ザ・プラマー/恐怖の訪問者の紹介:1980年オーストラリア映画。得体の知れない配管工に追い詰められていく女性の恐怖を描いたサスペンス作品。家事の傍ら研究を続けているジリーの家に、ある日配管工マックスが訪ねてきた。パイプの点検だと言う彼を、特に疑問に思わず家に入れたジリー。しかし日が経つにつれ、マックスは仕事をするどころか浴室をめちゃくちゃに破壊していった。ジリーは激しく苛立つが、周囲の理解を得られず孤独感が増していく。やがて精神的に追い詰められた彼女は、思いもよらない手段に打って出るのだった。監督を務めるのは「刑事ジョン・ブック/目撃者(1985年)」「いまを生きる(1989年)」等で知られるピーター・ウィアー。
監督:ピーター・ウィアー 出演者:ジュディ・モリス(ジル・カウパー)、アイヴァー・カンツ(マックス)、ロバート・コールビー(ブライアン・カウパー)、キャンディ・レイモンド(メグ)、アンリ・ゼプス(デヴィッド・メダヴォイ)ほか
映画「ザ・プラマー/恐怖の訪問者」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ザ・プラマー/恐怖の訪問者」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ザ・プラマー/恐怖の訪問者の予告編 動画
映画「ザ・プラマー/恐怖の訪問者」解説
この解説記事には映画「ザ・プラマー/恐怖の訪問者」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ザ・プラマー/恐怖の訪問者のネタバレあらすじ:悪夢の始まり
舞台はオーストラリア。大学教授の夫ブライアン・カウパーと暮らすジル(愛称ジリー)は、主婦として家事を担いながら民俗学の研究も続けています。家は9階建ての大学職員用集合住宅で、ジリー達はその最上階に住んでいました。
ある日、ブライアンの出勤後にマックスと名乗る配管工が訪ねて来ます。彼は管理課から頼まれて、各戸のパイプの点検に回っていました。30分ほどで終わると言われ、特に疑問に思わず家に上げたジリー。しかし元々神経質なところがあるジリーは、自宅に見知らぬ男がいる状況に落ち着きません。浴室を一通り調べたマックスは、パイプを替えなければならないと報告しました。時間を要するため、明日も来ると言うマックス。
ジリーは陰鬱な気分になり、夜になって帰宅したブライアンに弱音を吐きました。しかしブライアンは、自分の研究がWHOのチームに認められそうだと有頂天になっており、あまり真剣に話を聞いてくれません。研究を認められればスイスに留学出来ると語るブライアンに、家から出たくないジリーは更に憂鬱になりました。
ザ・プラマー/恐怖の訪問者のネタバレあらすじ:マックスの意味不明な行動
翌日、マックスは大荷物を持ってカウパー家へやって来ました。ジリーが面食らっているのも構わず、荷物を浴室に運び込みます。その割に仕事はほとんどせず、ジリーに馴れ馴れしく話しかけてきました。昼食にサンドウィッチを要求した彼は、本当はフォーク歌手になりたいのだと聞いてもいないことを語り出します。更にレイプで服役したこともあると言い出しました。ジリーが顔色を変えると、マックスは冗談だと笑います。生まれも育ちも違うマックスはジリーにとって理解の及ばない生き物であり、苛立ちと不信感はどんどん膨れ上がっていきました。
その時、外出の約束をしていたジリーの友人メグがやって来ます。外に出てもジリーの心は晴れず、その上着替えをマックスに覗かれたと感じて動揺しました。助けを求めてブライアンの研究室に電話しますが、WHOのチームと議論の最中だったため「知ったことか」と切られてしまいます。日を追うごとに浴室は酷い状態になっていきました。壁と床のタイルは壊され、勝手に組まれた足場のせいで入室することすら困難です。ジリーの苛立ちは爆発寸前でしたが、ブライアンは留学のことばかりで真面目に取り合ってくれません。しかも明日の夜、ジリーのカレーでWHOの博士を接待すると言い出しました。
ザ・プラマー/恐怖の訪問者のネタバレあらすじ:エスカレートする奇行
翌日。ジリーが苛々しながら仕事をしていると、頭上から音が聞こえてきました。まるで屋根を歩いているかのような音と一緒に移動してみると、マックスが突然天井を破って浴室に現れます。あまりの出来事に言葉も無いジリー。マックスはギターまで持ち込み、相変わらず破壊と無駄なおしゃべりを繰り返してジリーの神経を逆なでします。マックスと2人きりでいるのが耐えられないジリーは、メグをランチに呼びました。
しかしいつの間にかマックスはメグと親しくなっており、談笑する2人を見てジリーは追い詰められていきます。気まずい空気を感じたメグが早々に帰ってしまうと、マックスはジリーのために歌を作ったと言ってギターを弾き始めました。ジリーは信じられないものを見るような目で凝視し、部屋を出てエレベーターに飛び乗ります。ついに階下の管理課へ苦情を入れた彼女でしたが、向こうは笑い飛ばして気にもしていない様子。どうやらマックスは、ジリー以外の人間からはそれなりに気に入られているようです。
行き場のない苛立ちと恐怖、共感を得られない孤独感。ジリーがそれらに心を蝕まれていると、マックスが追いかけてきました。ジリーが急いでエレベーターに乗ると、マックスは扉をこじ開けて無理やり押し入ってきます。自分は仕事をしているだけだと喚き散らすマックスに、ジリーは無言で敵意の目を向けました。
ザ・プラマー/恐怖の訪問者のネタバレあらすじ:爆発した怒り
その夜、ブライアンが接待相手の博士を3人連れて帰宅します。しかし荒れ放題の浴室に入った博士の1人が怪我をしてしまい、カレーも美味しいとは言えない出来で、接待は失敗してしまいました。
翌日。ジリーのストレスは限界に達していました。現れたマックスに出て行くよう言い、前科者だとバラしてやると泣き叫びます。怒りに震えるマックスは怒鳴り散らしながら仕事を終え、家を出ていきました。
その夜、ジリーは久しぶりのシャワーを堪能。帰宅したブライアンは留学が決まったと大喜びで、ジリーも久しぶりに心が休まりました。しかしブライアンから今朝マックスと雑談したと言われ、表情が固まります。風変わりだが良い奴だと笑うブライアンに、ジリーは引きつった笑いを浮かべました。
ザ・プラマー/恐怖の訪問者の結末:ジリーの復讐
更に翌日、浴室の至るところから水がふき出し水浸しになります。まるで待ち構えていたようなタイミングでマックスが現れ、ジリーの心は静かに冷えていきました。今度は10日ほどかかると言い、ニヤニヤと笑うマックス。ジリーは無言で外出の準備を始め、駐車場でメグの到着を待ちました。するとジリーの目にマックスの車が飛び込んできます。ジリーはバッグを開け、ブライアンからプレゼントされた高級腕時計を車中に隠しました。そしてブライアンに腕時計がなくなったと言い、マックスに疑惑が向くよう仕向けます。
翌日、駐車場に現れたマックスは警察官に囲まれました。驚くマックスをよそに、車中からはジリーの時計が発見されます。事態を理解したマックスは激しい怒りに騒ぎ始めました。バルコニーに立つジリーを見つけたマックスは、「俺をはめやがったな!」と絶叫します。ジリーがそれを氷のような目で見下ろし、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「ザ・プラマー/恐怖の訪問者」のあらすじと結末でした。
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