切り裂き魔ゴーレムの紹介:2016年イギリス映画。ロンドンで起こった連続猟奇殺人事件を担当したベテラン刑事が、捜査を進めるうちに恐るべき真実にたどり着くまでを描いたミステリー。産業革命により発展した19世紀のロンドンで、殺人鬼ゴーレムによる事件の真相に迫る。
監督:フアン・カルロス・メディナ 出演:ビル・ナイ(ジョン・キルデア)、オリヴィア・クック(リジー・クリー)、ダグラス・ブース(ダン・リーノ)、ダニエル・メイズ(ジョージ)、サム・リード(ジョン・クリー)、ほか
映画「切り裂き魔ゴーレム」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「切り裂き魔ゴーレム」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
切り裂き魔ゴーレムの予告編 動画
映画「切り裂き魔ゴーレム」解説
この解説記事には映画「切り裂き魔ゴーレム」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
切り裂き魔ゴーレムのネタバレあらすじ:起・連続殺人事件
1880年のロンドン。ライムハウス地区でゴーレムと名付けられた殺人鬼による猟奇的な連続殺人事件が発生し、キルデア刑事(ビル・ナイ)が捜査に当たっていた。
現場に残されていた詩的なメッセージを調べようと、部下のジョージ(ダニエル・メイズ)を伴って図書館を訪れたキルデアは、そこで手に取った1冊の本にゴーレムが犯行の一部始終が日記のように書き込まれているのを発見する。
最後の記述の日にその本を閲覧した人物は、役者ダン・リーノ(ダグラス・ブース)、劇作家ジョン・クリー(サム・リード)、哲学者カール・マルクス(ヘンリー・グッドマン)、作家ジョージ・ギッシング(モーガン・ワトキンス)の4人だった。
キルデアはこの4人を容疑者として調べ始めるが、そのうちの1人ジョンは、最後の殺人事件の翌朝死亡しており、妻リジー(オリヴィア・クック)が夫毒殺の容疑で拘留されていた。
切り裂き魔ゴーレムのネタバレあらすじ:承・女優リジー
幼い頃から女優を夢見ていたリジーは、母と2人で貧しい暮らしの中、虐待を受けながら育ち、母の死後に劇場で人気役者ダンの舞台に魅せられて、劇場の雑用係になる。ダンに気に入られ、彼の庇護のもと雑用をこなしながら女優への道をめざしていた。
リジーはある日、事故死した役者の代役で舞台に上がり、そこで人気を博す。そんな彼女に劇作家のジョンが目を付け、リジーは女優への足掛かりとして、ダンの反対を押し切ってジョンと結婚する。
しかし、愛のない結婚で性生活を拒む彼女は、その埋め合わせとしてジョンの愛人だったアヴァリーンをメイドとして雇い、夫の夜の相手をさせていた。
切り裂き魔ゴーレムのネタバレあらすじ:転・2つの殺人事件
キルデアとジョージは、ジョン以外の容疑者を調べていたが、それぞれ疑わしい部分があったものの、筆跡がゴーレムとは違っていた。
ダンに会ったキルデアは、彼から劇場で事故死した役者と、不審な死を遂げた支配人はともにリジーに害をなした男で、彼らの死はジョンの手によるものではないか、と聞かされる。
そして日記の最後に記された「失敗を犯した、家はもう安全ではない」という記載から、ジョンがゴーレムだと確信。それを知ったリジーが夫を殺害したのだと結論づける。
リジーに面会したキルデアは、彼女に「真相を話せば酌量されるだろう」と説得するが、彼女は「夫の毒殺犯としてより女優として名をあげたい」と言って拒否。結果、リジーに死刑判決が下される。
切り裂き魔ゴーレムの結末:恐るべき真相
キルデアはジョンの筆跡が分かる唯一の手書きの脚本を図書館で手に入れ、その筆跡がゴーレムのものと一致したことを確認すると、すぐさま刑の執行場所へ向かい、1時間の猶予を得る。
しかしジョンが犯人だという証拠を手に入れたことをリジーに話し、真実を書くよう促した彼は、彼女の筆跡を見て愕然とする。
そこに書かれた文字はゴーレムのものだった。一連の猟奇殺人事件はリジーによるショーで、劇場での2人の死、そして母の死までもが彼女の手によるもので、彼女は世間を騒がせたゴーレムとして注目を浴びることを望んでいたのだった。
1時間以内に彼女の筆跡を提出すれば、彼女がゴーレムとして裁かれる…。しかしキルデアはその筆跡を燃やし、彼女を”単なる”夫殺害犯として処刑させた。
以上、映画「切り裂き魔ゴーレム」のあらすじと結末でした。
19世紀ロンドンが舞台のミステリーが好きなので楽しめた。
真犯人は薄々分かっちゃうストーリーなのでどんでん返しって程ではない。
名を残したいリジーの犯行と知りつつ公表しない刑事の苦悩と葛藤にぐっとくる。
ラストの劇場での事故は誰が犯人なのかはわからず…考察も楽しめる映画。