楽聖ベートーヴェンの紹介:1936年フランス映画。「楽聖」と呼ばれ、今や知らない人はいないほど有名な作曲家であるルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの伝記物語。2人の女性を軸に展開される本作は、ベートーヴェンにまつわる著名人の実際の手記を紹介しながら、苦悩にあえぐ彼が女性たちの手を借りて偉業を成し遂げていく様を描いている。ベートーヴェンの心境の変化に合わせて流れる彼の作品が、映画により一層の彩を添えている。
監督:アベル・ガンス 出演者:アリ・ボール(ベートーヴェン)、ジャニー・オルト(ジュリエッタ)、アニー・デュコー(テレーゼ)、ジャヌ・マルカン(エステー)、ジャン=ルイ・バロー(カール) ほか
映画「楽聖ベートーヴェン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「楽聖ベートーヴェン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「楽聖ベートーヴェン」解説
この解説記事には映画「楽聖ベートーヴェン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
楽聖ベートーヴェンのネタバレあらすじ:起
ジュリエッタと妹のテレーゼは、ベートーヴェンの生徒としてピアノを習っていましたが、彼はジュリエッタに恋をしてしまいます。しかし、テレーゼは彼に恋心を抱いており、2人の仲を複雑な心境で見ていました。ある日、ベートーヴェンの元に彼の友人が訪ねてきて、恋に破れたらどうするのかと問われますが、彼はハイリゲンシュタットにある水車小屋で死ぬと冗談を言います。あくる日、ジュリエッタとテレーゼがレッスンを受けにやって来ます。ベートーヴェンはジュリエッタにピアノを教えようとしますが、彼女からロベール・ガレンベルク伯爵を愛していると聞かされ、ショックを受けます。ジュリエッタからこれ以上の関係は諦めようと言われたベートーヴェンは、自暴自棄になり、ハイリゲンシュタットの小屋へ向かいますが、追いかけてきた友人とテレーゼからその思いを原動力にして作曲に没頭するよう助言を受け、俗世を離れてここで生きていくと決意するのでした。
楽聖ベートーヴェンのネタバレあらすじ:承
ある日、ベートーヴェンは幻聴に襲われます。耳が聞こえなくなったものの、彼の頭の中では音楽が鳴り響き、作曲を続けます。しかし、医者からやがて耳が全く聞こえなくなるだろうと宣告されますが、彼はこの苦しみから人々の喜びを紡いでみせると意気込みます。そんな彼にテレーゼは優しく寄り添うのでした。ウィーンに戻り作曲を続けるベートーヴェンでしたが、大聖堂から聞こえる大音量の鐘の音に苦しめられていました。そこではジュリエッタと伯爵の結婚式が行われていたのです。ベートーヴェンは大聖堂に忍び込み、パイプオルガンで葬送曲を弾くのでした。
楽聖ベートーヴェンのネタバレあらすじ:転
ベートーヴェンはジュリエッタのために伯爵に音楽的な支援をするのですが、彼女は伯爵に対する熱が完全に冷めており、彼の今の姿を嘆いていました。やがて献身的にベートーヴェンを支えるテレーゼを愛するようになった彼は、婚約を発表します。婚約を祝うパーティー当日、ベートーヴェンの元にジュリエッタがやって来ます。ジュリエッタはベートーヴェンへの愛を伝え、一緒にどこかへ逃げようと誘います。ベートーヴェンは誘いに乗り、歓喜のあまり彼女への愛を手紙にしたためますが、その手紙をテレーゼが見つけ、これは自分に宛てたものではないだろうと彼に迫ります。しかし、ベートーヴェンはテレーゼに宛てた手紙だと嘘をついてしまうのでした。そこへ身支度を整えたジュリエッタが現れ、テレーゼに手紙を託します。その内容は、娘が生まれたためローマに戻るという内容でした。
楽聖ベートーヴェンの結末
それから数々の名作を発表するベートーヴェンでしたが、遂に完全に耳が聞こえなくなってしまいます。ジュリエッタのことが忘れられないベートーヴェンはテレーゼとの正式な結婚を先延ばしにしていました。そんな姿を見たテレーゼは彼に、自分は結婚をせず友としてそばにいること、そして毎日ジュリエッタの話をしてあげることを約束するのでした。ベートーヴェンはその後、不調にあえぎ、曲が売れなくなってしまいます。更に、溺愛していた甥のカールの浪費癖も重なり、彼は病に伏します。そんな中、彼の作曲した「交響曲第9番」が大成功したことを聞いたベートーヴェンでしたが、もう遅いと言い残し、帰らぬ人となりました。
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