映画「好きにならずにいられない」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
好きにならずにいられないの紹介：2015年アイスランド,デンマーク映画。母親と同居する43才の独身おたく、フーシ。シャイで真面目で繊細だが、世間はそんな彼にどこまでも冷たい。1人の女性との出会いが、新しい人生の扉を開くように見えたが…。主演のグンナル・ヨンソンは20年以上のキャリアを誇り、コメディもこなすベテラン俳優。監督のカウリは、最初から主役をヨンソンでイメージして脚本を書き上げたという。心優しい男の不器用で切ないラブ・ストーリー。
監督：ダークル・カウリ 出演者：グンナル・ヨンソン（フーシ）、リムル・クリスチャンスドッティル（シェヴン）、シガージョン・キャルタンソン（モルドゥル）、マーグレット・ヘルガ・ヨハンスドッティル（フィヨラ）、アルナル・ヨンソン（ロルフ）、フランチスカ・ウナ・ダグスドッティル（ヘラ）ほか
この解説記事には映画「好きにならずにいられない」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アイスランドに暮らす43才独身のフーシ。趣味は第二次世界大戦のジオラマ模型づくりというおたくで、今も母親と同居中です。母親にはロルフという恋人がおり、半ば同棲状態のためフーシは居心地悪く感じています。フーシの仕事は空港の荷物運搬係でしたが、意地の悪い同僚達からいじめの対象にされています。フーシが心を許す友人は、おたく仲間のモルドゥル、そしていつもフーシがリクエストするヘビメタ・ソングをかけてくれるラジオのDJだけでした。フーシの誕生日、ロルフはカウボーイハットとダンスのレッスン券をプレゼントします。引きこもってばかりいないで、もっと外に出た方がいいという心遣いでした。しぶしぶダンス会場へと向かうフーシでしたが、レッスンを受ける勇気はなく、車の中へ戻ってじっと座っています。レッスンが終わり、1人の女性が家まで送ってほしいと声をかけてきました。彼女の名前はシェヴン。フーシがレッスンに気後れしていると知り、来週は自分が相手をしてあげると親切に申し出ます。
フーシと同じアパートに、父親と引っ越してきたばかりの少女ヘラがいました。友達がいないと言うヘラを自分の家に入れてやったフーシは、ジオラマ模型を見せて一緒に過ごします。2度目のダンス・レッスンを終え、フーシはシェヴンを馴染みのタイ料理店へ連れて行きます。その後、車の中で2人きりになり、フーシはラジオのDJに電話し、シェヴンの好きなドリー・パートンをリクエストします。シェヴンは、花屋で働いていることや旅行好きなことをフーシに話して聞かせます。フーシはシェヴンに想いを寄せ、彼女の好きなドリー・パートンを自宅でこっそり聴いたりします。そして旅行代理店に出向き、シェヴンのためにエジプト行きの旅行を計画します。しかし彼女が勤める花屋へ行くと、シェヴンは働いていないと言われます。シェヴンの本当の職業はゴミ清掃でした。フーシはシェヴンを訪ね、どんな職業でも僕は気にしないと言います。旅行のパンフレットを見せられたシェヴンは、あなたは素敵な人だけどそれだけよと言い、ごめんなさいと謝るのでした。
シェヴンに振られてからというもの、フーシの日常はさらに悪化します。職場の同僚が開いたパーティでひどい嫌がらせを受けたり、ヘラに頼まれてドライブへ連れて行っただけで彼女の父親に警察を呼ばれたり。たまらなくなったフーシがシェヴンを訪ねると、彼女の家は荒れ放題です。シェヴンはバスルームの中で泣いていました。鬱状態なのか全く外に出てこないシェヴンのために、フーシは食事を作り、部屋を掃除します。さらに無断欠勤で仕事を首になってしまったシェヴンの代わりに、ゴミ処理工場での仕事を引き受けて働きます。ゴミ処理工場の同僚はみな優しい人間ばかりで、フーシを温かく迎えるのでした。フーシはシェヴンの家に通い、彼女が元気を取り戻すまで献身的に支え続けます。ようやく笑顔になったシェヴンは、売りに出されている店舗を見つけて花屋をやるのが夢だと言います。フーシとシェヴンはついに結ばれます。
シェヴンはフーシとのエジプト旅行に同意し、一緒に暮らしたいと言います。母親を１人残すのが不安なフーシですが、シェヴンの気持ちを損ねたくないあまり一緒に暮らすことに賛成します。大事なジオラマ模型をヘラにプレゼントし、モルドゥルの手を借りてシェヴンの家に自宅の荷物を運び込みました。ところが、シェヴンの表情がどんどん曇っていきます。彼女は泣き出し、一緒には住めない、まだ無理なのと言い出します。フーシはショックをうけますが、それでもシェヴンを思いやり優しく抱きしめます。フーシの日常は以前と同じに戻りました。しかし、シェヴンが花屋をしたいと言っていた売り店舗に出向き、彼女のために店内の壁を塗り、すっかりきれいな様子に作り変えます。そしてシェヴンの家の郵便受けにそっと店の鍵を入れて去って行きます。その後、エジプトへ向かう飛行機にフーシの姿がありました。隣にシェヴンはいませんが、フーシの顔にはかすかな笑顔が浮かんでいます。
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