ネブラスカ魂の紹介:1948年アメリカ映画。いまは友人の妻となった女性に男は再会します。離れていれば淡い思い出に過ぎなかった出来事が、会った途端にかつての強固な結晶を結びます。女性にも、男を恋慕ったあの日々に思いが残っています。しかし男の友人と今は手を携えて生きる幸せな日々を過ごしています。男は西部のガンマン「囁きのスミス」として戻ってきました。スミスは2丁拳銃を携えた凄腕です。仕事で故郷に帰ったスミスは、マレイの妻マリアンと再会します。
監督:レスリー・フェントン 出演者:アラン・ラッド(ルーク・スミス)、ロバート・プレストン(マレイ・シンクレア)、ブレンダ・マーシャル(マリアン・シンクレア)、ドナルド・クリスプ(バーニー・レブストック)、フェイ・ホールデン(エミー・ダンシング)、ウィリアム・デマレスト(ビル・ダンシング)ほか
映画「ネブラスカ魂」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ネブラスカ魂」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ネブラスカ魂の予告編 動画
映画「ネブラスカ魂」解説
この解説記事には映画「ネブラスカ魂」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ネブラスカ魂のネタバレあらすじ:起
アメリカ西部開拓時代。馬にまたがる男がひとり、険しい山道を静かに越えています。その人影に向けられた2丁のライフル銃・・・。峡谷に銃声が響きわたります。その瞬間、人馬は弧を描き、地面に叩きつけられてしまいます。谷はまた、深い静寂に包まれます。人馬を狙撃したのは、列車強盗で指名手配中のバートン3兄弟です。
地に伏した男は、しかしすぐに身をひるがえし、2丁の拳銃を構えます。奇跡的に弾を避けた男の名は、ルーク・スミス(アラン・ラッド)といいます。西部では「囁きのスミス」呼ばれ、日頃は物静かな男です。しかし、男たちは語ります。背後からスミスに囁かれたら「覚悟を決めろ」と。・・馬は敵の弾に倒れましたが、彼の執念はさらに進みます。
その頃アメリカ大陸では、東部と西部が大陸横断鉄道で結ばれ、列車による大量輸送時代がはじまっていました。そのため辺境では、貨物列車を狙って組織的な強奪をはたらく者たちがありました。スミスは、強盗団から列車を護る鉄道保安員として雇われたガンマンです。彼はいま、徒歩で故郷ネブラスカへ向かう途中です。
ネブラスカ魂のネタバレあらすじ:承
スミスが乗る列車だとは知らずに待ち伏せていたバートン3兄弟。谷で葬ったはずのスミスの出現に慌て、兄弟ふたりがスミスの前に倒れます。残るひとりは強盗団の胴元レブストックのもとへ逃げこみますが、そこはスミスの故郷です。土地勘をもつスミスは裏町に潜んでいた悪漢バートンに2丁拳銃を浴びせて始末します。
町の人たちは、スミスの凄腕に改めて愕きます。町では早くもスミスの帰省を歓迎するムードですが、町に根城を置くレブストックははらわたが煮えくり返っています。鉄道貨物の主要駅である故郷の町にスミスはしばらく滞在することになりました。レブストックは、冷酷無比なガンファイター、ホワイティを用心棒につけてスミスを警戒します。
思い出の女性マリアン(ブレンダ・マーシャル)とは5年ぶりの再会です。かつてマリアンから贈られたハーモニカは、いまもスミスの胸ポケットにしまわれています。スミスが折に触れて心を奏でるハーモニカ。バートン兄弟の凶弾にも防弾の役目を果たし、スミスの命を救ってくれました。スミスとマリアンは、淡い追憶に浸ります。
マリアンはいま、スミスの友人だったマレイの妻になっています。物静かなスミスと粗忽なマレイはまるで釣り合わない男どうしに見えますが、マレイの憎めない性格をスミスは快く思っています。物静かなマリアンにはマレイが合い、マレイには愛情深いマリアンが必要なのだと、スミスは昔からふたりのことを気にかけてきました。
ネブラスカ魂のネタバレあらすじ:転
しかしマレイはしだいに、妻を愛する夫ゆえの嫉妬心に苛まれます。とくにスミスの理知的で聡明な点と武骨で直情的な自分とを比べて、劣等感に陥ります。加えて、鉄道会社社員の立場を利用して、貨物を横流ししていたことが発覚します。スミスに悪事をやめるよう口にされると、余計に癇癪を起こし、とうとう会社をクビになります。
闇の住人たちを束ねるレブストックは、これを機にマレイを仲間に引き入れようと画策します。マレイが悪巧みに手を染めたのも、もともとは、酒飲み仲間だったレブストックの口車に乗ったためでした。マレイは郊外の地に広大な牧場をもっています。その土地の購入も、レブストックとのつき合いから発展したものでした。
鉄道の運行にくわしいマレイは、鉄道の脱線事故を装った列車強盗に加担します。発案はレブストックです。マレイの気性をよく知るレブストックは、マレイを丸めこみ、彼を扇動します。鉄道会社を解雇され、やるかたない思いを抱えるマレイにとって、列車の積荷強奪は格好のうっぷん晴らしになってゆきました。
ネブラスカ魂の結末
列車の転覆事故が相次ぎます。事故は1か月間に3回立て続けに起こり、しだいに規模が拡大してゆきました。いずれも似かよった手口から、同一犯の犯行だと結論づけられ、鉄道会社も対策に乗り出すことになりました。
スミスは、レブストックの悪事を暴き、足を抜くようマレイを説得します。しかしマレイは、スミスの言葉に応じません。さらにスミスは「高跳び」を手伝うと約束しますが、妬みと嫉みにとらわれるマレイは、マリアンを奪うための口実に過ぎないと、妄想の幅を拡げてしまいます。
マリアンはマレイを見限る覚悟でいます。さらに、マリアンは、スミスへ依存心を強くしています。「ひと言」。スミスの本音を問うその強い目の色には恋に身を焦がす女の情念が窺えます。しかしスミスは冷静に穏やかに対処します。友人のため、その友人の妻として、「マレイと一緒に逃げろ」とマリアンに忠告します。
マレイとレブストック一味は、強い警戒網が敷かれるなか、列車強盗を敢行します。一味はスミス率いる鉄道会社の防衛団に阻まれ、次々に追い詰められてゆきました。上前をはねたレブストックは、用心棒のホワイティに殺されます。最後まで尽力したスミスの願いも空しく、嫉妬心の権化と化したマレイは、自らの人生に復讐を受け、死を迎えます。
以上、映画「ネブラスカ魂」のあらすじと結末でした。
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