アウトローの紹介:1976年アメリカ映画。アメリカ合衆国建国200周年を記念して、クリント・イーストウッドの監督・主演により製作された超大作西部劇です。フォレスト・カーターの小説「The Rebel Outlaw : Josey Wales」を原作とし、南北戦争時代に妻子をならず者に殺され、追われる身となった農夫の復讐の旅を描きます。
監督:クリント・イーストウッド 出演者:クリント・イーストウッド(ジョージー・ウェールズ)、サム・ボトムズ(ジェイミー)、チーフ・ダン・ジョージ(ローン・ウェイティ)、ソンドラ・ロック(ローラ・リー)、ウィル・サンプソン(テン・ベアー)、ビル・マッキーニー(テリル大尉)ほか
映画「アウトロー(1976年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アウトロー(1976年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「アウトロー(1976年)」解説
この解説記事には映画「アウトロー(1976年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アウトローのネタバレあらすじ:起
南北戦争真っ最中のアメリカ・ミズーリ州。北軍の名を騙ったカンザスのならず者集団『レッド・ドッグス』が農夫ジョージー・ウェールズ(クリント・イーストウッド)の一家を襲撃、ウェールズは妻子を殺され、リーダーのテリル大尉(ビル・マッキーニー)に重傷を負わされました。一命を取り留めたウェールズは復讐を誓って農具を拳銃に持ち替え、レッド・ドッグスを探すためにフレッチャー(ジョン・ヴァーノン)率いるゲリラの一団に身を投じましたが、結局レッド・ドッグスを見つけられないまま戦争は終結しました。
傷を負わせて立ち去る。
フレッチャーらは北軍に投降しましたが、ウェールズは従うことなく単独でテリルの後を追うことにしました。しかし、北軍の正規軍はレッド・レッグスと手を組んでおり、ウェールズを追うとともに投降してきた者たちを片っ端から虐殺していきました。駆け付けたウェールズが仲間を救おうとしたものの助かったのはジェイミー(サム・ボトムズ)のみ、フレッチャーが裏切ったと思い込んだウェールズはジェイミーと共に脱出、そのまま逃亡の旅に出ました。
アウトローのネタバレあらすじ:承
命だけは助けられたフレッチャーは渋々テリルと共にウェールズらの捜索隊に加わり、ウェールズはジェイミーを連れて追っ手や賞金稼ぎから逃れ続けました。やがて傷の悪化したジェイミーは命を落とし、ウェールズはたった一人でインディアンの居留地に逃れました。ウェールズはそこでチェロキー族の老人ローン・ウェイティ(チーフ・ダン・ジョージ)やインディアンの少女リトル・ムーンライト(ジェラルディン・キームス)と知り合い、一路テキサスを目指して旅を続けました。
追っ手を振り切りながら何とかテキサス入りしたウェールズ一行は、コマンチ族の居留地でインディアンに武器を密売しているならず者集団コマンチェロスに襲われているローラ・リー(ソンドラ・ロック)とその祖母サラ(ポーラ・トルーマン)を助け出しました。ウェールズは成り行きから、ローラたちの牧場への旅に同行することにしました。途中で立ち寄った牧場に一番近い町サント・リオはすっかり荒廃しきっており、1軒だけある酒場もとうの昔に酒を切らしたままの惨状でした。ウェールズは酒場の主人にウィスキーを振舞い、ローズの案内で目的地の牧場に到着しました。
アウトローのネタバレあらすじ:転
ウェイティはウェールズにこの地で暮らすことを勧めましたが、ウェールズはテリルを倒さない限り平穏が訪れないことを悟っていました。そんな時、コマンチ族の首長テン・ベアーズ(ウィル・サンプソン)が姿を現し、一行はコマンチ族に襲われるのではないかと警戒しました。翌朝早く、ウェールズは危険を承知で単身テン・ベアーズの元に向かい、二人は互いを理解し合って義兄弟となる血の契りを交わしました。その夜、牧場は呑めや歌えやの大盛り上がりとなり、心を通わせ合ったウェールズとローラは結ばれました。しかし、平穏も長くは続かず、ウェールズの居場所を突き止めたテリル一味やフレッチャー、捜索隊がすぐそばまで迫っていました。ウェールズが仲間たちに別れを告げて独り旅立とうとしたその時、牧場はテリルらに包囲されました。
アウトローの結末
ウェールズと仲間たちは一致団結してテリル一味や捜索隊を倒し、ウェールズは傷を負いながらも一人生き残ったテリルの後を追い、町まで追い詰めて殺害、ようやく妻子の仇を取りました。
その頃、町にはウェールズを捜すテキサス・レンジャー2名とフレッチャーがいましたが、町の住民は1カ月前にウェールズがメキシコで殺害されたという供述書にサインしてくれたおかげでウェールズは難を逃れ、テキサス・レンジャーの隊員らは引き揚げていきました。復讐を果たした今、もうウェールズの拳銃が火を噴くことはないであろうと確信したフレッチャーは真実を語らず、“ウェールズ”が生きていることを信じてメキシコに向かうとウェールズに告げ、もし“ウェールズ”にあったなら借りがあるので先に拳銃を抜かせると伝えて立ち去っていきました。ウェールズは「みな戦争の犠牲者だ」と言い、ローラの待つ牧場へと馬を走らせました。
この映画「アウトロー」は、南北戦争中に、北軍のゲリラに妻子を虐殺された農夫が、鍬を捨てて銃を握り、復讐の旅に出るという、クリント・イーストウッド監督・主演の西部劇だ。
西部劇のファンならば、「七人の無頼漢」や「必殺の一弾」といった、忘れ難い映画の記憶が、この映画に刻み込まれていることを、ある種の感動を持って、思い出すのではないかと思う。
復讐を終えた男は、最後は死ぬのだが、それは単にヒーローの死といったことではなく、むしろ、ヒーローの夢よりも、普通の人間の生活を選んだアメリカの男たちの決意、「西部魂」や「シェーン」などにも共通する心のような気がする。
追跡隊のジョン・ヴァーノンが、主人公の死を確認する幕切れに、ジョン・フォード監督の「リバティ・バランスを射った男」の中で、新聞記者が言った、「事実よりも伝説をとって世に伝えます」という有名なセリフを思い出しましたね。