尚衣院-サンイウォン-の紹介:2014年韓国映画。尚衣院(サンイウォン)とは李氏朝鮮(1392年から1910年)において王室の衣服の提供や王室の財貨などを管理する官衙であり、伝統を重んじる生粋の職人ドルソクと斬新なデザインで王宮の衣を作っていくゴンジンの仕立師としての人生と王から寵愛を受けられず王妃の座を危ぶまれる美しい王妃、その王妃に心引かれるゴンジンの半生を描いた愛と感動の作品です。
監督:イ・ウォンソク 出演:ハン・ソッキュ(チョ・ドルソク)、コ・ス(イ・ゴンジン)、パク・シネ(王妃)、ユ・ヨンソク(王)、ほか
映画「尚衣院 サンイウォン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「尚衣院 サンイウォン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
尚衣院-サンイウォン-の予告編 動画
映画「尚衣院 サンイウォン」解説
この解説記事には映画「尚衣院 サンイウォン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
尚衣院-サンイウォン-のネタバレあらすじ:起
王の命により宮殿の尚衣院に入った生粋の職人ドルソクは御針匠(オチムジャン)になり、王命により間もなく両班(ヤンバン)になります。
職人ゴンジンは主に妓生(キーセン)の服を作っている仕立師ですが、ゴンジンの作る服はその着やすさと実用性に優れ、両班たちの間で流行になります。そんな時、王妃が冕服(ミョンボク)の補修を依頼し、女官に綻びを直させていた服が女官のミスで燃えてしまい、その時に両班がゴンジンを思い出し、ゴンジンが王妃様に呼び出されます。
ドルソクに気安く話しかけるゴンジンに対しドルソクは、冕服がどういう時に着る服かも知らないだろうし1日では無理だ、と言うとゴンジンは、冕服について事細かに語り始めます。
補正の終った冕服に袖を通した王は「余の身体に馴染んでおる」「着ごこちが良い」とその服を褒めます。そして「狩猟服も任せよ」とドルソクに言います。
尚衣院-サンイウォン-のネタバレあらすじ:承
後日、王妃様からお礼がしたいと呼び出されたゴンジンは、身分もわきまえず王妃に質問を繰り返すゴンジンに、王妃は思わず笑みを浮かべます。王妃様から鳳凰のかんざしをもらったゴンジンは嬉しそうに懐にしまいます。ドルソクが王様の型紙を説明中に、その型紙の上に自分のデザイン画を投げ入れ、これで作るとゴンジンは言います。
王は猟に出た際、兵曹判書(ピョンジョパンソ)の息女に出会い、王宮へ呼びます。その息女が王妃になるかもと噂が飛び交う中、息女の採寸に行ったはドルソクに「王妃の時にも劣らぬ盛大な婚儀になる」と言います。王妃に呼び出されたゴンジンは王の衣を頼まれますが、ゴンジンは王妃がご自分で王の下着を作られ、王の前で着られる衣を作らせてほしいと頼みます。王は狩猟服を気に入り「あの者に他の衣も任せてはどうだ」とドルソクに言い、王妃も又今までになかったデザインを非常に気に入ります。
ゴンジンの元へ怒鳴り込みに行ったドルソクでしたが、目の前にはゴンジンが仕立てた王妃の衣があり、ゴンジンは衣を指差し「何か寂しくはありませんか」と言うとドルソクに刺繍を頼みます。刺繍が終わり、衣を見上げるドルソクの顔には笑みがありました。
尚衣院-サンイウォン-のネタバレあらすじ:転
ゴンジンは王の寵愛を受けられず沈んでいる王妃を王宮内の川に船を出します。若くて美しい王妃が何故ご寵愛を受けられないのか不思議に思ったゴンジンは噂を聞きます。亡くなった王の兄であった前王は、当時后候補の中にいた王妃に弟が心を寄せていたのを知り、当時の王子だった王に恵んでやったような形で結ばれた為に、ご寵愛を受けずにいるというのでした。そして兵曹判書の息女が側室の昭儀(ソイ)になった今、王妃の座を奪われようとしていると言うのです。
王は臣下から、清の国が王様に会いに来る時に宴の席で王妃の席に昭儀を座らせる様に言われ、渋々承諾します。その話を聞いたゴンジンは王妃に会いに行き「誰も見たことの無い衣を作ります」「この世の誰よりも輝かせて見せます」宴に出てほしいと言います。そして宴に向けてドルソクは昭儀の衣を、ゴンジンは王妃の衣を作ります。
ドルソクはゴンジンの下絵を見て昭儀の衣を作り上げ、ゴンジンは威厳に満ちた現代のウエディングドレスを思わせるような煌びやかな衣を作り上げます。
尚衣院-サンイウォン-の結末
その夜、宮中を去る覚悟をしたゴンジンは、王妃に最後の挨拶に行くと、そこへ王がやってきます。ゴンジンとの事を誤解して王様は引き返し、昭儀の部屋に行くとそこで昭儀からゴンジンと王妃のあらぬ噂話を吹き込まれます。王はゴンジンを捕らえ、王の衣から毒針が出たと嘘をつき、陥れようとします。そして刃は王妃に向かい、王は「あ奴と組んだのか」と王妃に尋ねます。するとゴンジンは一人でやったと言い、王妃を守る為に嘘をつきます。王はゴンジンに打首を命じます。
牢に入ったゴンジンに会いに行ったドルソクは「お前のうぬぼれが、うぬぼれで作った衣が我々を引き裂いたのだ」「必死で気づいた私のすべてをお前は崩そうとした」そして重ねた手を振り払います。
黒衣をまとった王妃の涙で濡れる手ぬぐいは、あの日、川に船を出した日、ゴンジンが王妃に差し出した物でありました。
以上、映画「尚衣院 サンイウォン」のあらすじと結末でした。
「尚衣院 サンイウォン」感想・レビュー
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サンイウォンに仕官する命令を待っていたのではないかと思います。
両班であるかどうかは関係ありません。サンイウォンに仕官する人間は毎年選び直します。
主人公はずっと選ばれていただけです。
感想ではなくて、質問になってしまいますが。
映画の終盤で、正装したドンソクが自宅の前庭に正座して王宮からの使いを待っているシーンがありました。「もう家にお入りください。今年も来ないようですから。」という従者の言葉から、彼が何年も王様の使いを待ち続けていることがわかります。纏っている空色の絹の服は、ゴンジンが生前に、両班になった時のお祝いとして密かに仕立てておいてくれたもの。この時点でドンソクは既に両班に叙せられていたはずなのに、何を待っていたのか。気になります。
このシーンのドンソクには、そこはかとなく零落の匂いが漂っているようです。
教えていただけると、幸いです。