アンノウン: ピラミッドが語る古王国の記憶の紹介:2023年アメリカ映画。多くの人から慕われている考古学者でエジプト人のザヒ・ハワス博士は、情報が少なく未発見の古代エジプト初期のフニ王の墓を見つけるため、発掘作業をすすめていきます。これまでの大発見は全てエジプト人以外の人間。ハワス博士は、今こそエジプト人の手でエジプトの歴史を取り戻すという強い信念で取り組みます。そんなハワス博士チームをはじめ、古代エジプト遺跡を発掘する専門家を追ったドキュメンタリー映画です。
監督: マックス・ソロモン 出演:ザヒ・ハワス博士、トーリ・フィンレイソン、イサーム・シェハヴ、モスタファ・ワジリ博士、モハメド・ユセフ博士、アマダ・マンスール、アファーフ・ワフバ博士、アンシュラフ・モヒ・エルティーン博士、ほか
映画「アンノウン: ピラミッドが語る古王国の記憶」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アンノウン: ピラミッドが語る古王国の記憶」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「アンノウン: ピラミッドが語る古王国の記憶」解説
この解説記事には映画「アンノウン: ピラミッドが語る古王国の記憶」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アンノウン: ピラミッドが語る古王国の記憶のネタバレあらすじ:起
5000年ほど前、古代エジプト人は西部の砂漠の端に死者の町を築きました。1000年もの間、砂に隠れていたサッカラは考古学者の関心の的。今では、最古の階段ピラミッドがあるサッカラは、エジプトで最も魅惑的で重要な場所となっています。サッカラの開けた砂漠の一区画ギスル・アル・ムディールは、まだ誰も発掘していない領域です。
古代エジプトの宝はまだ30%しか発見されておらず、70%以上は今も砂の下に埋もれていると言われています。エジプト初期王朝のファラオたちが4500年前ここでピラミッドを作ったと推測されています。発見されている最古のピラミッドはジェセル王の階段ピラミッド。まだ未発見の初期のフニ王のピラミッドがあるはずだと考古学者のハワス博士は語ります。
そして、そのピラミッドを見つけ出すことをハワス博士は今シーズンの目標にしています。過去の大発見はすべて外国人によるもので、エジプト人である自分が大発見をすることに意味があるのだと。今こそエジプトの歴史を取り戻すと、ハワス博士は強い信念を抱いています。
今から4500年前、第3王朝の終わりにフニと言うファラオがいたという情報はありますが、記録が非常に少ないです。彼以前の王はほぼ全員がピラミッドを建造しているため、フニ王のピラミッドも必ずあると言われています。発掘作業は1年のうち9ヶ月しかできません。限られた時間の中で、チーム一丸となってハワス博士のチームは目標に向けて作業を始めます。
アンノウン: ピラミッドが語る古王国の記憶のネタバレあらすじ:承
ギスル・アル・ムディールから1キロほど離れたブバステイオンで、ハワス博士の元教え子が発掘を行っています。彼らのチームは4年前に、古代エジプトにおいて高官だったワフティの墓を発見しました。
発掘シーズン 2ヶ月目。古代エジプト人は石灰岩を採集してピラミッドを建てていたため、大きい石を運ぶのは大変だからと、採石場に墓碑が隣接していたのではないかとハワス博士は推測します。
ハワス博士はかつて、考古学を嫌っていました。しかし、テレビに映る古代エジプト遺跡を発掘した学者は外国人であることを知り、それが悔しく、いつかエジプト学を変えることが目標になりました。エジプト人として誇りを持って調査に取り組むハワス博士は多くの人に慕われています。
発掘シーズン3ヶ月目。今日までに10の墓を発見し、古王国の像が無傷でたくさん見つかりました。どの像も立派で、こんなに高価なものがあるということは偉い人が埋葬されているに違いないと、作業をさらに進めていきます。
この長い歴史の中で、盗掘されていない墓なんてないといっていいほどに、多くの墓が荒らされました。古王国の遺跡において無傷の墓は見つかっていません。
ハワード・カーターはツタンカーメンの墓を見つけた人物です。彼には強いビジョンがあったため歴史に残る大発見ができたのだとハワス博士は話します。自分も“フニ王のピラミッドを見つける”という信念を持って発掘作業を進めていることを再度強調します。
紀元前600年頃、古代エジプトの終盤の墓が発見されます。像の装飾を保護するため、修復士がとても慎重に丁寧に作業を進めていきます。遺物が一部でも損傷するということは歴史の知見が失われることを意味します。
古代エジプト人にとって重要だったことは、死者の体がずっと良好な状態を保つことでした。なぜなら、そこに魂が宿るからという理由でした。
アンノウン: ピラミッドが語る古王国の記憶のネタバレあらすじ:転
発掘シーズン半ば。ハワス博士のチームが墓を発見。心を躍らせ棺を開けると、そこにあったのはミイラではなく骸骨でした。特に手がかりは見つからないだろうと、安らかに眠って欲しいからとこのままにしておくことをハワス博士は選択します。
発掘シーズン残り2ヶ月。ブバステイオンの方でも棺を発見。棺をあけると腐敗した遺体の匂いが充満します。どうやらミイラ化は失敗してしまったようで、劣化してしまい、完全に酸化していました。描かれた文字も腐敗してしまっており、故人の名前がわかりません。他にも3つの棺を開けましたが、有用な情報は何も見つかりませんでした。
最後の木の棺に思いをかけます。その棺にはイアフメスと書かれています。母親の名はネブート。足元にはブロンズの守護像が。他には、円筒状態のものがミイラの横に置かれています。これはパピルスだと喜びの声があがります。完全な巻物状のパピルスが発見されたのは初めてです。失われた知識がこの中に入っているため、黄金より価値が高いものとなります。
発掘シーズン最終月。ハワス博士のチームは石灰岩でできたネベット・フットの棺を発見します。イメラ(監視者)は地位の高い物に使う言葉で最高の称号です。彼女は4300年前に生きていた女性で、ツタンカーメン王より1000年も古い見事なミイラが発見されます。ミイラには豪華なネックレスと黄金が装飾されています。この墓地で見つけた中で最も状態のいいミイラ。この発見でさらにフニ王のピラミッドへと近づいたと考えられます。
発掘シーズン最終週。ハワス博士のチームはピラミッドの一部らしきものを発見しましたが、まだ確定ではありません。
アンノウン: ピラミッドが語る古王国の記憶の結末
ようやく、発見したパピルスの梱包を剥がすときはやってきました。全長はとても長く、そこには“死者の書”の章が書かれていました。この発見は話題を呼び、多くのメディアが注目をしました。
ピラミッドらしきものの一部を発見したハワス博士ですが、全貌が明らかになるのは少なくとも一年かかります。ハワード・カーターは大発見までに5年を要しました。彼は夢を信じていたから、ずっと進み続けることができました。夢がなければ目的地に到達することもできません。ハワス博士はフニ王の墓を見つけるという夢を持ち続けて、進み続けています。
ハワス博士のチームは現在でも巨大建造物の入口を探し続けています。その長さは100メートルを超え、サッカラで発見された最大の建造物の1つとなっています。
ワジリ・パピルスは、サッカラで最も状態良好な死者の書であり、長さ15メートル以上113章が記載されています。古代エジプト人の信仰に関する見解を大きく変える発見となりました。
以上、映画「アンノウン: ピラミッドが語る古王国の記憶」のあらすじと結末でした。
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