ホワイトハンター ブラックハートの紹介:1990年アメリカ映画。象狩りに執着する破天荒な映画監督の姿を描くドラマ作品。映画「アフリカの女王(1951年)」の制作秘話とも呼べる作品であり、原作は「アフリカの女王」のアフリカロケに同行した脚本家ピーター・ヴィアテルの同名小説である。型破りな映画監督ウィルソンは、新作映画撮影のためアフリカへ渡った。しかし本当の目的は現地の象を狩ることだった。友人の脚本家ヴェリルは映画に集中するよう忠告するが、ウィルソンは聞く耳を持たない。
監督:クリント・イーストウッド 出演者:クリント・イーストウッド(ジョン・ウィルソン)、ジェフ・フェイヒー(ピート・ヴェリル)、ジョージ・ズンザ(ポール・ランダース)、アラン・アームストロング(ラルフ・ロックハート)、マリサ・ベレンソン(ケイ・ギブソン)ほか
映画「ホワイトハンター ブラックハート」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ホワイトハンター ブラックハート」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ホワイトハンター ブラックハート」解説
この解説記事には映画「ホワイトハンター ブラックハート」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ホワイトハンター ブラックハートのネタバレあらすじ:型破りな映画監督
舞台はハリウッド黄金期の1950年代。映画監督ジョン・ウィルソンは、天才肌の成功者ではあるものの、傲慢な男として有名でした。新作映画の撮影を控える彼の家へ、友人で脚本家のピート・ヴェリルが訪ねて来ます。ヴェリルにアフリカとその地に生きる動物達の魅力を語ったウィルソンは、映画を全編アフリカで撮影することに決めていました。しかし映画撮影は二の次で、憧れの象狩りに挑戦したいというのが彼の本心です。あまりに強引なウィルソンの態度にスポンサーは不安を覚え、プロデューサーのポール・ランダースは頭を悩ませます。ストーリーについても、ハッピーエンドにすべきだと主張するヴェリルの意見を退け、主人公を船の爆発で死亡させると譲らないウィルソン。ヴェリルは頑張って生きた人間は幸せになるべきだと考えていましたが、結局ウィルソンの案で撮影することになります。
ホワイトハンター ブラックハートのネタバレあらすじ:憧れのアフリカ
ロケ隊より一足先にウガンダ、エンテベ空港に降り立ったウィルソンとヴェリル。マネージャーのラルフ・ロックハートらに出迎えられ、ホテルに移動します。アフリカの地に興奮するウィルソンは、早くも撮影より象狩りに関心を寄せていました。夜、ウィルソンはホテルで出会った美女マーガレットを口説こうとします。しかし彼女がユダヤ人への差別発言を始めたことで場の空気は一変。同席していたヴェリルが自分もユダヤ人だと告白しますが、マーガレットは気にする訳でもなく批判を続けます。怒ったウィルソンが彼女に強烈な皮肉を浴びせ、マーガレットは憤慨して去っていきました。更に黒人ウェイターを罵倒する白人ホテルマンにも激怒し、殴り合いの決闘を行います。あちこち殴られたウィルソンはボロボロになりながらも「正しいと思ったら戦うべきなんだ」と満足そうに笑います。傲慢なウィルソンですが、不当な差別には毅然として立ち向かう正義の心を持っていました。
ホワイトハンター ブラックハートのネタバレあらすじ:ウィルソンの情熱
ウィルソンとヴェリルはコンゴに向かい、狩りについて詳しい説明を受けます。現地の青年キブを雇い、狩りに出かけるウィルソン達。アフリカの雄大な自然としなやかな動物達に興奮したウィルソンは、同時に勇敢なキブのことも気に入ったようでした。翌朝、狩りに出たウィルソンは大きな象を発見します。しかし危険だと止められ渋々引き返しました。すっかり象狩りに魅了されたウィルソンは、映画撮影より狩りを優先させようとします。明後日にはロケ隊がエンテベに到着する予定でした。まだ脚本すら完璧でない現状に、映画を優先させるべきだと強く忠告するヴェリル。しかしウィルソンは自分の意見を曲げようとしません。呆れ返ったヴェリルはロンドンに帰ると宣言しますが、到着したランダースに説得され結局残ることになりました。
ホワイトハンター ブラックハートのネタバレあらすじ:象狩り
ウィルソンはロケ地を勝手に変更し、キブの暮らす村で撮影することにします。ようやく撮影が始まるというその時、突然の雷雨に見舞われ撮影は中止になりました。ウィルソンはこれ幸いと早速狩りに出かけてしまいます。数日雨が降り続き、ウィルソンは毎日狩りに出かけましたが、目当ての大物にはなかなか巡り会えないでいました。ようやく雨が上がり撮影が始まると思った矢先、象の目撃情報を得たウィルソンは撮影を放って狩りに出かけてしまいます。ヴェリルも同行して目的地に向かうと、そこには象の親子がいました。白人のハンターは非常に危険だと判断し狩りを中止させようとしますが、千載一遇のチャンスを逃したくないウィルソンは象に近付いていきます。そして象を目の前に銃を構えますが、結局発砲はしませんでした。ところが狩りを終えようとしたウィルソンに、子象を守ろうとする母親の象が突進。ウィルソンを庇ったキブが象の牙に貫かれ死亡してしまいました。ウィルソンは深いショックを受け、全員無言のまま村に戻ります。
ホワイトハンター ブラックハートの結末:クランクイン
キブの死が伝えられると、村人は嘆き悲しみました。そして太鼓を打ち鳴らし、今回の事件を音で表現し始めます。白人ハンターによれば、彼らは「ホワイトハンター、ブラックハート」と言っているそうです。憔悴したウィルソンは、ヴェリルに「君が正しい。あのラストは間違いだ」と呟き映画の結末を変えることにします。ようやく映画はクランクインを迎えました。ウィルソンの力無い「アクション」の声と共に、この映画も終わりを迎えます。
以上、映画ホワイトハンター ブラックハートのあらすじと結末でした。
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