荒馬と女の紹介:1961年アメリカ映画。永遠の大スター、マリリン・モンローの遺作となった作品で、離婚して間もないヒロインと、彼女に好意を寄せる野性味溢れる3人の男たちとのドラマを描いています。
監督:ジョン・ヒューストン 出演者:クラーク・ゲイブル(ゲイ・ラングランド)、マリリン・モンロー(ロズリン・テイバー)、モンゴメリー・クリフト(パース・ハウランド)、セルマ・リッター(イザベル・スティアーズ)、イーライ・ウォラック(ギドー)、ケヴィン・マッカーシー(レイモンド・テイバー)ほか
映画「荒馬と女」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「荒馬と女」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
荒馬と女の予告編 動画
映画「荒馬と女」解説
この解説記事には映画「荒馬と女」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
荒馬と女のネタバレあらすじ:起
原爆実験地に近いアメリカ・ネバダ州リノ。この町は6週間滞在すれば離婚が許されるということから“離婚の町”と呼ばれており、連日各地から人々が集まっていました。ロズリン・テイバー(マリリン・モンロー)もその内の一人で、離婚を希望する者たちに要領を教えている世話好きな中年女性イザベル・ スティアーズ(セルマ・リッター)の助言を受け、正式に夫レイモンド(ケヴィン・マッカーシー)との離婚を成立させました。
イザベルの紹介で、ロズリンから車の修理を依頼された自動車修理工のギドー(イーライ・ウォラック)は彼女に一目惚れしてしまいました。ギドーは親友で年老いたカウボーイのゲイ・ラングランド(クラーク・ゲイブル)にロズリンのことを話してみましたが、ゲイはこの時は彼女に全く興味を示しませんでした。
荒馬と女のネタバレあらすじ:承
バーに出向いたロズリンとイザベルは、偶然にもギドーやゲイと遭遇、話し合ううちにすっかり意気投合しました。ギドーとゲイは、郊外にあるギドーの家にロズリンとイザベルを招き入れました。ロズリンはそこで、ギドーの妻が出産を前に亡くなっていたことを知ります。ゲイはロズリンに、今後もこの町に滞在する気はないかと尋ね、“別世界を見せる”と言って彼女を自宅に誘いました。ロズリンは男らしく逞しいゲイに惹かれていき、彼女はしばらくの間ゲイの家で過ごすことにしました。
数日後、ギドーがイザベルと共に古い飛行機で現れ、ロデオを見に誘いました。一行は途中でゲイの知人である気のいい若者パース・ハウランド(モンゴメリー・クリフト)と合流、入れ替わりにイザベルが偶然にも別れた前夫と再会したことから一行と離れることになりました。ロズリンは、無謀なロデオに果敢に挑戦するパースの姿に心惹かれるものを感じていました。
荒馬と女のネタバレあらすじ:転
翌日、一行は飛行中に野性の馬の群れを見つけたことから、ゲイらは野生の馬を捕獲する計画を立てました。馬の肉はドッグフード用として缶詰業者に高く売れるのです。ゲイらに同行したロズリンは事実をしってショックを受け、ゲイを残酷な男だと思い込んでしまい、より一層パースへの想いを強くしていきました。ゲイはそんなロズリンをなだめて納得させ、一行は砂漠でテントを張りました。
翌日、ギドーは飛行機で馬を砂漠に追い立て、ゲイたちは先回りして待機しました。馬の群れが現れるとギドーは飛行機からトラックに乗り換え、ゲイとパースは次々と馬に投げ縄を掛けていきました。群れの中にはまだ幼い仔馬を連れた母馬もおり、ゲイたちが男のロマンに酔いしれるなかロズリンはいてもたってもいられなくなって泣きじゃくり、馬狩りをやめるよう言いましたが、ゲイらはそれを振り払ってしまいました。
荒馬と女の結末
ロズリンは馬を買い取ると宣言、ゲイたちの行いを激しく非難しました。しかしゲイたちは意にも介さず、捕らえた馬たちを前に稼ぎと分け前の話を始めたため、遂にいたたまれなくなったロズリンはその場から走り去ってしまいました。ロズリンの気持ちに気付いたパースは根負けして捕らえた馬を次々に放しましたが、それに納得がいかないゲイはたった一人で1頭の馬にくらいつき、悪戦苦闘して傷だらけになりながらもその馬を捕まえました。ギドーはよくやったとゲイを褒めましたが、次の瞬間、これで満足したゲイは捕らえたばかりの馬の縄を切り、あっさり解放してしまいました。ゲイはパースに残りの馬を放すよう命じ、呆然としながら一部始終を見ていたロズリンをトラックに拾い上げました。この時、ロズリンは、何かに立ち向かい戦いを挑む時こそ生き甲斐を感じるのが男だということを悟り、ゲイの気持ちを理解しました。ロズリンはゲイならば自分を守ってくれると確信、彼女を乗せたトラックは砂埃を上げながら家路を駆け抜けていきました。
「荒馬と女」感想・レビュー
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馬のロープを切るなら、根元から切ってやってほしかった。
マリリンは この映画では本音で、優しさがみなぎっているように思えた。ナイアガラでは悪女だったけど、世界が彼女に求めた商業的な価値ではなく犬が安心する 優しい彼女の本質が見えた気がしますね。 -
この映画の原作者はマリリン・モンローの3番目の夫である劇作家のアーサー・ミラー。
自分の短編を自ら脚色して映画化されたのが、この映画「荒馬と女」ですね。監督はジョン・ヒューストンで、かなり骨太なイメージの作品です。
特に野生馬を生け捕りにするシーンは、残酷で胸が詰まりましたね。ジャンルとしては、現代西部劇ということになるのでしょうか。
離婚が認められているリノという街にマリリン・モンロー扮するロズリンという女がやって来ます。離婚の手続きをした後、彼女はクラーク・ゲイブル扮するゲイというカウボーイと知り合います。
カウボーイといっても、ひと昔前のガンマンではなく、ゲイの仕事は野生馬を捕獲して業者に売ること。
そして、ゲイはロズリンを誘って、野生馬の捕獲に出かけるのだが——–。ストーリーはなんだか散漫で、キャラにも魅力がなく、野生馬の捕獲のシーンが一つの見どころなんでしょうが、そこが一番嫌いでしたね。
クラーク・ゲイブルもすっかり老け込んで、精彩がないし、マリリン・モンローは夫への義理で出演しているという感じで、これまた、あまり魅力が感じられませんでした。
確かに、いつもの可愛らしさは健在ですし、生き物を愛する優しさが前面に出ていて、好感度はありましたが——–。
私はこのゲイという男には共感できませんでしたね。
どうしてなのかと聞かれても、うまく説明できないのですが。
なんだか生理的に嫌でしたね。馬好きな人は観ない方がいいかも知れません。この映画はモンローにとっても、ゲイブルにとっても、生涯で最後の出演映画でした。
これは本当に偶然だと思うのですが、そう思って観ると、なんだか感慨深いものがありますね。モンローもゲイブルも、一世を風靡した世紀の大スターです。
その二人の遺作が、案外、地味な映画であるというのも、妙なもの悲しさを感じてしまいます。ある意味、この映画は恋愛ドラマなのですが、最後までどうもピンと来ないままで終わってしまいました。
世紀の二大スターの遺作ということで観る価値はあると思いますが、それ以外はイマイチでしたね。
ただ、アメリカ国内では、この映画は結構、評価が高いらしいですね。
やっぱりアメリカ人は、こういうロマンス映画が好きなんですね。
マリリンの晩年の作品であり、この頃のマリリンには垂れ下がるような熟れた肉体という武器がありました。個人的な話をするとマリリンは初恋の女性なので、世界の多くの人に私の初恋の女性の魅力を知ってほしいです。