白熱の紹介:1949年アメリカ映画。残虐非道なギャングの栄光と破滅を描いた犯罪映画。凶悪さとマザーコンプレックスを併せ持ついびつな主人公コーディ・ジャレットを、ギャング映画のスタージェームズ・キャグニーが熱演している。今尚色褪せない圧倒的な迫力とスピード感に満ちたギャング映画の傑作。
監督:ラオール・ウォルシュ 出演者:ジェームズ・キャグニー(コーディ・ジャレット)、エドモンド・オブライエン(ハンク・ファロン)、マーガレット・ワイチャーリイ(マー・ジャレット)、ヴァージニア・メイヨ(バーナ)、スティーヴ・コクラン(ビッグ・エド)、ジョン・アーチャー(フィリップ・エバンス)ほか
映画「白熱 (1949)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「白熱 (1949)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「白熱 (1949)」解説
この解説記事には映画「白熱 (1949)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
白熱 (1949)のネタバレあらすじ:列車強盗
舞台はアメリカ・カリフォルニア州。コーディ・ジャレット率いる悪名高いギャング団が列車強盗を起こします。彼らは車掌ら4人を殺害し、30万ドルを奪って逃走。山中の隠れ家に身を潜めていました。極寒の環境に痺れを切らした部下の1人ビッグ・エドが出発の予定を尋ねますが、コーディは返事をはぐらかします。すると突然頭痛を訴えのたうち回るコーディ。母マー・ジャレットが素早く隣室に連れていき、コーディを宥めます。彼は父から受け継いだ精神障害による酷い頭痛を患っていました。「弱みを見せるな」「世界一になれ」と繰り返して教えるマーに、コーディは全幅の信頼を寄せています。残虐なギャング団のボスコーディは、重度のマザーコンプレックスだったのです。ラジオで嵐の到来を知ったギャング団は、その混乱に乗じて隠れ家から逃げ出しました。
白熱 (1949)のネタバレあらすじ:刑務所内の駆け引き
列車強盗を捜査し続けていた財務省のフィリップ・エバンスは、物証からジャレット一味の犯行だと確信。捜査の手が伸びていると気づいたコーディは、列車強盗の同日にイリノイ州で起きた窃盗事件で自首することにします。嘘の供述で本当の罪から逃れようという魂胆です。その後2年の懲役刑を言い渡されたコーディ。一方コーディの思惑を見破ったエバンスは、仲間の潜入捜査官ハンク・ファロンにコーディから列車強盗で奪った金のありかを聞き出す仕事を頼みます。身分を偽りイリノイの刑務所に潜入したファロン。その頃コーディ不在のギャング団では、エドがコーディの妻バーナと密通しボスに成り上がろうとしていました。彼は刑務所内の知人を使い、コーディを事故に見せかけて殺害しようとします。それを間一髪で助けたのはファロンでした。面会に訪れたマーはエドの企みを看破し、自分がエドを始末すると言い出します。作業に戻ったコーディは頭痛に襲われますが、再びファロンに助けられ彼を信用するようになります。母が心配でならないコーディは、ファロンに脱獄計画を持ちかけました。
白熱 (1949)のネタバレあらすじ:脱獄と復讐
脱獄決行予定は木曜日。ところが当日になって、コーディはマーの死亡を知らされます。あまりのショックに彼は突然暴れだし、泣き叫びながら周囲の人間を殴ります。拘束されたコーディは復讐を決意。銃と仲間を手に入れ、医師を人質に脱獄を成功させます。コーディ脱獄のニュースにエドとバーナは警戒を強めていました。特にマー殺害の実行犯であるバーナは恐怖にかられ、夜中に1人で逃げ出そうとします。しかし既に2人の居所を割り出していたコーディに捕まります。マー殺害の罪をエドに被せ、コーディに取り入ったバーナ。彼女の案内で家の2階に上がったコーディはエドを射殺します。ギャング団のボスの座は再びコーディのものになりました。
白熱 (1949)のネタバレあらすじ:トロイの木馬作戦
コーディ達と行動を共にしていたファロンは、ある日「両替屋」を紹介されます。彼はマネーロンダリングのプロで、列車強盗の30万ドルも資金洗浄していたのです。次の仕事はロングビーチの化学工場を狙うことにしたコーディ達。改造したタンクローリーの中に入り、「トロイの木馬」の要領で工場に潜入する計画です。着々と計画を進めるコーディですが、マーを失ったことで精神的に不安定になっていきました。コーディはファロンに胸の内を語ります。自分には母だけが全てだったこと。父も兄も精神を患って死亡し、自分もいつかそうなるだろうということ。母がしきりに「世界一になれ」と言っていたこと。翌日、ファロンはラジオを改造して発信機を作りタンクローリーに仕込みます。そして化学工場に向かう途中、立ち寄ったガソリンスタンドのトイレの鏡にエバンスへ連絡を入れるようメッセージを書き残します。ガソリンスタンドの店主から連絡が入り、無線信号の音を辿ってコーディ達の居場所を特定するエバンス達。何も知らないコーディ達は、計画通り工場に潜入し金庫破りに取り掛かります。
白熱 (1949)の結末:世界一の男
捜査官達が工場に到着した頃、運転手を務めていた男がファロンの正体を見破ります。信用していたファロンの裏切りにコーディはショックを隠しきれません。警官隊に囲まれたコーディ達は逃げ出し、ファロンはエバンス達と合流。両者の間で銃撃戦が始まり、最終的に1人になったコーディは巨大なガスタンクによじ登ります。ファロンが投降に応じないコーディを狙撃しますが彼は狂ったように笑い続けます。精神の均衡が完全に崩れたコーディがタンクに向けて発砲し、何本もの火柱が噴き出します。「やったぞ母さん!俺は世界一だ!」と叫ぶコーディ。直後にタンクが大爆発を起こし、炎の中にコーディが消え、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画白熱のあらすじと結末でした。
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