人生の動かし方の紹介:2017年アメリカ映画。四肢麻痺の資産家フィリップは、プライドが高く気難しい性格です。介護が必要ですが、介護者はフィリップの性格についていけず、次々と辞めていってしまいます。ある日、フィリップが介護者を探しているとデルという前科のある若者が現れます。偶然出会った2人の不思議な友情のお話。2011年公開「最強のふたり」のリメイク作品です。
監督:ニール・バーガー 出演:ブライアン・クランストン、ケヴィン・ハート、ニコール・キッドマン、ジュヌヴィエーヴ・エンジェルソン、アヤ・ナオミ・キング、ジュリアナ・マルグリーズ、レイチェル・アラナ、ハンドラー、ほか
映画「人生の動かし方」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「人生の動かし方」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
人生の動かし方の予告編 動画
映画「人生の動かし方」解説
この解説記事には映画「人生の動かし方」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
人生の動かし方のネタバレあらすじ:起
デルがフィリップを助手席に乗せ、無茶な運転をしています。警察が追ってきて捕まりますが、フィリップが発作の演技をしたのでなんとか逮捕は免れました。
2人が出会ったのは6ヶ月前。デルは職を見つけないと刑務所に戻されてしまいます。フィリップは厄介な性格のせいで生活援助者が辞めてしまい、新しい生活援助者を募集しています。そこにデルが面接に来ます。雇い主の家は立派なマンションのペントハウス。デルは1時間待たされ、しびれを切らし面接中の部屋に入って就活のサインだけくれと言います。手足の動かないフィリップに向かってサインをくれと言い、失礼とも言える態度ですがフィリップは笑います。
面接中の人を外に出し、フィリップ直々に面接が始まりました。そもそも何の面接かも分からないデルに、フィリップの助手イヴォンヌは驚きます。フィリップはデルに仕事をオファーすると言います。デルは生活援助者をよく分かっていないようで、「奴隷になるつもりはない」と言います。フィリップは一晩考えてオファーを受けるなら明日の朝から、受けなくても用紙にサインをすると言いました。
デルは息子を学校へ迎えに行きますが、妻が先に来て、連れて帰ってしまいました。妻の家へ行くと、冷たい眼差しをした息子が勉強をしています。デルが話しかけますが、部屋に行ってしまいます。自分の家を追い出されたデルは、この家に泊まろうとしますが、妻がもう限界だから泊めるつもりもないし、出て行ってと言います。デルは養育費もろくに支払っていないそうです。帰る場所もないデルは出て行かざるを得なくなりました。
次の日、デルはフィリップの家へ出向きました。イヴォンヌに「私がサインをする」と言われますが、オファーを受けると言い出したデル。イヴォンヌは難色を示しますが、1週間の給料を提示します。交通費を要求しますが、住み込みの仕事でした。朝からフィリップのお世話が始まりますが、慣れていないのでとても雑です。カテーテルの作業を見たデルは、俺はこんなことやらないと言い始めます。フィリップは呼吸が止まっても人工蘇生はしないとデルに約束させます。
人生の動かし方のネタバレあらすじ:承
その次の日、デルのお世話が多少手慣れています。フィリップが外に出かけます。フィリップは様々な高級車を持っています。体が不自由になってからは、乗りやすい車しか使っていなかったようですが、デルは高級車で、フィリップの亡き妻が好きだった絵を買いにいきました。
デルはフィリップに貸してもらった高級車で、妻の元へ行きます。息子に、フィリップ宅から黙って持っていった本をプレゼントしていたデル。その本を返してほしいと妻に言います。妻は盗んだものだと分かり、自分の口から息子に伝えなさいと言われてしまいます。
イヴォンヌに呼ばれたデル。車を使っていたことを問い詰められますが、フィリップが「私が許可した」と言ってなんとかその場を免れます。その夜、フィリップは事故の時の夢を見て苦しそうにしています。夢の中で名前を呼ばれたフィリップが目を覚ますと、デルが駆けつけて酸素マスクを当ててくれました。人工蘇生を拒んでいるフィリップは息をすることを拒否しますが、デルが呼吸をしなかったら今すぐ人工呼吸してやると言い、思わず笑うフィリップ。呼吸も落ち着きました。
フィリップを外に連れ出すデルは、事故の時の理由を聞きます。パラグライダーが好きだったフィリップは、無茶をするのも好きでした。その日は天気が悪かったのでやめるべきだったと言います。判断を誤り、地面に落ちてしまいました。目を覚ますと可哀想な妻がいました。妻はガンを患っていて、これで少しはガンのことを忘れるだろうと思ったそうです。フィリップは誰も起きていない時間に起きてしまうことがあると言います。起きる前は夢を見ていて、まだ誰にも手を借りずに過ごせている時の夢を見て、どこかへ飛ばされてしまいそうな気分になると言います。でも、妻のことを失う方がずっと辛い。そう言うフィリップにデルは、大麻を経験させます。そのまま深夜にホットドック店へ行きます。
帰りのバスで、デルはフィリップに「親父からお金を引き継いだのか?」と聞きます。フィリップは、「今持っているお金は全部自分で稼いだ。父親からは何ももらってない」と言います。デルが「俺と一緒だ」と言い、「自分の父親は天才詐欺師だ」と言います。自分が刑務所に入っていた時、父親と同じ時期に入っていて、デルを見た父はお帰りと言ったそうです。そんな父親いるか?とフィリップに言います。自分の息子は絶対刑務所にはいかない。母親に似てくれて賢い子だと言ったデルにフィリップが、お前は賢い!と言いました。
いつもフィリップのカテーテルを替えているマギーが遅れてくるとデルに連絡をしてきました。まだ大丈夫だと言うフィリップですが、俺が替えると言うデル。頑なに嫌がっていた仕事でしたが、なんとか替えようと奮闘するデル。フィリップとデルは心を許し会えるようになってきています。
人生の動かし方のネタバレあらすじ:転
オペラ観にきた2人。デルはこういうのを観たことがなく、最初は世界観に笑っていましたが最後は感動していました。フィリップが部屋で聴いていたオペラを馬鹿にしていたデルが、自分の部屋でオペラを聴くようになりました。
フィリップは以前、個人的な手紙を読まずに捨てていました。リリーという女性と文通をしていたのです。デルと出会い、心の変化があったようで、イヴォンヌに代筆を頼み、また文通を始めました。デルは文通相手と会ったことがないと言うフィリップに大変驚きます。そして、向こうはフィリップの名前を絶対にネットで検索していると言います。デルはリリーをネットで検索してみます。もっと情報をと、手紙を読むと、電話番号が書いてありました。デルが電話をかけようと言います。フィリップとイヴォンヌはやめさせようとしますが、電話をかけてしまいました。留守電でしたが、メッセージを残してみました。
フィリップとイヴォンヌが2人でいると、「君は文通相手を検索するか?」と聞くフィリップ。イヴォンヌは「私は検索しない。古い人間だから。でも、賢い女性が大切にするのは頭と心よ」と言います。「車椅子姿を見たらどうかな?」とフィリップは言います。そこへデルが来てみんなを集めます。絵を描いていたデルは、犬の絵を披露しました。みんなは情熱的、犬がいいね、家には飾らないけど、と言いますが、デルは自信があるようです。フィリップは可能性を感じると言い、イヴォンヌは「ほんとに?」と聞きます。フィリップは、「君と僕の好みは違うが、可能性を褒めることが大事だと思わないか?」と言いました。
フィリップの誕生日。祝ってほしいとは思っていないフィリップは、ドライブに連れて行ってほしいとデルに頼みます。場所はお任せだと言われ、連れてきたのはデルの息子のところ。「アンソニー」と声をかけられた息子は無表情。ですが、高級車で迎えにきた父を友達にかっこいいと褒められ、そのまま一緒にドライブに行きます。アイス屋へ行き、口についたアイスを拭こうとしたデルをアンソニーは、パパと言います。2人とも照れ臭そうにしました。家へアンソニーを送り届けたときに、本の話をしました。「盗んだんだ…」と絶望したアンソニーはフィリップに直々に返してしまいます。フィリップには、雇われる前のことだった。と正直に話し、人は誰でも過ちを犯すと言いました。
家へ帰るとイヴォンヌが誕生日パーティーをサプライズで用意していました。フィリップは、「何もしなくていいと言ったのに」とイヴォンヌを叱ります。イヴォンヌがみんなを帰そうと部屋を出て行くと、デルとフィリップの口論が始まります。怒りに震えるフィリップの様子を見て、フィリップの手の代わりにデルがワインを割ったり、肖像画を割ったりします。スッキリしたフィリップに笑顔が戻り、そこへイヴォンヌがやってきて部屋の荒れた様子に驚きます。デルがやったと言うフィリップ。そして、八つ当たりしてごめんと素直に謝りました。まだゲストはいる?と聞き、パーティーへ戻ります。
人生の動かし方の結末
パーティーでは下の階に住む嫌味っぽい住人が、デルの犯罪歴を見せてきて、よく考えたほうがいいと言ってきます。刑務所に入っていたことは知ってるというフィリップに、一応考え直してみてと言います。そして、デルが描いた絵に興味を示します。誰の絵だと聞かれたフィリップは、デルが描いたことは隠して、話を進めます。いい絵だと思ったようです。
パーティーは賑やかな雰囲気になり、ダンスを踊っています。すると、リリーから電話がかかってきました。そして次の土曜日に会う約束をしました。
嬉しさと不安が混ざりながらリリーとの待ち合わせのレストランへ行きます。フィリップがデルに胸ポケットの紙を取るように言います。それは5万ドルの小切手でした。フィリップの下の階に住む住人が、デルの絵を5万ドルで買ったのです。とても喜ぶデル。そこへリリーが来ました。リリーはネットでフィリップのことを調べていたそうです。なので、車椅子姿のフィリップには驚きませんでした。デルがいなくても平気と言い、デルはその場を離れます。
最初は楽しく談笑していましたが、段々とお互いの心の距離を感じ始めます。友達のままで居ましょうと言うリリーに、やめてくれと言ってデルの元へ行こうとするフィリップ。2人は合流して家へ帰ります。フィリップは心を閉ざしてしまい、デルと口論になります。そして、クビにしてしまい、出て行けと言いました。
デルはこれからどうしようか考えています。もらった5万ドルで妻と息子に家を買いました。フィリップは完全に心を閉ざし、会話もせず人を寄せ付けなくなってしまいました。
デルは車椅子を作る会社を設立しました。そこへマギーがやってきます。「殻に閉じこもっているからあなたの声なら届くと思う」と。イヴォンヌも辞めてしまったそうです。マギーに家を開けててもらい、ヒゲが伸びきったフィリップをドライブに連れ出します。
そして冒頭のシーンに戻り、2人は警察から逃げています。そのまま自然豊かな場所へ連れて行きます。
山に来ました。デルはフィリップにサプライズでパラグライダーを用意していました。フィリップの用意を待っていると、デルも飛ぶことになりました。自分の意思ではないデルは怖がっていますが、フィリップはとても楽しそうです。デルにありがとうと伝えるフィリップ。
近くのホテルへ来ました。そして、フィリップのヒゲを剃るデル。遊びながら楽しくヒゲを剃ります。フィリップの心を立て直したのはデルです。食事ができる場所へフィリップを連れて行きます。デルがその場を離れると、イヴォンヌが来ました。「会いたかった」と言うフィリップ。「私も」と言うイヴォンヌ。2人の様子を見て笑顔を見せるデル。そのままデルは妻と息子のいる家へ帰って行きました。
以上、映画「人生の動かし方」のあらすじと結末でした。
「人生の動かし方」感想・レビュー
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人間の出会いと友情は、縁するものがあると感じました^_^。育ちや立場を超えた、人と人との絆、助け合い、理解し合う事が互いの人生に花を添える素晴らしい生き方と感じ、感動する映画てました。
まるで正反対なキャラクターに感じられるデルとフィリップが、信頼を深めていく様子が心地よく描かれていて、見終わった時に温かい気持ちになる映画です。また、両手足が動かないということがどんなことなのかを突き付けられる作品でもあります。二人がパラグライダーをするシーンは、フィリップの笑顔が印象的で、「念ずれば夢叶う」だなと思ってしまいました。