激流の紹介:1994年アメリカ映画。川下りを趣味とする離反しかけた一家が逃亡中の凶悪犯と遭遇してしまい、人質に取られて非常に危険な急流下りを強いられるサスペンス・アドベンチャー作品です。ほぼ全編は実際の川で撮影されており、ダイナミックな自然描写と迫力ある激流の描写が見どころです。
監督:カーティス・ハンソン 出演者:メリル・ストリープ(ゲイル・ハートマン)、ケヴィン・ベーコン(ウェイド)、デイヴィッド・ストラザーン(トム・ハートマン)、ジョゼフ・マゼロ(ローク・ハートマン)、ジョン・C・ライリー(テリー)ほか
映画「激流」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「激流」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「激流」解説
この解説記事には映画「激流」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
激流のネタバレあらすじ:起
ボストンに住むゲイル・ハートマン(メリル・ストリープ)は、息子のローク(ジョセフ・マゼロ)の誕生日祝いにと故郷アイダホで休暇を過ごすことにしました。しかし、建築家の夫トム(デイヴィッド・ストラザーン)は仕事を優先してゲイルには同行せず、家庭を顧みない夫に嫌気が差していたゲイルは離婚を考えていました。出発当日、出迎えた両親(エリザベス・ホフマン、ヴィクター・ギャロウェイ)に幼い娘ウィラ(ステファニー・ソーヤー)を預けたゲイルは、ロークに川下りを体験させてあげようと、ロークや愛犬マギーと共にサルモン川に向かいます。そこへトムも嫌味を言いつつも合流、ロークは父に反発心を抱きます。そんな中、ゲイルらは好青年のウェイド(ケヴィン・ベーコン)と知り合います。
激流のネタバレあらすじ:承
かつて急流下りのガイドをしていたことのあるゲイルの先導により、一行はブライダル・クリークへの川下りに出発しました。ウェイドもまた川を下り始め、ロークとウェイドはすっかり打ち解けます。翌日、ゲイル一行は途中の岸でウェイドとその友人テリー(ジョン・C・ライリー)がガイドに逃げられて困っていると助けを求めてきたので、ゲイルは案内を引き受けることにします。しかし、トムはウェイドに何かしら不快感を抱いており、やがてゲイルもウェイドの不自然な動きに不信感を抱くようになります。そしてゲイルらの不安は的中してしまい、ウェイドは遂にその凶暴な正体を現しました。ウェイドとテリーは牛の競売場から売上金を強奪して逃走中の凶悪犯であり、ガイドもウェイドらに殺されていたのです。
激流のネタバレあらすじ:転
ウェイドは拳銃でゲイル一行を脅し、ブライダル・クリークの先までボートに乗せて行くよう強要してきました。愛犬マギーは恐れをなして逃げ出しました。途中の岸で一行は監視員のジョニー(ベンジャミン・ブラット)に会い、トムは危機を知らせようとしましたがテリーによって阻止されました。やがてボートは“ガントレット”と呼ばれる非常に危険な激流地帯に差し掛かりました。ここはかつてゲイルが18歳の時に辛うじてクリアすることができた難所であり、あまりの危険さに現在ではボートで行くことは禁止されていましたが、ウェイドは突破するよう強要しゲイルは夫と息子のためやむなく承諾せざるを得ませんでした。
激流の結末
途中、トムはウェイド一味から銃を奪おうとするも失敗、ウェイドに銃撃されて川に転落してしまいます。辛うじて生き延びたトムはマギーと再会を果たし、陸路でボートを追跡します。先回りしたトムは狼煙を上げてゲイルとロークに合図を送ります。一方、ガントレットに接近したゲイルたちのボートにジョニーが再び近づき、引き返すよう説得しましたが、ウェイドに撃たれて川に落とされてしまいました。一行は落差2km、幅90mの大激流に突進、奇跡的に通過することに成功しました。そこへ待ち伏せしていたトムは罠を仕掛けており、ボートが転覆した隙にゲイルはオールでテリーを殴り、ウェイドを射殺して激流に放り込みました。テリーは降参し、一家は改めて絆の深さを実感していました。
「激流」感想・レビュー
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この映画「激流」は、ほぼ全編が本物の川でロケーション撮影されたということだ。
本当にどうやって撮影したんだろうと思ってしまうような迫力あるシーンの連続。荒々しい水しぶき。全てを飲み込むかのように襲いかかる激流。
ダイナミックな自然描写に目を瞠るばかり。激流を下るシーンの迫力とメリル・ストリープの頑張りに度肝を抜かれてしまいます。
メリル・ストリープ扮するゲイルは、元急流の川下りのガイドをしていた、川下りの名人という設定ですが、それにしても逞しい。
仕事一筋の夫との仲は冷え切っていて、息子のロークは父のことをよく思っていない。
ロークの誕生祝いに川下りにやってきたものの、夫との関係は修復しがたく———。
そんな伏線を後半上手く生かしているのも実にいいんですね頼るべき存在であるはずの夫は頼りにならず、幼い息子と2人で本性を現した、ケヴィン・ベーコンらの悪漢に立ち向かうゲイル。
とにかくメリル・ストリープが、往年の透明感溢れる美しさはどこへやら、太い腕を剥き出しにして、「エイリアン」のリプリーに引けを取らない活躍で頑張る、頑張る。
恐れ入りますの一言。不敵な面構えのウェイドを、主役を食ってしまう程の存在感を身に付けたケヴィン・ベーコンが、これまた憎らしいくらい、うまく演じている。
息子役の少年も可愛いし、巧い。
「ジュラシック・パーク」でティムを演じた子。
夫であるトムが、少し影が薄いのが残念な気がします。演じるデヴィッド・ストラザーンは、オールマイティな役者で、作品ごとにガラッとイメージが変わる役柄の幅が広い俳優。
もう少し活躍の場があっても良かったのではないかと思いますね。激流下りという本筋に、アメリカ映画お決まりの夫婦の崩壊というテーマも描かれているわけですが、本筋にうまく練りこまれていて、サスペンス要素を盛り上げていて実に素晴らしい。
惜しむらくは、心理的なやり取りがもう少し描かれていれば、夫の存在も生きてきて、より一層、この映画に深みが増したのではないかと思いますね。
途中で出合ったガイドの青年が撃たれて川の中へ。
どうなつたのかしら?
下流で助けられればいいのですか!そんなオチの場面が欲しかった!
スターは助かるのは当然だけど