ザ・ロイヤル・テネンバウムズの紹介:2001年アメリカ映画。ウェス・アンダーソンの作品で初めて日本で公開された作品です。テネンバウム家の3人の子供達は若くして成功するが大人になりそれぞれ問題を抱えます。更に家族を裏切った自由奔放な父親が家族の絆を取り戻そうと奔走。家族の崩壊と再生をシニカルに描いた作品です。
監督:ウェス・アンダーソン 出演:ジーン・ハックマン(ロイヤルテ・ネンバウム)、アンジェリカ・ヒューストン(エセル・テネンバウム)、ベン・スティラー(チャス・テネンバウム)、グウィネス・パルトロー(マーゴ・テネンバウム)、ルーク・ウィルソン(リッチー・テネンバウム)、オーウェン・ウィルソン(イーライ・キャッシュ)、ほか
映画「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」解説
この解説記事には映画「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ザロイヤルテネンバウムズのネタバレあらすじ:起
法律学者のロイヤル・テネンバウムと妻エセル・テネンバウムは3人の子供に恵まれるが、ロイヤルの長年にわたる裏切りで2人は別居し、3人の子供はエセルが引き取り育てることになります。3人の子供はそれぞれ素晴らしい才能を持ち、長男のチャスは10代でビジネスに精通し不動産売買や国際金融に才能を発揮しますが、父であるロイヤルとはある出来事がきっかけとなり確執が出来てしまいます。長女のマーゴは2歳でテネンバウム家の養女となります。彼女は芸術に長け12歳で劇作家デビューを果たします。そして彼女も父、ロイヤルに自作の劇を批判されたこともありロイヤルのことを遠ざけます。次男のリッチーはテニスのジュニア選手権で3連覇を果たし、プロへの道へと進んでいきます。リッチーは週末になるとロイヤルと出かけ、兄妹の中で唯一父親と仲が良い存在でした。月日は流れ22年後。3人の兄妹は大人になりそれぞれの生活を送っていましたが3人ともそれぞれ問題を抱えていました。長男のチャスは飛行機事故で妻を失ったことから極度の心配性となり、自分の2人の息子、アリとウージを巻き込んで火災訓練をする始末。気持ちの不安定さから彼はエセルのいる実家へと戻ります。そんなチャスの姿を見てエセルは長女マーゴのもとを訪ねます。彼女もまた秘密の多い人生を過ごし精神学者のラレイと結婚するも1日の大半をバスタブで過ごすという生活を送っていました。エセルの訪問をきっかけにマーゴも実家へと戻ることを決めます。一方次男のリッチーはテニスプレーヤーとして活躍していましたが、姉であるマーゴを愛してしまい彼女が旦那と見に来た試合で散々なゲームをしてしまい、1人放浪の船旅へと出ます。リッチーは旅の途中で幼馴染のイーライにマーゴへの気持ちを告白した手紙を送ります。
ザロイヤルテネンバウムズのネタバレあらすじ:承
そんな中仕事の資格を剥奪され家族とも絶縁状態にあったロイヤルは長年ホテル暮らしをしていましたが、ついに破産してしまいます。そして追い打ちをかけるようにテネンバウム家の使用人であるパゴダからエセルが会計士のヘンリーにプロポーズされたことを知らされます。この報告に腹を立てたロイヤルは自分の命はもう長くないと偽りエセルに近づきテネンバウム家へと舞い戻ります。ロイヤルの6週間の余命宣告にエセルは悲しみ、リッチーも急いで船旅からロイヤル家へと戻り、久しぶりに家族が全員集まります。そしてロイヤルは子供達を集め、失った時間を取り戻したいと告げますが受け入れてもらえません。特にチャスはロイヤルのことを邪険に扱います。そこでロイヤルはチャスの子供達に取り入ろうとしますがチャスにばれて子供に近づくなと言われてしまいます。ロイヤルはチャスに子供を縛り付けていることや精神的に不安定なことを指摘しますがチャスは聞く耳を持ちません。ロイヤルがなかなかチャスとの距離を縮められずにいる一方ヘンリーはロイヤルの病気を疑いはじめます。そして遂に彼の病気が仮病であることを暴き、ロイヤルは再び家を追い出されてしまいます。しかしこの家族と一緒に過ごした数日間が最高なものだったことにロイヤルは気づき、自身の生活を改めようと考えます。
ザロイヤルテネンバウムズのネタバレあらすじ:転
一方ラレイはマーゴの浮気を疑い探偵を雇います。ラレイと一緒に調査結果を見たリッチーはイーライとの関係をはじめ多くの秘密にショックを受け自殺を決意します。ラレイの患者ダドリーの発見のおかげでリッチーはなんとか一命を取り留めます。この事件を機にリッチーはマーゴに自分の想いを伝えマーゴも同じ気持ちであることを伝えられますが、マーゴからこの関係は2人の内に秘めたほうが良いと言われます。マーゴとのことを悩んだリッチーはロイヤルに彼女への気持ちを打ち明け相談します。またイーライが薬物問題にはまっていることを相談し、リッチーはロイヤルとイーライの家に向かうことにします。そしてイーライにマーゴとの関係にショックを受けたこと、なによりも薬物から立ち直ってほしいことを伝えイーライもリッチーの言葉に応じましたが結局逃げられてしまいます。リッチーの悩みに何も出来なかったロイヤルはマーゴと話をすることにします。しかしここでもマーゴの心を開くことが出来ません。更にはチャスの息子達に一緒に出かけようと誘いますがチャスに拒絶されます。なかなか子供達との距離が縮まらないロイヤルはエセルとの離婚を決意します。そして犬猿の仲だったヘンリーとの結婚を祝福します。
ザロイヤルテネンバウムズの結末
そして結婚式当日。エセルの自宅で開かれる式には3人の兄妹をはじめロイヤルの姿も。幸せな雰囲気に包まれるテネンバウム家。しかしそこにイーライが車に乗ってテネンバウム家へと突っ込んで来ます。外にいたアリとウージはロイヤルのおかげで無事助かりますが外壁は崩壊しアリとウージの犬は車の下敷きになってしまいます。これを見たチャスは激怒し、逃げるイーライを暴れながら追いかけます。そしてイーライを追い込むと我に返り自分の精神状態の悪さを自覚し治したいと思います。またイーライも薬物からの脱却を心から願います。ロイヤルは駆けつけた消防隊の犬を譲ってもらいチャスにプレゼントします。そして今までのことを償いたかったと話し2人は和解します。めちゃくちゃになった結婚式でしたが後日エセルとヘンリーは無事式を挙げます。そしてマーゴは劇作家として復活し、リッチーは子供達のテニスの先生になり、チャスはロイヤルのような力を抜いた生き方を覚えます。そしてロイヤルは子供達と和解し一緒に過ごす日々を経て紆余曲折あった生涯に幕を下ろすのでした。
以上、映画ザ・ロイヤル・テネンバウムのあらすじと結末でした。
出だしのなんとも言えない音楽が観る者の心を掴みます。何度でもエンドレスで聞きたくなる、癖になるメロディ。そして、ウェス・アンダーソン独特の癖者揃いのキャラクター達。ファッションもダサカワの走りでしょうか?前売り券にはマーゴのお花ヘアピンがついていて、それ目当てで買い、大切に使っていた覚えがあります。見た目のポップさとは違い、家族の葛藤と絆が描かれていて、家族のことで悩んでいる人は心にぐっとくるものがあると思います。