ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火の紹介:2012年ロシア映画。第二次世界大戦の最中、ドイツ軍が誇る最強の戦車“ホワイトタイガー”の脅威にさらされたソ連軍の戦車チームの決死の戦いを描いた戦争アクション作品です。ロシア軍全面協力による現存の戦車を使った迫力のある戦闘シーンと主人公の記憶喪失のソ連兵たちが織りなす人間ドラマが見どころです。
監督:カレン・シャフナザーロフ 出演者:アレクセイ・ヴェルトコフ(イワン・ナイジョノフ)、ヴィタリー・キシュチェンコ(フェドトフ)、アレクサンドル・ヴァコフ(クリュク)、ヴィタリー・ドルジェフ(ベルディエフ)、ゲラシム・アルキーコフ(シャリポフ)ほか
映画「ホワイトタイガー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ホワイトタイガー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火の予告編 動画
映画「ホワイトタイガー」解説
この解説記事には映画「ホワイトタイガー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火のネタバレあらすじ:起
第二次世界大戦真っただ中の1943年の夏。ソ連進出を図るナチスドイツ軍とソ連軍が攻防戦を繰り広げていました。ある戦闘の後、破壊された戦車などの瓦礫の中から生存者を探していたソ連軍の部隊は、全身の約9割に大やけどを負って破壊された戦車内に取り残された一人の操縦手(アレクセイ・ヴェルトコフ)を発見しました。彼は奇跡的に生きており、すぐさま野戦病院へと搬送されました。懸命の治療の甲斐あって彼は脅威の回復を見せましたが自分の名前を含むほとんどの記憶を失っており、野戦病院の人々は彼にイワン・ナイジョノフ(「発見されたイワン」という意味)という仮の名を与えました。部隊は彼の脅威の回復力や謎に包まれた経歴に疑問を抱きましたが、イワンは戦車兵としてそのまま戦車部隊の第2中隊に配属されることになりました。
破壊された戦車を乗せた列車に乗っていたイワンは、この戦車は“ホワイトタイガー”との異名を持つドイツ軍の最新鋭戦車に攻撃されたという記憶を思い出しました。ホワイトタイガー、別名“白い悪魔”はわずか10分足らずの間にソ連軍の戦車部隊15台をたった1台で壊滅させ、すぐに姿をくらましたというのです。
ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火のネタバレあらすじ:承
最初のうちはソ連軍の中ではホワイトタイガーの話はあくまでも噂程度にしか思われていませんでしたが、捕えたドイツ軍の捕虜の証言などからこのホワイトタイガーは1台限りの特注品であり、非常に分厚い装甲を持っていることが明らかになりました。ソ連軍は作戦会議を招集、ホワイトタイガー対策として2週間以内に同等の性能と防御力を有する戦車を作り、スミノルフ大将(ドミトリー・ビコフスキー・ロマショフ)の部隊がホワイトタイガーの捜索と破壊にあたることになりました。防諜部隊の副隊長フェドトフ少佐(ヴィタリー・キシュチェンコ)は早速、装甲とエンジンを強化された改良型T-34/85戦車に乗る優秀な隊員を選抜するよう命じられました。そして車長兼操縦手には少尉に昇進したイワン、砲手にはクリュク軍曹(アレクサンドル・ヴァコフ)、装填手にはベルディエフ曹長(ヴィタリー・ドルジェフ)が選出されました。イワンたちは上官たちを前にその腕前を見せつけましたが、その間にもホワイトタイガーは次々とソ連軍の戦車を破壊していきました。イワンは直感でホワイトタイガーが森の中に潜んでいると告げ、もう1台増援の戦車を手配してくれるよう頼みました。
ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火のネタバレあらすじ:転
イワンの戦車は増援の戦車と共に茂みに潜み、ホワイトタイガーを待ち伏せることにしました。その間兵士たちは食事を採りましたが何故かイワンは何も口にせず、フェドトフの問いに「必ずホワイトタイガーは来ます。私を狙って」と答えるのみでした。
やがて辺りは霧に包まれ、その中から1台の白い戦車が姿を現しました。それは紛れもなくホワイトタイガーそのものであり、次々とソ連軍の戦車を砲撃していきました。茂みに隠れていたイワンのT-34/85戦車が遂に出撃、死角を狙って狙撃しようとしましたが中々標準を合わせることができません。クリュフが外を覗いてみても姿は確認できませんでしたが、ホワイトタイガーはまるで幽霊のように密かにT-34/85の背後を捉え、砲撃を加えて損傷させるとそのまま姿を消しました。ソ連軍の上層部はホワイトタイガーが森の中の沼地に沈んだものとみて周辺を捜索しましたが結局発見には至りませんでした。
イワンは1941年に破壊された戦車の残骸付近で座り込んでいました。上官の問いに対してイワンはホワイトタイガーが我々の攻撃を待っていると語り、戦車の神様が教えてくれていると告げました。フェドトフらはイワンの頭がおかしくなったと判断、ホワイトタイガー討伐メンバーを交代することを検討し始めました。その後、改めてドイツ兵捕虜からホワイトタイガーについての証言を得ようとするも、そのような戦車はドイツには存在せず、ヒトラーの特命で作られた可能性も否定されました。
ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火の結末
ソ連軍の戦車部隊は大々的な掃討作戦に打って出ましたが、やはり霧の中からホワイトタイガーが現れ、次々とソ連軍戦車を撃破していきました。イワンの戦車は果敢にも後を追いかけ、霧の中を突き進んでとある集落の廃墟に辿り着きました。イワンは戦車が隠れているものと思われる小屋を砲撃しましたが、倒した戦車はホワイトタイガーではありませんでした。すると目の前にどこからともなくホワイトタイガーが現れ、イワンたちは建物を利用して敵に近づき、砲塔を破壊することに成功しましたが、結局仕留めきれずに逃げられてしまいました。
上官に報告に出向いたフェドトフは、ドイツ兵がオワイトタイガーを捨てて逃亡したという上官に対し、イワンには戦車の声を聞くことができる特殊な力があると言い、その力は大やけどを負い、一度死んだ時に力を得て生き返ったものだという見解を示しました。上官はフェドトフが疲れて混乱しているとして10日間の休暇を命じ、その後はベルリン進撃に参加するよう命じました。
1945年。遂にドイツは無条件降伏に応じ、ソ連とドイツとの戦いは終戦を迎えました。しかし、イワンはホワイトタイガーを倒すまでは戦争は終わらないと語り、何十年でも待つとフェドトフに告げました。フェドトフが一瞬目を離した隙に、イワンは戦車ごと姿を消していました。
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