大いなる男たちの紹介:1969年アメリカ映画。南北戦争終結後に出会った両軍の男たちが、反目し合いながらも友情を育む西部劇。北軍騎兵隊大佐だったトーマスは、馬を売るため部下や息子と共にメキシコを目指していた。一方、再起を図る南軍の大佐ラングドンも部下や家族を連れメキシコに入る。目的地を同じくする両者は偶然出会い、ぎこちなく助け合いながら戦争の遺恨を取り払っていく。ジョン・ウェインとロック・ハドソンの2大スター共演作。3000頭の馬が画面いっぱいに移動する様はまさに圧巻。
監督:アンドリュー・V・マクラグレン 出演者:ジョン・ウェイン(ジョン・ヘンリー・トーマス)、ロック・ハドソン(ジェームズ・ラングドン大佐)、トニー・アギラ(ロハス将軍)、ロマン・ガブリエル(ブルー・ボーイ)、リー・メリウェザー(マーガレット・ラングドン)ほか
映画「大いなる男たち」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「大いなる男たち」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「大いなる男たち」解説
この解説記事には映画「大いなる男たち」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
大いなる男たちのネタバレあらすじ:メキシコへ
舞台は南北戦争終結後のアメリカ。敗北した南軍の大佐ジェームズ・ラングドンは、再起を図るため部下や親族と共にアメリカを離れることにします。目指すはメキシコ、ドゥランゴの町。そこでメキシコ皇帝の護衛に迎えられる予定になっていました。女子供も荷馬車に乗せ、自宅に火を放って出発したラングドン。一方、北軍で騎兵隊大佐を務めたジョン・ヘンリー・トーマスは、戦争終結後部下達と共に軍を除隊しました。彼らは先住民と共にアリゾナで野生馬を捕まえ、それを売って生活資金にしようと考えます。3000頭もの馬を捕獲したトーマス達は、アメリカ側が全頭買い取るという約束を反故にしたため、商談相手をメキシコ皇帝の軍に変更。メキシコでは皇帝派と、フアレス大統領率いる革命派が対立しており、どちらも馬を必要としていました。そこへ馬を売りに行くのですから、平穏な旅路であるはずがありません。トーマスは十分警戒しながら、部下や先住民達と共に馬を率いてドゥランゴを目指します。
大いなる男たちのネタバレあらすじ:邂逅
メキシコに入ったトーマス達は、荷馬車が通った形跡を見つけました。トーマスは養子のブルー・ボーイを連れて荷馬車の痕跡を辿り、ラングドン達の野営地に到着します。そしてこの近辺に潜む盗賊団の危険をラングドンに警告しました。ラングドンは礼を言い、今夜は宿泊していくよう勧めます。しかしトーマスが北軍兵だったことが露見し、空気に緊張感が生まれました。トーマスは未だに南軍の軍服を着用し、軍旗を掲げているラングドン達に疑問を呈します。ラングドンは自分が頑固であること、そして北部の人間を嫌悪していることを告げました。そんなひと悶着から少し離れた場所では、ブルー・ボーイがラングドンの娘シャーロットと見つめ合っていました。彼らは電撃的に惹かれ合い、すぐに相思相愛の仲になったのです。トーマスから呼ばれたブルー・ボーイは何事かを指示され、馬で陣営を離れました。その様子を、ラングドンの副官アンダーソン大尉が目撃します。彼は一際北部の人間を嫌っていました。
大いなる男たちのネタバレあらすじ:共闘の価値
翌日、ラングドン達の前に盗賊団が現れます。金も家族も、全てを奪おうとする彼らにラングドンは激怒。トーマスも加勢して銃撃戦が始まります。予想以上の抵抗に遭った盗賊団は一旦退却しますが、その道にはトーマスの部下やブルー・ボーイ率いる先住民が待ち伏せていました。トーマスはこの状況を予見していたのです。盗賊団を追い払ったトーマスは、ラングドンから礼を言われました。これがきっかけとなり、後日トーマス達はラングドン達が催す独立記念日のパーティーに招待されます。つい数ヶ月前まで争っていた北軍と南軍の兵士達はぎこちなく交流を始め、力試しの勝負は最終的に乱闘へ発展。トーマスやラングドンも面白がって参戦します。めちゃくちゃなパーティーは、ボロボロの男たちが晴れやかな笑顔を浮かべる中お開きとなりました。
大いなる男たちのネタバレあらすじ:卑劣な罠
ラングドン一行と別れたトーマス達は、馬を率いて移動する最中、皇帝側についているフランス兵の他殺体を発見します。フアレス派の仕業だと考えたトーマスは、このことをラングドンに伝えようとしました。シャーロットに思いを馳せるブルー・ボーイは、喜び勇んでラングドンのもとへ馬を走らせます。事情を聞いたラングドンは、礼も兼ねてブルー・ボーイに泊まっていくよう勧めました。夜、2人きりになったブルー・ボーイとシャーロットは抱き合い、キスを交わします。2人は人生を共にする決意を固めていました。そこへアンダーソン大尉が現れ突然ブルー・ボーイを殴ります。どうやら以前からシャーロットを狙っていた青年ウィルクスが告げ口をしたようです。アンダーソンはブルー・ボーイを一方的に痛めつけ、無理やり馬に乗せて陣営から追い出しました。騒ぎを聞きつけたラングドンは、無言でアンダーソンを殴り飛ばします。トーマスの警告に従わなかったラングドンはドゥランゴの町へ入り、ロハス将軍はじめ皇帝軍の歓待を受けました。ところが、それは卑劣な罠でした。ロハス将軍達は、実はフアレス派の革命軍だったのです。銃を手にした兵士に囲まれたラングドン一行は捕虜にされてしまい、解放の条件はトーマスの馬との交換でした。断れば1人残らず銃殺されてしまいます。仲間を人質に取られたラングドンは、屈辱に塗れながらトーマスのもとへ向かいました。
大いなる男たちの結末:男たちの生き様
ラングドンはトーマスを訪ね、事情を説明して助けを求めます。馬を手放せば無一文になるトーマス達は当然迷いました。しかし結局友人の窮地を救う道を選びます。トーマス達は早速ドゥランゴへ向けて馬を走らせますが、行く手にフランス軍が現れました。皇帝側の彼らは、革命軍の手に馬が渡るのを阻止するつもりです。トーマス達は果敢に挑み、死傷者を出しながらもついにドゥランゴに到着。革命軍の手から捕虜を救出しました。ドゥランゴを出た一行は、それぞれの故郷へ帰ることにします。ブルー・ボーイとシャーロットは仲睦まじげに馬を並べ、その様子にウィルクスは項垂れました。彼らが故郷を目指す中、この映画も終わりを迎えます。
以上、映画大いなる男たちのあらすじと結末でした。
この映画「大いなる男たち」は、公開当時ほとんど話題にならなかったそうです。
ジョン・ウェインとロック・ハドソンという当時の2大ビッグスター競演という大作西部劇も、恐らく同年に公開されたサム・ペキンパー監督の「ワイルドバンチ」の前では、すっかり影が薄くなってしまったのかもしれません。
実際に観てみると、オーソドックスで地味めなアンドリュー・V・マクラグレン監督の演出なので、観て時間が経ったら内容をすっかり忘れてしまいそうな映画です。
この映画は南北戦争終結直後の混乱した時期が舞台になっていて、主演のジョン・ウェイン演じるヘンリー・トーマスは元北軍の大佐、ロック・ハドソン演じるラングドンは元南軍の大佐で、この二人の男の出会いと触れ合い、そして友情を描いた西部劇というわけです。
メキシコ革命軍のインチキ臭い将軍が出てくるあたりは、いかにもという感じですが、3,000頭の馬が駆け抜けるシーンは、さすがに西部劇ならではの迫力があって見応え十分です。
やっぱり、西部劇にはこのように多くの馬や牛が出てくると、さすがにワクワクしてきますね。
戦争が終わったとはいえ、元北軍と元南軍の立場の人間が、急に仲良くするのは難しかったのでしょう。
それにしても、男たちが派手に殴り合いをするシーンなどは、妙にわざとらしくステレオタイプの演出で、マクラグレン監督にいつもの冴えがありません。
他にも先住民族への偏見とか、身分違いの恋愛とかが絡んでいて、いつかどこかで観たことのある話だなという印象は否めません。
映画としてはいろいろ不満な点はありますが、やっぱりこの二人の元大佐の友情シーンには、胸にジーンとくるものがありますね。
とにかく、こういう映画は、もう完全に割り切って、ジョン・ウェインとロック・ハドソンという2大スターの競演と雄大な西部の風景を楽しめばいいのだと思います。