最後の歓呼の紹介:1958年アメリカ映画。エドウィン・オコナーの原作小説をジョン・フォードが製作・監督。庶民に人気の老市長が最後の市長選挙に挑む。はたして彼は「最後の歓呼」に包まれることになるのか。名優、そしてキャサリン・ヘップバーンのパートナーとしても知られたスペンサー・トレイシーが市長を演じる。
監督:ジョン・フォード 出演者:スペンサー・トレイシー(フランク・スケフィングトン)、ジェフリー・ハンター(アダム・コールフィールド)、ダイアン・フォスター(メイブ・コールフィールド)、パット・オブライエン(ジョン・ゴーマン)、ベイジル・ラスボーン(ノーマン・キャス)、ドナルド・クリスプ(枢機卿)、ジョン・キャラダイン(エイモス・フォース)その他
映画「最後の歓呼」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「最後の歓呼」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「最後の歓呼」解説
この解説記事には映画「最後の歓呼」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
最後の歓呼のネタバレあらすじ:起・古いタイプの政治家
ニュー・イングランド地方の一都市。先に妻を亡くした市長スケフィングトンは、遊び好きな息子と暮らしている。だが、早朝から家には側近たちが集結し、間近に迫った市長選の情勢について報告する。家の前には今朝も多数の市民が集まっていた。市長が市民ひとりひとりと直接話すことにしているからだった。甥で、地元紙のスポーツ記者であるアダムをスケフィングトンはオフィスに呼ぶ。5選をめざして立候補したスケフィングトンはこれが最後の選挙と考え、アダムに選挙戦につきあって、テレビやラジオを使うよりは選挙民の中に入っていく古いタイプの選挙運動を見てほしいと願い、アダムは承諾する。
だが、スケフィングトンには敵も多かった。強引な政治手法。そして市の名士たちと違ってアイルランド系で、貧しい生まれでもあった。アダムの新聞社の社主兼編集人のフォスター、アダムの妻のメイブとその父スグルーもスケフィングトンを毛嫌いしていた。
最後の歓呼のネタバレあらすじ:承・盛大な葬儀
支持者のノコー・ミネハンが死に、スケフィングトンは通夜に行く。市長にならって警官や消防士等、多数の弔問者が押し寄せる。伯父は葬式を選挙運動に使う代わりに、未亡人にとっては心温まる葬儀にしていることをアダムは理解する。スケフィングトンはおまけに未亡人のために葬儀屋に代金を値切ってあげるのだった。
最後の歓呼のネタバレあらすじ:転・公営住宅への融資を勝ち取る
葬儀からオフィスに戻ったスケフィングトンと側近たちは、銀行が公営住宅への融資を断ったことを知る。頭取のキャスに話をつけるために新聞社のフォスターら反スケフィングトン派が集まるプリマス・クラブに乗り込む。融資に承知しないキャスに対してスケフィングトンは貧困層のために公営住宅の計画は実行すると宣言する。キャスの息子をオフィスに招いておだてて消防署長に任命する。ヨットマンとして知られているだけの息子が間違いなく務まらない仕事を引き受けて恥をかかされるのを嫌ったキャスは任命の撤回と引き換えに公営住宅の融資を決定する。
最後の歓呼の結末:敗北の中の栄光
しかし、キャスは腹いせにスケフィングトンの対立候補、マクラスキーに選挙資金を提供。マクラスキーはポスターを街の各所に貼り、テレビを使って理想的な家庭人を演出していた。一方、スケフィングトンはアダムの家を訪れる。メイブもいっしょに食事をしてスケフィングトンの話術に魅了される。
開票日、スケフィングトン陣営は勝利を信じて疑わなかったが、開票が進むにつれてマクラスキーの票が伸びる。遂にスケフィントンはテレビカメラの前で敗北を宣言する。だが同時に知事選挙立候補を宣言する。
自宅へ帰ったスケフィングトンは階段で心臓発作を起こす。のんきなスケフィングトン・ジュニアに代わってアダムが家族を代表する。面会謝絶だが家の前には見舞いの花をもった市民が押し掛ける。死期を悟ったスケフィングトンは、医師に側近たちを部屋に入れさせる。政敵のヘネシーやガービー、幼なじみだが対立してきた枢機卿、メイブとスグルーもスケフィングトンを訪れる。帰宅したジュニアも事態を悟る。だが、スグルーの「もう一度やり直せるなら彼も違うやり方をするだろう」ということばを聞きつけたスケフィングトンは「同じことをするだろう」と答えるのだった。
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