50歳の恋愛白書の紹介:2009年アメリカ映画。「セールスマンの死」などで有名な、アメリカを代表する劇作家アーサー・ミラー。彼の娘レベッカ・ミラーが、自作の小説を脚本化。自ら監督もこなした大人の人生ドラマ。破天荒な青春時代を送ってきた女性ピッパ。現在50才の彼女が、夫との生活や娘との確執、そして15才も年下の男性との出会いを通して人生を再生しようとする物語。
監督:レベッカ・ミラー 出演者:ロビン・ライト(ピッパ・リー)、アラン・アーキン(ハーブ・リー)、ブレイク・ライリー(ピッパ/娘時代)、キアヌ・リーヴス(クリス・ナドー)、ジュリアン・ムーア(カット)、マリア・ベロ(スーキー・サーキシアン)、ウィノナ・ライダー(サンドラ・ダラス)、モニカ・ベルッチ(ジジ・リー)ほか
映画「50歳の恋愛白書」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「50歳の恋愛白書」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
50歳の恋愛白書の予告編 動画
映画「50歳の恋愛白書」解説
この解説記事には映画「50歳の恋愛白書」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
50歳の恋愛白書のネタバレあらすじ:起
50才のピッパ・リー(ロビン・ライト)が、夫で出版業界の大物、ハーブ(アラン・アーキン)と共にマンハッタンからコネチカットに引っ越して来ました。新しい家のご近所は引退した高齢者が殆どで、ピッパより30才も年上で静かな生活を望むハーブには理想の場所。しかしピッパはその逆で、言葉では言い表せない虚しさを感じています。彼女の人生は波乱万丈でした。母親のスーキー(マリア・ベロ)は情緒不安定から薬物依存症になり、それが許せないピッパは十代で家を飛び出します。住む場所のない彼女に叔母のトリシュが手を差し伸べますが、トリシュのレズビアンの恋人カット(ジュリアン・ムーア)が誘惑の手を伸ばし、ピッパは堕落的な生活にのめりこんでいきます。2人の関係に気づいたトリシュに家から追い出され、心の拠り所をなくしたピッパを守ってくれたのが年上で金持ちのハーブでした。その後2人は結婚、双子の子供にも恵まれ豊かな生活を営んできたのです。
50歳の恋愛白書のネタバレあらすじ:承
コネチカットで暮し始めてから、ピッパの精神は少しずつ病んでいきます。真夜中、自分でも知らぬ間にベッドから抜け出し、台所でケーキをむさぼり食べているようなのです。恐怖を感じたピッパはハーブに泣きつきます。2人の子供達はそんなピッパの苦しみを知りません。弁護士をしている息子のベンとは良好な関係ですが、報道カメラマンの娘グレースは昔からピッパに反抗的です。ある日ピッパは、隣人の息子で35才のクリス(キアヌ・リーブス)と知り合います。結婚に破れて親元に戻って来たクリスは、ぶっきらぼうな変わり者。ドラッグストアに煙草を買いに寄ったピッパは、レジで働くクリスと言葉を交わすようになります。ある時、ピッパを姉のように慕う作家のサンドラが、夫に離婚されそうと相談をもちかけてきました。ピッパは「愛が全てだと思うのは間違いよ」と冷静に忠告します。ある日、クリスにドライブに誘われたピッパ。クリスの前ではなぜか素直になれ、夢遊病のことや子供達への思いなど正直に打ち明けることができます。
50歳の恋愛白書のネタバレあらすじ:転
そんなピッパの心情をハーブは全く理解せず、不安なら抗うつ剤を飲めと言うだけです。ピッパは昔を思い出します。ハーブとの結婚を決意した頃、彼にはジジ(モニカ・ベルッチ)という美しい妻がいました。ハーブは妻と別れるつもりでピッパを彼女に紹介。ジジは拳銃を取り出し、驚いたハーブともめた挙句に銃を口に咥えて絶命します。ピッパの心を苦しめ続けていたのは、実はジジの存在だったのです。気持ちが不安定なピッパは、趣味の陶芸教室で暴言を吐いて追い出されます。そのままハーブのオフィスへ行くと、なんと夫がサンドラと浮気中。ハーブは、全財産をピッパに渡す代わりにサンドラと結婚すると言います。大泣きのサンドラは動揺のあまり浴室でリストカットを試み、ピッパは彼女の応急手当をしながら、なぜか自分の心が軽くなっていくのを感じます。あっさり離婚に同意した妻に、今度はハーブがショックを受けます。彼は突然意識を失って倒れ、そのまま病院へ担ぎ込まれます。
50歳の恋愛白書の結末
意識が戻らぬまま、ハーブに脳死の判定が下されます。父親が不倫していたと知ったベンとグレースは衝撃を受けますが、母親があまりにも冷静なのでびっくりします。ベンは病室の父親に付き添い、家に帰ったピッパとグレースは、2人きりで語り合い親子の絆を取り戻します。真夜中、心配したクリスが訪ねてきました。ピッパは彼の車に乗ります。夫は脳死よと告げるピッパにクリスはキスをします。クリスの車で病院に着いたピッパは、ハーブの顔を見つめてこのまま逝かせてあげるべきだと考えます。ベンとグレースも見守る中、ハーブの生命維持装置が外されました。ピッパは夫に、これからもずっと愛していると話しかけます。その後、ブルックリンに住むベンの近所に引っ越そうと一度は考えるピッパですが、出した決断は違っていました。彼女は子供達に家の処分と告別式の手配を託し、しばらくクリスと旅に出ると宣言するのです。ベンは呆気にとられますが、母親の人生を応援するグレースは笑顔で賛成します。子供達とハグしてピッパは旅立ちます。運転席にはクリスがいて、彼女の物語はこれから始まるところです。
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