに「お前はネットで自分を侮辱した」と怒り、このゲームに選ばれたことを説明します。クリスタルは「それは自分でなく他のクリスタル、人違い」だと言いますが、彼女は信じようとしません。そして二人は大乱闘になり、クリスタルはアシーナを刃物で刺して殺すのでした。
クリスタルは怪我を手当てし、アシーナのドレスを盗んで飛行場に向かいます。クリスタルは機内で食事を楽しむのでした。
以上、映画「ザ・ハント」のあらすじと結末でした。
良くも悪くも現代のアメリカ映画としての醍醐味を味わえる佳作である。基本的には痛快な娯楽作品で適度に?過激なバイオレンス描写が小気味よい。リズミカルで小気味よいから見終わった後には爽快感があるのだ。純粋で外連味のないチャンバラものやクンフー映画のそれである。この映画のプロットを米国社会における、リベラル派VS保守派と捉える向きもある。リベラルが邪悪で保守が俗悪なのか、或いはどちらかが正義でどちらかが悪と言う善悪の二元論で語るのは余りにも単純すぎる。しかし自意識過剰で高慢な富豪系のリベラリストは鼻持ちならない。偏狭で意識高い系の攻撃的な一部のビーガンや環境テロリストなどの欺瞞に満ちた偽善者が先進国をミスリードしているからだ。大手メディアや巨大コングロマリットは大衆を洗脳して家畜化を目指している。私には陰謀論者と言われてレッテル貼りをされ封じ込められている言論人の姿と人間狩りの獲物の姿が被って見えるのである。この映画のようにハッピーエンドとはいくまい。世界の富を独占する2%の富豪が資産を持たない98%の人間のことをどう思いどう扱おうとしているのか。近隣の某大国では人間狩りは現実に起きているしこれからも新たに起きるであろう。明日は我が身か?と思うと背筋が寒くなる。