映画「魔の家」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
魔の家の紹介：1932年アメリカ映画。不気味な館で巻き起こる狂気を描いたホラー＆コメディ。ドライブの途中嵐に見舞われたフィリップは、偶然見つけた古い屋敷に一夜の宿を求める。屋敷に住む初老の男性ホレスに滞在を許可されるが、彼は屋敷内の何かに酷く怯えていた。不審な声を聞いたフィリップが屋敷内を探してみると、ホレスの父親ロドリックを見つける。ロドリックは、屋敷に監禁されているホレスの兄サウルに気を付けろと忠告した。監督を務めるのは、「フランケンシュタイン（1931年）」等数々の名作ホラーで知られるジェームズ・ホエール。
監督：ジェームズ・ホエール 出演者：ボリス・カーロフ（モーガン）、メルヴィン・ダグラス（ロジャー・ペンドレル）、チャールズ・ロートン（サー・ウィリアム・ポーターハウス）、グロリア・スチュアート（マーガレット・ウェバトン）、リリアン・ボンド（グラディス）ほか
この解説記事には映画「魔の家」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
舞台はイギリス、ウェールズ地方の山奥。ドライブを楽しんでいたフィリップ・ウェバトンとその妻マーガレット、そして友人のロジャー・ペンドレルは、凄まじい嵐に見舞われていました。周囲は真っ暗で何も見えず、あちこちで土砂崩れが起きています。
身の危険を感じた３人は、偶然見つけた古い屋敷に一夜の宿を求めることにしました。求めに応じて現れたのは、屋敷に住む初老の男性ホレス・フェムとその姉レベッカ、そして口が利けない巨躯の執事モーガンです。レベッカは３人を追い出そうとしますが、結局ホレスが滞在許可を出しました。
ホレスは家に閉じ込められることに強い恐怖を抱いている様子です。それというのも、モーガンは酒に酔うと非常に凶暴になるらしく、今夜あたりまた暴れるだろうと考えていました。マーガレットは濡れた服を着替えるため、レベッカに部屋を貸してくれないかと頼みます。レベッカはマーガレットを亡き妹レイチェルが療養していた部屋へ案内しました。
レイチェルは非常に美しい女性でしたが、21歳の若さで死亡してしまったそうです。屋敷には更に102歳になる父ロドリックも住んでいると話すレベッカ。彼女が部屋を出て行った後、無性に恐ろしくなったマーガレットは窓を開け放ち、急いで身支度を整えて１階に戻りました。
夕食の席に着いたフィリップ達。するとドアが突然激しく叩かれます。やって来たのは資産家のサー・ウィリアム・ポーターハウスと、その友人でコーラスガールのグラディスでした。２人も嵐のために立ち往生し、一夜の宿を求めて来たのです。
ペンドレルとグラディスはすぐに意気投合し、急速に惹かれ合っていきました。彼らは納屋に移動した車の中で、２人きりの時間を楽しみます。その頃、屋敷は停電に見舞われていました。修理出来るのはモーガンだけですが、彼はホレスの予想通り泥酔していて役に立ちません。
レベッカは最上階の踊り場に置いてあるランプを取って来るようホレスに言いつけますが、彼は色々と言い訳を作ってなかなか行こうとしませんでした。仕方なくフィリップが同行しますが、ホレスは何かに異様に怯えています。途中で甲高い子どものような声が聞こえると、ホレスはついに自室に逃げ込んでしまいました。
フィリップは１人で階段を上り、ランプを入手します。するとすぐ横に、頑強に施錠されたドアがありました。そばには食器も置かれています。一方、１階ではマーガレットが窓を開けっ放しにしたせいで部屋が水浸しだとレベッカが怒っていました。
ポーターハウスが部屋の様子を見に行き、１人になったマーガレットは心細さを覚えます。そこへ泥酔したモーガンが現れました。凶暴化した彼はマーガレットに襲い掛かります。彼女の悲鳴に気付いたフィリップがモーガンにランプを投げつけ、気絶させました。
フィリップはマーガレットを連れ、子どものような声が聞こえる部屋に行ってみました。部屋のベッドに眠っていたのは老人です。マーガレットは、この老人がホレス達の父ロドリックだと気付きました。
ロドリックはこの家は呪われていると語ります。不幸が続いたことで、家族は皆気が狂ってしまったのだと。特に１番上の息子サウルは危険だと忠告しました。サウルは悪魔のような人物で、破壊し殺すことだけを望んでいるそうです。現在は最上階の部屋に監禁されており、モーガンが監視をしているとのことでした。
ロドリックは、モーガンはサウルを逃がしてしまうだろうと言って笑います。過去にも逃げたことのあるサウルは、屋敷に放火しようとしました。火事になっては大変だとフィリップが部屋の外へ出ると、モーガンの姿がありません。どうやらサウルを逃がしに行ったようです。
ウェバトン夫妻は急いで１階へ行き、揃っていたペンドレル達に事情を説明します。放火される前にモーガンとサウルを何とかしなければと話していると、その２人が階段から現れました。フィリップとポーターハウスは、暴れるモーガンを何とか台所に閉じ込めようとします。
ペンドレルはマーガレットとグラディスを避難させ、サウルと対峙しました。サウルは非常に怯えた様子で、自分は正常だが秘密を知ったせいで監禁されていたと説明します。ホレスとレベッカがレイチェルを殺害したのを目撃してしまい、そのせいで閉じ込められているのだと。
ペンドレルはサウルの言葉を信じ、フィリップ達と合流しようとします。するとサウルは突然豹変しペンドレルに襲い掛かりました。２人は揉み合う内に２階から落ちてしまい、サウルはそのまま絶命します。駆けつけたモーガンはサウルを抱き上げ、ゆっくりと階段を上っていきました。ペンドレルは重傷を負いましたが、辛うじて一命を取り留めます。
翌朝。嵐は夜の内に去っていました。上機嫌のホレスがフィリップ達の前に現れます。怪我を負ったペンドレルを見たホレスは、すぐに救急車を呼ぼうと言いました。ウェバトン夫妻は一足先に、悪夢の屋敷から出発します。
グラディスの腕の中で目覚めたペンドレルは、彼女にプロポーズをしました。２人がキスを交わし、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「魔の家」のあらすじと結末でした。
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