いつも2人での紹介:1967年アメリカ,イギリス映画。イギリスに暮らす夫婦の6回にわたるフランス旅行。二人を結び付けたヒッチハイクの旅、夫の元ガールフレンドの一家との旅、オンボロ自動車に苦しんだ記念日の旅、夫だけで仕事に行った旅、娘を連れての旅、そして関係が冷えきった二人の旅。6つの時間軸を交錯させながら夫婦の軌跡を描いた野心作。アルバート・フィニーとオードリー・ヘップバーンが夫婦を演じる。オードリーは『パリの恋人』、『シャレード』に続いてスタンリー・ドーネン監督と3度目のタッグを組む。脚本は『ダーリング』の脚本でアカデミー賞を受賞したフレドリック・ラファエル。音楽はヘンリー・マンシーニ。ジャクリーン・ビセットの初期の出演作ですが、彼女の声は吹替だそうです。
監督:スタンリー・ドーネン 出演者:オードリー・ヘップバーン(ジョアンナ・ウォレス)、アルバート・フィニー(マーク・ウォレス)、ウィリアム・ダニエルズ(ハワード・マンチェスター)、エレノア・ブロン(キャシー・マンチェスター)、クロード・ドーファン(モーリス)、ナディア・グレイ(フランソワーズ)、ジャクリーン・ビセット(ジャッキー)、ほか
映画「いつも2人で」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「いつも2人で」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
いつも2人での予告編 動画
映画「いつも2人で」解説
この解説記事には映画「いつも2人で」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
いつも2人でのネタバレあらすじ:旅の始まり
建築家のマーク(アルバート・フィニー)は、妻ジョアンナ(オードリー・ヘップバーン)と白のメルセデス・ベンツ230SLを旅客機に積んで、イギリスからフランスへ仕事と私用を兼ねた旅に出る。
空港で、サントロペで会う予定の顧客のモーリス(クロード・ドーファン)からマークに電話があり、ジョアンナは家に置いてきた娘のキャロラインに電話をかける。飛行機の中でマークはパスポートがない、飛行機を引き返してくれと言って騒ぎ出し、ジョアンナがパスポートのありかを教えてやる。いつものことである。
12年前、二人がフランスの港でフェリーを下りる際に初めて会ったときもそうだった。
ジョアンナはコーラスグループの仲間の女の子たちと音楽祭出演のついでのフランス旅行に、マークはヨーロッパの建築を巡る旅に来ていた。トラクターの引く荷台に乗せてもらっていたマイクが、コーラスグループの運転するマイクロバスが道路から外れたのを見て道路に戻すのを手伝って、そのままバスに同乗する。
マークが目をつけていたのはジャッキー(ジャクリーン・ビセット)だったが、彼女を含めジョアンナ以外は皆、水ぼうそうを発症してしまう。ジョアンナは一人だけ音楽祭までの一週間、マークのヒッチハイク旅行にくっついていくことにする。二人は次第に親密になりホテルで一つの部屋に泊まり、結ばれた。
いつも2人でのネタバレあらすじ:旅の苦労
マークがモーリスと初めて会ったのは1959年、まだ貧しかった彼とジョアンナが誕生日か結婚記念日を祝うために、オンボロ自動車によるフランス貧乏旅行をした時だった。最初から異音を立てていたエンジンが遂に火を噴き、消防車に消火してもらうはめになる。でも、その晩マークが買い出してきたワインなどで、ホテルのベッドの上で明るくディナーを済ませた。レストランでディナーをしても会話のない今とは違っていた。
もっと散々だったのはそれ以前、結婚2年後に、マークがアメリカの大学で学んでいた時代にガールフレンドだったキャシー、その夫のハワード、そして彼らの娘ルーシーがアメリカから来て、一緒にフランスを旅した時だった。大人たちが交替しながら自動車を運転しての旅だが、わがままなルーシーに大人たちは振り回される。
ルーシーが草の上に投げてしまった自動車のキーを大人たちが捜している時、マークはジョアンナに、「これを見ても子供が欲しい?」と問いかける。だが子供らしく正直にルーシーが「両親が陰でジョアンナをばかにしている」ということをしゃべった時に、マークは決心する。自分たちのカバンを自動車から下ろしてアメリカ人夫婦と別行動をとることにする。
いつも2人でのネタバレあらすじ:旅の同行者
マークはあまり子供を望んでいなかったが、やがて娘のキャロラインが生まれる。キャロラインが生まれたばかりなので一人でフランスに行ったマークは、手紙では妻への熱愛を書いているが、路上でブロンドの美女と出会って一夜を共に過ごすのだった。
キャロラインが少し大きくなって親子3人で自動車旅行をするが、ホテルでもマークは図面に向かわなくてはならない。ジョアンナが注文した卵を、ホテルがすぐに持ってこないことにマークは腹を立て、雨が降る中、別の宿へと移動する。
移動した先の宿では、今晩のドタバタの責任を押し付け合って夫婦は口論になる。でもマークとジョアンナが初めて出会った時の旅では、雨が降っても楽しかった。あの時、土管の中で雨宿りした二人は、気がついたら土管ごとトラックに載せられていた。着いた先は地中海岸。二人だけのビーチで無邪気に遊んだ。泊まったホテルの部屋は列車が通ると揺れるし、日焼けしすぎて体がひりひりしてしまったが、別れの時が迫ってマークはジョアンナにプロポーズし、二人は結婚した。
いつも2人でのネタバレあらすじ:旅の中断
オンボロ自動車が火事を出した翌日、困っている二人を自動車に乗せてくれてくれたのがモーリスとその妻フランソワーズだった。マークとジョアンナはモーリスの別荘に招かれて遊ぶ。そしてちょうど建築家を探していたモーリスのプロジェクトに、マークが携わることになる。以来、生活は豊かになったがマークは多忙を極める。ジョアンナがビーチでキャロラインと遊んでいる横で、マークは工事の指図をしなければならない。
そんな時、ビーチで彼らはフランソワーズから彼女の弟デヴィッドを紹介される。デヴィッドとジョアンナは親密になる。マークはジョアンナが娘を放ってデヴィッドと外泊してカフェで朝食をとっている現場に乗り込み、妻を問いただす。ジョアンナはデヴィッドを愛しているという。彼女は夫を捨てかけるが、ビーチを眺めていてマークとビーチで過ごしたことが懐かしく思い出される。デヴィッドはジョアンナの決断にまかせた。
妻が自分の元に戻ったことを素直に喜ばないで皮肉を言う夫に腹を立てて、ジョアンナはやはりマークの元を去りかけるが、彼女を追いかけたマークがつまずいてプールに落ちたのを見て、やっと笑顔が蘇る。
いつも2人での結末:旅は続く
あれから3年。マークが設計した家で開かれるパーティーに向かう白のメルセデス・ベンツの中で、あの時離婚していればよかったのではないかと話す二人。マークはパーティーにはデヴィッドも来ているのではと心配し、ジョアンナはまたモーリスがマークと仕事の件で長話になるのだろうかと今からうんざりしている。
パーティーで案の定ジョアンナとデヴィッドがいちゃつくのを見て腹を立てたマークは、それなら自分もと、近くを通った美女に声をかけ、妻に見せつけてやろうとする。だが偶然にもその女性をデヴィッドが婚約者として紹介する。
モーリスはマークに、仕事の話があるから10分間割いてくれと頼むが、停電の間にマークとジョアンナはパーティーから消える。夜道を行く自動車の中で二人は、二人の関係について問い続け、結局、お互いかけがえのない存在であることに納得する。
ローマでマークの新しい仕事が待っている。自動車がイタリアとの国境にさしかかった。またもマークはパスポートが無いと騒ぎだしてトランクまで開けるが、やはりジョアンナが彼のパスポートを取り出したのだった。
以上、映画「いつも2人で」のあらすじと結末でした。
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