フィラデルフィア・エクスペリメントの紹介:1984年アメリカ映画。1943年、アメリカ海軍が艦影レーダーから消す極秘実験をフィラデルフィアで行う。実験は成功にしたかに見えたが、それは予想外の方向へ進み、地球崩壊の危機に陥る。それを救えるのは、未来にタイムスリップしたデヴィットだけだった。有名な都市伝説であるフィラデルフィア実験をモチーフにしたSF映画。
監督:スチュワート・ラフィル 出演:マイケル・パレ(デヴィッド・ハーデッグ)、ナンシー・アレン(アリソン・ヘイズ)、ボビー・ディ・シッコ(ジム・パーカー)、エリック・クリスマス(ジェームズ・ロングストリート博士)、ルイーズ・ラサム(パメラ)、ほか
映画「フィラデルフィア・エクスペリメント」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「フィラデルフィア・エクスペリメント」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「フィラデルフィア・エクスペリメント」解説
この解説記事には映画「フィラデルフィア・エクスペリメント」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
フィラデルフィア・エクスペリメントのネタバレあらすじ:第1幕
1943年、フィラデルフィアで海軍は極秘実験を行います。その実験は、艦影をレーダーから消す実験でした。実験を監督するロングストリート博士が見守る中、テスラコイルから発生された電磁波は、実験に使用した駆逐艦エルドリッチを包み込み、レーダーから艦影どころか、関係者の目の前で艦そのものを掻き消しました。艦の内部では、水兵達が謎の放電現象等で苦しみ始めます。艦で装置の起動を行ったデヴィットとジミーは異変に気付き、慌てて海に飛び込ますがそこに海は無く、何処までも続くような穴を落ちて行きます。そしてその途中、見知らぬ町とすれ違いました。無事二人は地面に降り立つ事が出来ましたが、そこは真っ暗で何もない場所でした。そこに、轟音を立てて発光する飛行物体が近付いてきたので、二人はその場から逃げ出します。飛行物体は逃げる二人に攻撃を加えます。二人の逃げる先にフェンスが立ちはだかり、ジミーはよじ登ろうとしますが、感電します。しかし、彼は無傷でした。攻撃は再び加えられ、それでフェンスが破壊されたので二人はその向こうへと走り去っていきました。攻撃を繰り返していたヘリは、何故か発せられた放電に当てられ、撃墜されてました。夜が明け、デヴィットとジミーは何処かの砂漠を歩いていました。二人はまだ実験は続いていて、これは心理的圧迫を与えて対応を見る事件だと思っていました。二人は、砂漠に捨てられていたドイツ産ビールの瓶や、自分達の知らない素材で作られたコカコーラ缶に戸惑います。上空を偵察機が旋回し、地上では年老いたロングストリート博士が実験の成果を確認していました。成果は予想外で、助手達は実験場にしていた町が跡形も無い事に驚きます。残されていたのは、通信用らしきポールと古いコイルでした。そして上空には穴が開き、凄い吸引力を発していました。デヴィットとジミーはガソリンスタンドを兼業した食堂に辿り着きます。車に乗っていた男女が仰天するような攻撃的格好をしていたり、食堂の中では動画を映す箱があり、驚きが収まりません。二人は店主からここがネバダ州だと聞き出します。デヴィットは、電話を掛ける為に外に出ます。公衆電話では、女性が長電話を掛けていましたが代わって貰い、フィラデルフィアの海軍基地に電話します。その頃、食堂が突然停電に見舞われます。天候が崩れ始め、それに呼応するようにジミーの体が放電しました。店内を滅茶苦茶にした店主は怒り、銃を持って外に逃げ出すジミーを追い掛けます。デヴィットは店主から銃を奪い、長電話していた女性から車を奪おうとしますが、クラッチのない車が運転できず、女性を拉致して運転させ、逃走します。ジミーの腕はどんどん黒ずんできて彼は物凄い痛みに襲われます。状況が判らなくなったデヴィットは今日の日付を女性に聞きます。彼女は1984年の日付を口にしました。
フィラデルフィア・エクスペリメントのネタバレあらすじ:第2幕
実験基地は、ミサイル防衛用のバリアー実験がありえない結果に大騒ぎになっていました。ロングストリートは実験場に侵入者が居た報告を受け自室に篭ります。彼は先程実験場で見た写真と、過去に行われたエルドリッジの写真を見比べ、アンテナポールが似ている事を思案します。逃走を続けるデヴィットとジミーですが、見知らぬ風景に驚きます。その時電線が放電して車が運転不能になり、路肩に落ちます。そこに警察が駆け付け、二人は逮捕されてしまいました。ジミーは病院に担ぎ込まれ、拉致された女性アリソンは二人の事を聴取されますが、何も答えられませんでした。医師は、ジミーが放射線を浴びたかどうかを聞いてきます。留置場に拘束されたデヴィットを、アリソンが保釈します。彼女は混乱の続く二人に同情していました。病院のジミーは容態が悪化し続けて居ました。デヴィットは医師に、1943年のフィラデルフィアの実験に参加していた事を話します。医師が興味深けに聞く中、看護士が呼びに来ます。病室に向かうとジミーは酷い痙攣に苦しんでいました。そして、一同の目の前で放電し、光に包まれて消えて行きました。デヴィットは恐ろしさのあまりその場から離れます。そこに憲兵がやって来ました。彼は咄嗟に逃げ出します。病院の外に逃げた彼を、アリソンが車で助けました。その間も実験場の嵐はどんどん酷くなり、穴が広がって何もかもを吸い込んでいました。その穴の状況を確認する為、カメラを搭載したミサイルが打ち込まれます。カメラから来た映像に、町と共に駆逐艦が映りました。一同が驚く中、ロングストリートはエルドリッジだという事を確信し、デヴィット達を追跡しているクラーク少佐を呼び出します。
フィラデルフィア・エクスペリメントのネタバレあらすじ:第3幕
ジミーを診察した医師が実験場に呼び出されます。そこでフィラデルフィアで行ったエルドリッジ乗組員の写真が見せられ、医師は二人の姿を確認します。ロングストリートはクラークにデヴィットの資料を渡し、捜索を依頼します。穴はどんどん広がっていました。故郷に向かったデヴィット達は、彼の父親が経営していたガソリンスタンドに立ち寄ります。店は既に他人の手に渡っていました。店に飾ってあった写真を見てアリソンは驚きます。前のオーナーと共にデヴィットが写っていたからです。その写真が1940年代だと聞いて、彼女はデヴィットが過去から来た事を信じざる得ませんでした。そして彼の父がレーサーになり、数年前に亡くなった事を聞かされます。用がなくなった二人はガソリンスタンドを離れます。デビットは、父が夢を叶えた事に喜びながらもその死を悼みました。二人はジミーの牧場を訪ねます。出迎えたのは彼の妻であるパメラでした。パメラとは二人が結婚する以前から交友があり、デヴィットを見た彼女は酷く驚き、顔を曇らせます。彼女はデヴィットの存在を認めたくないようでしたが、彼を家に招き入れます。パメラはジミーの話が本当だったと吐露し、彼が戻ってきている事を告げます。そしてデヴィットは行方不明のままだとも言いました。外にジミーの姿を見つけたデヴィットは、彼に会いに行こうとします。ですがパメラは、彼は変わったと忠告します。デヴィットはジミーに話しかけますが、彼は無視しデヴィットを追い出しました。家に入り、酒を煽るジミーにパメラは話し合わなくて良いかと聞きます。彼は戻ってからの辛い日々を思い出したようで、後は神に祈るしかないと漏らしました。牧場を出るデヴィット達に、軍の追っ手がやってきました。二人は車で逃げ回ります。その内、追っ手の車が運転を誤り、横転して炎上してしまいました。生存者が居ないか近付くデヴィットはその車から資料を見つけ、実験の責任者がロングストリートとだと判り、実験場に戻る決断をします。
フィラデルフィア・エクスペリメントの結末
嵐はどんどん酷くなり、実験場周辺は軍が封鎖していて居ました。デヴィット達はその封鎖を突破して実験場に向かいます。そして何とか研究所に潜り込み、ロングストリートとの面会を果たしました。ロングストリートは穴の中の映像を見せて、フィラデルフィアと今回の実験が時空を超えて繋がりワームホールを形成している現状を説明し、動力源になっている駆逐艦の装置を破壊して欲しいと頼んできます。デヴィットは断りますが、ロングストリートは、過去の報告書でデヴィットが装置を止めたという事実を話します。それを聞いたデヴィットは、アリソンが引き止めるのも構わず引き受けます。通電を防ぐ防護服を着込み、見送るアリソンと別れを惜しみ、作業車に乗り込みます。運転するクラークは、現代の印象を聞いてきます。デヴィットはテレビが凄かったと感想を返し、クラークはすぐ飽きると笑みを浮かべました。クラークは、中心近くまで作業車を進ませてデヴィットを打ち上げます。彼は穴の中に吸い込まれ、駆逐艦に無事戻りました。火災が発生し、警報が鳴り響く艦内で、彼は防火用の斧を取り、装置を破壊しました。装置が止まり異変が徐々に納まる中、近くで気絶していたジミーが目を覚まします。彼はデヴィットに行くのかと聞きます。デヴィットはまた会えると約束し、駆逐艦から飛び降りました。駆逐艦がフィラデリフィアに戻ります。観測してたロングストリート達に状況が報告されますが、黒焦げの死体、甲板に埋め込まれた水兵など、目の当てられない惨状になっていました。1984年の実験場では嵐が収まり、町が砂漠に戻ってきました。アリソンは一人ジープに乗り、町に向かいます。彼女は静寂の中、デヴィットを捜します。そして煙の向こうに彼を見つけ、力強く彼を抱きしめました。
いわゆるタイムスリップもののSF映画です。主人公が現代の車に乗り込み「クラッチはどこだ?」と叫ぶシーンは笑えます。この映画の公開当時、まだ日本はクラッチ車も多かったのですが、アメリカはほぼオートマ車でした。
主演のマイケル・パレは「ストリート・オブ・ファイヤー」のすぐ後の出演作で、これ以降は名前を聞きませんが、その二作がとても格好いい。SFとしても、時代をこえたラブロマンスとしても楽しめます。