地獄の7人の紹介:1983年アメリカ映画。ベトナム戦争が終結したが、ベトナムには多くの兵士が取り残され行方不明になっていた。歴戦の士官ローズの息子もまた未帰還で、彼は多くの労力を割きその行方を捜していたが、捕虜になっている事が確認される。彼は息子の友人等に協力を仰ぎ、息子と未帰還の兵士達を救出する為の作戦を開始する。ジーン・ハックマン主演、ベトナム戦争の戦後処理を題材にしたアクション映画。
監督:デッド・コッチェフ 出演者:ジーン・ハックマン(ローズ大佐)、ロバート・スタック(マグレガー)、フレッド・ウォード(ウィルクス)、レブ・ブラウン(ブラスター)、ランドール・“テックス”・コッブ(セイラー)、パトリック・スウェイジ(ケヴィン・スコット)、ほか
映画「地獄の7人」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「地獄の7人」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「地獄の7人」解説
この解説記事には映画「地獄の7人」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
地獄の7人のネタバレあらすじ:起
1972年ベトナム、アメリカ兵達は我先にとヘリに乗り込み撤退を行っていました。フランクは、ヘリへ向かう途中負傷し動けなくなった仲間を抱え走りますが、ヘリに間に合わず戦場に取り残されました。ベトナム戦争終結後、撤退適わなかったアメリカ兵達の一部は捕虜になり、ローズ大佐の息子フランクのように行方が知れない者が多く居ます。ローズは、帰還兵のテレビ中継を食い入るように見ては、夜、子供が雷に怯える夢を見ます。現地で息子の情報を集めていたローズは、遂に手掛かりを得ます。幾つもの偽情報に多大な労力を払った結果、10年の月日を経て、遂にその有力な情報に巡り合いました。本国に戻ったローズは、フランクの友人ブラスターにその証拠を見せ、救出する為に協力を仰ぎます。彼は次にチャーツに声を掛けます。彼は、ブラスターとは友人でしたが長らく連絡を取り合っていませんでした。妻は彼を自分の殻に閉じこもっていると評し二人の仲は険悪でした。ローズの話を聞きかじり、放り出すように連れて行ってくれと行っていましたが、無報酬だと聞くと呆れます。芸術家をしていたウィルクスに声を掛け、更に病院経営者であるジョンソンにも誘いを掛けましたが、彼は今の生活があると断られました。最後に選んだセイラーは、刑務所から出所したてで手榴弾を首に下げ、性格面に若干の心配がありました。彼はチャンスをくれと志願して来ます。こうしてフランクの友人達が集められ、思い直したジョンソンも加わり、彼等の救出作戦は動き出します。しかしそれは、当局に監視されていました。
地獄の7人のネタバレあらすじ:承
フランクの友人で共に捕虜になっていると思われるマクレガーの父親が用意したキャンプで訓練が行われます。そこからは武器取り扱いの教官役として、若いスコットが参加します。ローズは、政府が敗戦処理に費用を惜しむのに業を煮やし立案したと、ラオスの捕虜収容キャンプの強襲救出作戦を話します。訓練は始まり、ローズは夜中、寝ている兵士達に銃声を浴びせます。彼は飛び起きた彼等にこれでは全滅だと投げ掛けますが、その背後をウィルクスが取っていました。ですがセイラーだけはぐっすりと寝ていました。訓練中、スコットはベテラン達と何度も衝突します。ローズはそんな彼に、先輩に敬意を払えと指導します。ウィルクスはナイフによる接近戦のエキスパートでした。しかし、戦時中誤って母子を殺してしまったのがトラウマになり、夜、野外で寝る事が度々ありました。ブラスターは爆弾のスペシャリストで、仕掛け爆弾の指南をします。セイラーは戦闘全般の達人でしたが、どこかいい加減でした。ローズはウィルクスと戦争で負った心の傷について語り合います。ローズはそれを受け入れる事で克服しようとしていました。ウィルクスはまだその域に達していませんが、ゲリラ戦の訓練では秀逸な隠密殺傷技術を見せ、次々と相手に屈辱的な看板を下げさせます。薬と酒でイカれ気味でしたなセイラーでしたが、その陽気さは仲間を和ませます。彼の手榴弾はこの世に嫌気が差した時の脱出方法でした。ヘリの操縦は、ジョンソン、チャーツ、そしてローズが自ら行い訓練を重ねます。付き合いの長い5人は問題ありませんでしたが、全く外部からの参加となるスコットはうまく馴染めていませんでした。彼はセイラーと諍いになり喧嘩に発展します。しかし、場数の違いが出て彼には全く歯が立ちませんでした。しつこく挑んでくるスコットに、セイラーは諦めるよう怒鳴り理由を聞きます。スコットはそれを頑なに拒否しますが、ローズが代わりに教えました。スコットの父親は、ベトナムで行方不明だったのです。それを聞いた彼等は、スコットをチームの一員として認めました。訓練は終盤に差し掛かり、収容所のセットを使った模擬演習に入っていました。その鮮やかな手際を見ていたマクレガーの父親は、彼等を賞賛し報償を出します。その夜、大佐はまた夜討ちを掛けようとしますが、兵士達は皆その裏を取り、訓練は完璧な仕上がりを見せました。いよいよ実行段階に入り、ローズはマクレガーの父と戦争とその犠牲について語り合います。マクレガーの父は大手銀行の重役でしたが、息子の為に全てを投げ打つ覚悟でした。
地獄の7人のネタバレあらすじ:転
救出チームはバンコクに入国します。しかし既に当局の手が及んでいて彼等は逮捕、武器は没収され、拘留されたくなったら即座帰国しろCIAから忠告を受けます。しかしローズと彼等は諦めませんでした。貰った報償を出し合い、それで武器調達しようと考えます。移動手段は適当なトラックを盗み出し、彼等は移動を開始します。彼等は麻薬組織のボス、イャンの家を訪ねますが、怪しげな武装集団が占拠していました。イャンは抗争に破れ家を追い出された後らしく、酒場にたむろしていました。そこへローズ達が顔を出すとイャンは歓迎し、店主にメニューを持って来させます。最初遠慮していたローズですが、無理に見せられたそれは、店主が裏で取引している武器の値段表でした。しかし今のローズには手が届かず、彼は大戦中に遡りそうな骨董品を格安で買い取ります。調達した武器の調整をし、ローズ達はイャンとその娘二人にガイドされ、収容所に向かいます。国境近く、毒ガスによる虐殺が行われた村に差し掛かった時、彼等は国境警備隊と遭遇、交戦します。イャン達も戦闘に慣れていましたが、メイリンが犠牲になりました。戦闘で弾薬を消耗、また無線機が1台に損害を受け、発信が出来なくなりました。作戦は当初の予定通り、収容所での地上班とヘリの強奪班二組に別れる事になりますが、ローズは連絡が取れなくなるとし、ヘリのエンジン音を合図とする事に変更されました。いよいよ作戦の最終段階となり、一同は死を覚悟で挑みます。
地獄の7人の結末
地上班は無事収容所を発見、ブラスターとウィルクスの偵察が行われます。ヘリ班の方は、予定地点でヘリ基地が見付からず、焦っていました。しかしその上空をヘリが飛行、それを追跡します。収容所に潜り込んだウィルクスは、虜囚となっているアメリカ兵達を確認します。外から見ていたブラスターも、収容所への橋を渡る一行の中にアメリカ兵を発見し、4人の捕虜が居る事を確認します。スコットは無線で一方的に捕虜発見を報告します。ローズはそれに喜び、ヘリを求めます。夜になり、ブラスターは収容所の随所に爆弾を仕掛けに行きます。基地を発見したローズ達も、急ぎヘリ奪取に動き始めます。夜が明け、基地に到着したローズ達は襲撃を開始します。ヘリは3機ありましたが、1機がバッテリー不足で起動に手間取ります。しかし何とか奪取に成功し、収容所へと飛び立ちました。作戦開始時間が迫っていましたが、地上班にはヘリのエンジン音がまだ聞えてきません。監視していたイャンが、捕虜達が農作業の為に移動を開始したのを見て、攻撃を要求します。待ちきれないブラスターは、ローズ達を待たず攻撃を開始、仕掛け爆弾を起爆させました。戦闘が始まってしまいましたが、橋に仕掛けた爆弾が起爆しませんでした。ブラスターは増援を断つ為橋を占拠、そこへ道筋に仕掛けたほかの爆弾で敵兵を翻弄します。そこにヘリが到着しました。しかしガンボートと敵の増援が迫ります。ブラスターは手榴弾を抱え、自分を巻き添えにして橋を爆破しました。ローズのヘリは被弾し、乗り込んでいたセイラーと共に墜落します。二人は何とか無事で、フォローに来たウィルクスと合流、捕虜救出に向かいます。ローズはフランクの名を呼び探します。セイラーは監禁されていた捕虜を救い出しますが、完全に気力を失っていました。次から次へと捕虜を救い出すローズ達にスコットも合流しようとしますが、その横でイャンはいつの間にか戦死していました。戦闘が続き、今度はチャーツのヘリが撃墜されます。捕虜をヘリに乗せるローズですが、最後の一人フランクが見付かりません。先に助けた捕虜が独房に居ると言うのでローズは、60秒待って離陸しろと命じます。操縦するジョンソンは拒否しますが、ローズは全滅を恐れました。ローズは独房の捕虜を救出します。それはフランクではなくマクレガーの息子でした。彼を連れ戻るローズですが、激しい攻撃に遭います。セイラーは監視塔の一つを奪取、ローズを援護します。しかし彼は被弾してしまいました。セイラーは、ローズ達を乗せてヘリが離陸したのを確認すると、ネックレスから手榴弾を引き抜き、真下に居る敵に向かってこの世から別れを告げました。ヘリはチャーツとスコットを回収、飛び去ります。マクレガーの息子は、フランクが自分の身代わりになって死んだ事を告げ、彼に抱き付きました。アメリカに捕虜が帰還、会見場は喜びに沸きます。ローズの妻は、夫だけでも帰還したのを喜びました。
この映画は、名作ですね。