ジャッジ 裁かれる判事の紹介:2014年アメリカ映画。「父は犯人なのか。」というキャッチコピーで、地元で長年敬愛されてきた判事で殺人事件の容疑者となった父と、その弁護を引き受けることになった絶縁状態の敏腕弁護士で息子が、事件の真相に迫ってゆく中で、これまでの確執と葛藤を抱えつつも次第に心を通わせていく、感動の法廷サスペンスドラマです。
監督:デヴィッド・ドブキン キャスト:ロバート・ダウニー・Jr(ハンク・パーマー)、ロバート・デュヴァル(ジョセフ・パーマー)、ヴェラ・ファーミガ(サマンサ・パウエル)、ヴィンセント・ドノフリオ(グレン・パーマー)、ジェレミー・ストロング(デイル・パーマー)、ダックス・シェパード(C・P・ケネディ)、ビリー・ボブ・ソーントン(ドワイト・ディッカム)、ほか
映画「ジャッジ 裁かれる判事」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ジャッジ 裁かれる判事」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ジャッジ 裁かれる判事の予告編 動画
映画「ジャッジ 裁かれる判事」解説
この解説記事には映画「ジャッジ 裁かれる判事」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ジャッジ 裁かれる判事のネタバレあらすじ:1.敏腕弁護士・ハンク
アメリカ・イリノイ州のシカゴ、ハンクことヘンリー・パルマーは、どんなに難しい弁護でも金さえ積めば引き受けて有利に持っていくという悪評高き敏腕弁護士でした。この日も予審でハンクは検察側が立証できない事をつき、有罪の人物を無罪に導こうとしていました。検察官が立証をしようとしたとき、ハンクの携帯電話に留守電メッセージが入ってきました。それを聞いたハンクは直ぐ様、カーター判事に予審の延期を申し出、「母が死にまして」と告げました。「ぬけぬけと」と不審がる検察官を横目に、ハンクは携帯電話をカーター判事に渡してメッセージを聞いてもらいました。ハンクの母・メアリーが亡くなった事は本当でした。予審は延期され、ハンクは故郷に帰るため、家に帰りました。
今、ハンクはシカゴの都会暮らしをしていますが、故郷はインディアナ州の片田舎でした。実はハンクは田舎の家族とは疎遠にしていました。また、ハンクには妻・リサと一人娘・ローレンがいますが、妻・リサとは離婚調停中の真っ最中でした。原因はハンクが仕事で多忙過ぎて、孤独感に苛まれたリサがフェイスブックで見つけた元カレと浮気をしたのが原因でした。リサも敏腕弁護士を雇っていましたが、ハンクは娘・ローレンの養育権を得ようと思っていました。しかし、ハンクはあまりローレンの事も知りませんでした。離婚するつもりのサラも葬儀に参列しようかと話しかけますが、ハンクはそれを断り、一人故郷に向けて立ちました。
ジャッジ 裁かれる判事のネタバレあらすじ:2.帰郷
ハンクは飛行機に乗り、生まれ故郷であるイリノイ州とインディアナ州の境にある山間の田舎町・カーリンヴィルに向かいました。その静かで美しい自然に囲まれた街は、ハンクの子供の頃とちっとも変っていませんでした。家に帰ったハンクを待っていたのは、棺の中で安らかに眠る母と、弟で三男のデールでした。デールは穏やかで正直な男ですが、知的障害がありました。デールの話では、母・メアリーは大好きな庭のアジサイを手入れしている最中に、急に心停止して亡くなったそうでした。母・メアリーとは確執がなかったハンクは、母の死を悼みました。そうこうしていると、兄で長男のグレンが帰ってきました。
グレンは幼い頃、野球が得意で、スカウトが来るほどでした。そんなグレンに父・ジョセフ・パルマーは期待を寄せていました。一方、ハンクはヤンチャ坊主の不良・問題児で、父・ジョセフはいつも頭を抱えていました。しかしハンクは、三兄弟の中で最も優秀な頭脳を持っていました。
そんなハンクが家族と疎遠になっていたのは、父・ジョセフと軋轢からでした。御年72歳の父・ジョセフは地元の裁判所で42年間判事を務め、人々から敬愛される超有名な人物でした。そんな父とハンクの仲を悪化させた決定的事件がありました。それは野球選手として将来を有望視されていたグレンが、高校生の時に車の事故で手を痛め、野球ができなくなった事件でした。その時、車を運転していたのがハンクでした。この事件でハンクは家族全員を落胆させてしまったのでした。勿論、ハンクはその件で兄・グレンに負い目を感じていました。野球の道を閉ざされたグレンは今、地元で自動車修理工として一児の父となり、円満な家庭を築いていました。ハンクはこの事故を契機に実家から逃げるように法科大に進学し、シカゴで弁護士となったのでした。ハンクにとって実家は、あまり居心地の良い場所ではありませんでした。
ジャッジ 裁かれる判事のネタバレあらすじ:3.葬儀の日
葬儀の朝、ハンクが起きると家には誰もいませんでした。急いで行きつけの店「飛ぶ鹿食堂」に行くと、父・ジョセフと兄・グレン、弟・デールは既に朝食を摂っていました。ハンクが席に着くと、他の3人は朝食を摂り終えたと言い、ハンクを置いて先に葬儀場に行ってしまいました。完全に浮いた存在にされたハンクの目の前に、女性店員が朝食を持って来ました。見るとそれは元カノ・サマンサ・パウエル(通称:サム)でした。20年ぶりの再会にハンクは驚きました。
母・メアリーの葬儀はしめやかに執り行われました。父・ジョセフは最愛の妻の死に落胆し、母の墓からなかなか戻ってきませんでした。やがて帰って来たジョセフは、ハンクに葬儀に参列したことへの礼を言ってきました。ハンクは驚きました。その夜、ハンクたち兄弟3人は「ホタル酒場」へ飲みに行きました。そこで父ジョセフの判決に不服を持つ、飲酒運転で仮釈放中の輩が、3人に絡んで来ました。父を侮辱され頭に来た兄グレンは、その輩と喧嘩をおっぱじめようとしました。敏腕弁護士のハンクは、直ぐさま間に入り、口だけで相手をやり込めました。その様子を見ていた若い可愛い女性店員・カーラが、ハンクに興味を抱いて、言い寄って来ました。ハンクはカーラと店の奥でディープ・キスをしました。それを見た兄・グレンは、急に不機嫌になりました。兄・グレンの不機嫌はなかなか収まらず、家のガレージにハンクの車を駐車するのに、失敗してしまいました。ハンクとグレンは、何故か気まずい雰囲気に陥りました。
翌朝、ハンクはシカゴへ帰るために車に乗ろうとすると、ガレージの中の父の車のヘッドライトが壊れていました。よく見ると側面も傷だらけでした。父・ジョセフの車は、父以外は誰も運転してはいけないことになっていました。ハンクはグレンとデールにも聞きましたが誰も心当たりはありませんでした。取りあえずグレンが修理をしていると、父・ジョセフが起きてきました。ジョセフは誰が車を壊したと激昂し、グレンの子供たち(ジョセフにとっては孫)にまで疑いの目を向けました。そんな父にハンクは、妻に先立たれた父が深夜につい酒を飲み、事故ったんじゃないかと言いました。すると父・ジョセフは怒りまくり、ハンクが妻・リサを他の男に寝取られ、今離婚予定である事をグレンとデールの前で暴露してきました。ハンクは憤りながらシカゴへの飛行機に乗りました。するとグレンから電話がかかってきました。父とまたもや喧嘩してしまったハンクは、手短に電話を済まそうとしましたが、兄・グレンの「黙って話を聞け!」といういつにない真剣な声に耳を傾けました。なんとそれは、父・ジョセフがホワイト保安官に連行されたという知らせでした。容疑は「轢き逃げ」でその遺体もあるという事でした。ハンクは驚き、急いで故郷に引き返しました。
ジャッジ 裁かれる判事のネタバレあらすじ:4.謎の事件
父・ジョセフは、かつてはアル中でしたが、28年間禁酒を続けていました。被害者はマーク・ブラックウェルという男で、その遺体は30号線で発見されました。死因は内臓損傷で、車に轢かれたものと目されました。その事件当夜、30号線を走るジョセフの車を目撃したという証言もありました。しかし、ハンクは「目撃証言だけでは不十分だ。三流弁護士でも“盗難車”と一蹴する。運転手を見たのか?」と警官たちに問い質し、連行された父を弁護しました。しかし、父・ジョセフはハンクに「どこかへ行け。お前の意見など誰も求めん」と言い放ちました。車は証拠物件として警察に押収されましたが、何とか父を家に帰すことはできました。ハンクは父・ジョセフに事件当夜の事を問いますが、ジョセフは「覚えていない。思い出せないんだ!とにかく誰も轢いていない!」と主張しました。家に帰って暫くすると、警官たちが来ました。押収された車から血痕が出て、被害者マークと一致したと言い、警官たちはジョセフを第2級殺人罪の容疑者として逮捕しました。
奇しくもこの若い被害者であるマーク・ブラックウェルとジョセフには、因縁がありました。かつてマークは問題児で、彼が16歳の頃、交際6カ月の恋人の女性・ホープと喧嘩の末、窓越しに銃を乱射して逮捕されたのでした。その裁判で判事を務めたのは、ジョセフでした。ジョセフはマークの泣きながら「もう2度としません」という訴えを信じ、「更生の余地あり」と判断して、彼を最短の30日間の実刑に処したのでした。しかし、釈放されたマークは、その日にホープを殺害したのでした。これでホープは殺人罪で20年の実刑に処せられました。しかし、情をかけた判事・ジョセフには、「野放しにした悪党(マーク)を殺害」という殺害動機が成立するのでした。
しかし、父・ジョセフがそんな事をするはずがない事は、ハンクが一番知っていました。ハンクは記憶がないと言い張る父・ジョセフを弁護し、予備審問(予審)で不起訴にさせようと思い立ちました。しかし、既に地元の弁護士に依頼をしていた父・ジョセフは、ハンクに「お前とは気が合わん」と言い、拒否しました。
ジャッジ 裁かれる判事のネタバレあらすじ:5.信頼
いよいよウォーレン判事のもと、予審が始まりました。ジョセフはC・P・ケネディという若手弁護士を雇いました。ただ、ケネディは経験も浅く、場数を踏んでおらず、その上、裁判所の前で緊張から胃液を吐くような弁護士でした。対して検察側はドワイト・ディッカムという敏腕検察官でした。ハンクは不安で仕方がありませんでした。
争点の一つは、事件当夜、ジョセフに犯行記憶がないことでした。ディッカム検察官はジョセフが酒に酔っていたと嫌疑をかけますが、経験の浅いケネディ弁護士がまともにぶつかって勝てる相手ではありませんでした。傍聴席でハンクはイライラしながら様子を見守っていましたが、しびれを切らして、後ろからケネディにアドバイスを送り続けました。ハンクが後ろから頻繁に口出しするので、見かねた判事から「君も弁護人?」と聞かれてしまいました。父・ジョセフはそれをきっぱりと否定しました。その後、予審は検察側のペースで、あれよあれよという間に終了し、とうとう、陪審員による裁判に持ち込まれてしまいました。予審で終わらせたかったハンクは、不本意で仕方がありませんでした。
予審で完全に自信をなくして怖くなった弁護士・ケネディは、ジョセフの弁護を辞退しました。父・ジョセフは仕方なくハンクを弁護人として雇うことにしました。ハンクはタダでそれを引き受けました。父・ジョセフが嘘などをつく人間ではないことは、ハンクが最もよく知っていました。42年間判事を務めてきた父・ジョセフは、自分に不利でも事実であれば事実だと素直に認める真っ正直な人間でした。飲酒については父・ジョセフが全面否定したので、ハンクはその言葉を信じました。
ではなぜ記憶がないのかとハンクは考えました。ハンクは病気などで投薬を受けているのではないかと思い、父・ジョセフに尋ねると、父は重い口を開きました。ジョセフは消化器系の癌を患っており、化学療法を受けていました。この事は亡き妻・メアリーしか知らない事でした。ハンクはその化学療法の副作用で父・ジョセフに記憶障害が起きていると考えました。実は母・メアリーの葬儀の前日、ハンクは密かに父・ジョセフの裁判を傍聴していました。その時、ジョセフは長年共に勤務してきた廷吏のオースガスタスの名前を言えないという場面があったのでした。ハンクはそれを思い出しました。ハンクは記憶障害が起きていたなら、裁判に勝てると思いました。しかし、父・ジョセフは病気の件は絶対に法廷に出すなと主張しました。それは父・ジョセフの判事歴42年の誇りからでした。つまり、判事である自分が病気で記憶障害があると露見すれば、これまで自分の出した判決が全て根底から揺らぐ事を案じていたのでした。ハンクはそんな父の誇りを尊重し、不利な状況下で弁護をしていくことになりました。
ジャッジ 裁かれる判事のネタバレあらすじ:6.親子の距離
そんなある日、娘・ローレンが夏休みを利用して、遊びに来ました。ハンクはジョセフとローレンとの対面を不安視しましたが、父は初めての孫娘・ローレン(グレンの子供たちはみんな男)に優しく接しました。そんなジョセフに、ローレンは自然と懐いていきました。ハンクはまだ小さいローレンを運転席に乗せ、田舎道を運転させたりして、交流を深めました。ローレンの純粋で可愛い行動や言葉のお蔭で、次第にジョセフとハンクは心を通わせていきました。短期間でしたがローレンは「最高の夏休みだった」とハンクに笑みを残して、母のもとに帰っていきました。
ハンクは再会した元カノのサムといい雰囲気になりましたが、サムと「ホタル酒場」でディープ・キスした若い女性・カーラがサムの娘と知り、驚きました。その上、カーラが1990年2月生まれと聞き、自分たちが付き合っていた時期から逆算して「もしや自分の娘か」と思い、動揺しました。
裁判に向け、ハンクは父・ジョセフの病状を確かめるため、密かに父の主治医に会いました。ハンクは父がステージ4の末期ガンと知り、ショックを受けました。主治医は痛み止めで記憶障害は起こりえるだろうと言いました。裁判で父・ジョセフを助けるため、ハンクは持ち前の腕を発揮していき、敏腕検察官・ディッカムと一歩も引かない弁護を展開しました。
そんなある夜、父・ジョセフが悪夢でも見たのか、奇声を挙げて嘆きだしました。ハンクは飛び起きて、父のもとに行って慰めました。ハンクは思わず、長年判事をしていた父に尋ねました。「今まで会った最高の弁護士は?」と。すると父・ジョセフは初仕事の事件で下劣な犯人の公選弁護士を挙げました。彼は判決で負けそうですが、父はその弁護士を「人にツバを吐かれても、彼は法を信じ、弁護を断らなかった。最高ではないかもしれないが、最も高潔な男だ」と語りました。ハンクは彼の名を心に刻み込みました。
ジャッジ 裁かれる判事のネタバレあらすじ:7.逆風
その翌日、パーマー保安官から電話がかかってきました。ハンクが署に行くと、ディッカム検察官もいました。そこでハンクはある監視カメラの映像を見せられました。それは父・ジョセフが主張していた事件当夜の証言を覆すものでした。ディッカムはハンクに、罪を10年に軽減してやるから手をひけと言ってきました。ハンクは父・ジョセフの証言を信じ、断固、拒否しました。ディッカムはハンクに「(ジョセフは)法をかさに着る嘘つきだ。息子と同じだ。君はメッキの偽物だ」と罵倒し、父・ジョセフを第1級殺人罪にしてやると意気込みました。
そしてある日の夜、嵐が街を襲いました。地下室にハンクたちは避難し、幼い頃の8ミリをみんなで観賞することになりました。しかし、その8ミリにはハンクと父の仲を悪化させたあの忌まわしい事故の映像もありました。父・ジョセフはその映像が流れだすと、突如、怒り出し、弟・デールが大切にしていた映写機をぶち壊しました。そんな父にハンクは憤り、二人はまたもや大喧嘩となってしまいました。その翌日、父・ジョセフが一人、バルコニーで酒を開け、飲んでいました。ハンクはそんな父と一緒に酒を酌み交わしました。すると父・ジョセフがハンクの離婚話を兄弟に暴露した事を謝ってきました。ハンクは素直に父に心の内を明かし、二人は続く裁判に幸運が訪れるように乾杯したのでした。
そして裁判でディッカム検察官は、案の定、事件当夜のコンビニの監視カメラ映像を出して、攻めてきました。その映像を見た父・ジョセフが突然倒れ、気を失ってしまいました。ジョセフは救急車で病院に運ばれました。そんな父を見たグレンは、弟・ハンクに絶対に裁判で勝てと命じてきました。勿論、ハンクも負けたくはありませんでした。目を覚ました父・ジョセフは直ぐに病室にハンクを呼びました。父・ジョセフは、事件当夜のコンビニの時の記憶を思い出していました。ハンクは勝つために曖昧な記憶は証言するなと、父・ジョセフに釘を刺しました。
実はその事件当夜、コンビニでジョセフはマークと偶然出会い、マークから惨い言葉を投げかけられたのでした。マークはその時、ジョセフの妻・メアリーの墓と彼が殺害したホープの墓が近く、「両方の墓に小便しに行ってやるよ」と言ったのでした。それを聞いたジョセフは憤り、パックから卵を落としてしまったのでした。監視カメラの証拠映像はその時のものでした。
ジャッジ 裁かれる判事のネタバレあらすじ:8.涙の証言
いよいよ被告人の父・ジョセフ自身が証言する裁判の日が来ました。傍聴席は満員となりました。記憶を思い出した以上、真っ正直なジョセフは検察官・ディッカムの不利な質問にも誠実に答えました。そして、ディッカムの「故意に殺したと思うか?」という質問に、ジョセフは「はい」と答えました。法廷は騒然となりました。このままでは完全に敗北し、父・ジョセフの実刑は免れません。ハンクは勝つために、再尋問で父・ジョセフに口止めされていた病気の事を持ち出しました。
依頼人の意向を無視したハンクに、ジョセフは興奮して怒りますが、嘘を言えないジョセフは正直に病の事を認め、証言しました。そして、ハンクはマークから惨い言葉を言われた事実も引き出しました。そこでハンクはふとある疑問を抱き、ある問いを投げかけました。それは州で最も厳しいと言われていた判事・ジョセフが、冷酷なマークにかつて30日というかなり軽い刑罰だけで済ませたのかという問いでした。この問いに対して、ジョセフは重い口を開き、答えました。ジョセフはハンクに目をやり、涙をこらえながら「彼の姿がお前とだぶった。…マークが自分の次男と。助けてやりたかった。道を誤ったのなら、手をさしのべたいと」と。父の愛に満ちた言葉を耳にしたハンクは、静かに涙をこぼしました。ハンクは最後に廷吏・オーガスタスを呼び、父・ジョセフに「彼の名前は?」と問いました。ジョセフは答えられませんでした。ハンクは見事に父・ジョセフの記憶障害を立証してみせました。
この証言に基づき、陪審員はジョセフに対して「殺人罪に対して無罪。故殺(計画性のない衝動的殺人)の罪に対しては有罪」という評決を下しました。ジョセフは実刑4年という判決を言い渡されました。ジョセフは長男・グレンと抱き合い、三男・デールには励ましの言葉をかけましたが、自分を弁護してくれたハンクとは目も合わそうとしませんでした。裁判に負け、その上、無視されたハンクは涙を流して悲しみました。
ジャッジ 裁かれる判事の結末:旅立ち
ハンクは元カノ・サムにカーラの父は自分なのかと訊くと、サムは衝撃の告白をしました。なんとカーラの父はハンクの兄・グレンでした。グレンには心当たりがあったので、ハンクがカーラとディープ・キスした時に不機嫌だったのでした。
裁判終了の7か月後、ディッカム検察官から恩赦が与えられ、父・ジョセフは釈放されました。迎えに行ったハンクとジョセフは湖にボートを浮かべ、釣りをしながら話し合いました。父・ジョセフはハンクに「最高の弁護士に私はお前を選ぶ」と呟きました。思わぬ父から褒め言葉にハンクは驚き、感激しました。ただこれが父・ジョセフの最期の言葉となりました。ジョセフはボートの上で静かに息を引き取りました。父・ジョセフの最期を看取ったのはハンクでした。
ジョセフの葬儀には多くの弔問客が来ました。葬儀後の会場はサムの店で行われました。娘・ローレンを得たハンクは、そこでサムから夜の誘いを受けました。ハンクはそれに笑顔で応えました。そして、ハンクは父・ジョセフが最期にかぶっていた帽子を手に、父が長年務めた裁判所に行きました。父・ジョセフが座っていた判事の席を見て、ハンクはこの故郷で父のような高潔な判事になる決意をしました。
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