華麗な関係の紹介:1977年フランス映画。『危険な関係』(1959年)に続き、ロジェ・ヴァディムがラクロの『危険な関係』を再び映画化。この作品では1826年の貴族社会に舞台を移す。不道徳に生きてきた男が、美貌と才気で人々を手玉にとる女と清楚な人妻との間で自分の生きる道を定めなければならなくなる。
監督:ロジェ・ヴァディム 出演:シルヴィア・クリステル(マチルド)、ジョン・フィンチ(シャルル)、ナタリー・ドロン(フローラ)、ジゼル・カサドゥジュ、ジャン・メルメ、ほか
映画「華麗な関係」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「華麗な関係」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
華麗な関係の予告編 動画
映画「華麗な関係」解説
この解説記事には映画「華麗な関係」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
華麗な関係のネタバレあらすじ:雨に濡れた女
1826年、春の早朝、醜聞にまみれた生活を送る虚無的な青年、シャルル・ド・ラパルム伯爵はピストルによる決闘で相手を誤って殺してしまう。裁判のわずらわしさを避けるために直ちにパリを逃れ、伯母であるラパルム侯爵夫人の領地に馬を走らせる。侯爵夫人は一年ぶりに現れた甥を大いに歓迎する。その館には先に、弁護士の夫が仕事でイギリスに行っているマチルドが逗留していた。雨に濡れるマチルドの姿を見たシャルルはたちまち彼女の美貌に心打たれる。しかし、彼女はうれしそうに夫に手紙を書く貞淑な妻だった。
華麗な関係のネタバレあらすじ:シャルルの女友達
やがてフローラが侯爵夫人の館に立ち寄る。社交界の花形の彼女はシャルルの古い愛人であり悪行を教え合う仲である。夜、シャルルの部屋に入り決闘の一件を丸く収めたことを教える。フローラが今気になっているのは、彼女が結婚する予定の金持ちの企業経営者クレミュがイザベルという小娘に熱を上げていること。フローラはシャルルにイザベルの処女を奪ってしまうように勧める。マチルドについても抱いたらすぐ捨てるように言う。
華麗な関係のネタバレあらすじ:シャルルについての警告
フローラが去った後、シャルルはマチルドの侍女を手なずけたりしてあの手この手でマチルドに近づき、彼女の好意を得ようとする。罪深い過去を告白してかえって信用を得る。マチルドもシャルルを好きになり始める。そこへ、フローラの差し金でイザベルと彼女の母ボルネー伯爵夫人が侯爵夫人の館に滞在することになる。伯爵夫人の目的は娘とタンギーという恋人との仲を裂くことだった。マチルドがシャルルに心を許しつつあるのを見た伯爵夫人は、シャルルは偽善者だとマチルドに警告する。心を痛めながら忠告を受け入れマチルドはまだ夫が戻っていないパリの家に帰ってしまう。
マチルドがいなくなったのが伯爵夫人の口出しのせいだと知ったシャルルはしかえしに、イザベルをだまして彼女の処女を奪ってしまう。
華麗な関係のネタバレあらすじ:マチルドと結ばれる
シャルルはマチルドの同情を買うために、ラパルム侯爵夫人の友人で人のいいアンセルム神父を利用する。改心して遠くの地の修道院に入ることにしたという、マチルドへの別れの手紙を託す。その後でシャルルはマチルドの家を訪れる。マチルドはシャルルに心を許しキスをした後、夫への別れを告げる手紙をしたためる。田舎の隠れ家でシャルルと裸になってたわむれる。
華麗な関係の結末:偽の手紙
二人だけのくつろいだ愛の日々を過ごした後、シャルルは新生活の準備をすると言ってパリへ行く。だが、パリでは、マチルドとの新生活が自分にふさわしいのか疑問を感じる。心の整理がつかないまま、フローラの家の仮装パーティーに出かける。マチルドのことが忘れられない、シャルルらしからぬシャルルがフローラには気に入らない。彼が寝ている間に彼の名でマチルド宛の、別れを告げる手紙を書きあげて使用人にマチルドへ届けさせる。「君との情事に飽きた」という心ない手紙を本物と信じたマチルド。夫が妻へのたくさんの土産をもって帰ってきた時は既に病気になっていた。
やっとシャルルがマチルドとの新生活を決意して二人の隠れ家に行くともうマチルドはいない。シャルルはアンセルム神父からマチルドが危篤であることを聞く。そして自分の名でフローラが書いた手紙がマチルドを傷つけたことを知る。
シャルルはフローラに「お前が女でなければ殺す」と言う。フローラはシャルルを始末するために、イザベルの処女を奪ったことを書いたシャルルの手紙をタンギーに見せてシャルルと決闘させることにする。しかし、彼女なりに今もシャルルのことを愛していた。
マチルドの死をみとった後、シャルルはタンギーとの決闘に臨む。剣で胸に傷を負った後も決闘を続け、ついに命を落とす。
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