夕陽の挽歌の紹介:1971年アメリカ映画。『ティファニーで朝食を』を手掛けたブレイク・エドワーズが製作・監督・脚本を務めた異色の西部劇です。大きな夢を持つ初老のカウボーイと漠然と生きているだけの青年、牧場主の二人の息子がある事件をきっかけに全てを失っていく過程を描きます。
監督:ブレイク・エドワーズ 出演者:ウィリアム・ホールデン(ロス・ボディーン)、ライアン・オニール(フランク・ポスト)、カール・マルデン(ウォルター・バックマン)、ジョー・ドン・ベイカー(ポール・バックマン)、レイチェル・ロバーツ(メイベル)、トム・スケリット(ジョン・バックマン)、ジェームズ・オルソン(ジョー・ビリングス)、リン・カーリン(セイダ・ビリングス)、レオラ・ダナ(ネル・バックマン)、モーゼス・ガン(ベン)、ヴィクター・フレンチ(ビル・ジャクソン保安官)ほか
映画「夕陽の挽歌」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「夕陽の挽歌」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
夕陽の挽歌の予告編 動画
映画「夕陽の挽歌」解説
この解説記事には映画「夕陽の挽歌」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
夕陽の挽歌のネタバレあらすじ:起
モンタナの広大な牧場「アール・バー」で働く初老のカウボーイ、ロス・ボディーン(ウィリアム・ホールデン)と青年フランク・ポスト(ライアン・オニール)は、親子ほど年の差が離れていますが気の合う大親友同士でした。ある日、仲間の一人が暴れ馬に蹴り殺され、ロスとフランクは遺体をメイドゥンの町に運ぶよう命じられました。
ロスは将来、カウボーイを引退したらメキシコに移り住んで穏やかな余生を過ごすという夢を抱いていました。一方、ただ漠然と生きているだけのフランクは金持ちになりたいという夢だけはありましたが、牧場暮らしの身では夢など叶わないと虚しさを感じていました。
そんな二人は冗談交じりに銀行強盗でもしてみるかなどと会話を弾ませながら町に辿り着きましたが、二人は町の酒場で酔った勢いで、その場にいた羊飼いと喧嘩騒ぎを起してしまいました。
牧場に戻ったロスとフランクは牧場主のウォルター・バックマン(カール・マルデン)に叱られました。メイドゥンに向かったウォルターは、牢獄に入れられた羊飼いに「うちの牧場に近づくな」と警告し、町の保安官ビル・ジャクソン(ヴィクター・フレンチ)に羊飼いを釈放するよう要請しました。
夕陽の挽歌のネタバレあらすじ:承
金持ちになりたいという気持ちだけは本気なフランクは、本当に銀行強盗をやろうと決意、ロスにその意思を伝えました。ロスも夢を叶えるためにフランクの話に乗ることにしました。
ロスとフランクは町に向かい、銀行を直接襲うのではなく銀行の副頭取ジョー・ビリングス(ジェームズ・オルソン)の家から金を盗むことにしました。フランクはロスがビリングスを連れ出している間に彼の妻子を人質に取り、ロスはビリングスを脅して銀行から3万6千ドルを引き出させました。
その頃、牧場ではロスとフランクが町に向かったことを知ったウォルターの次男ジョン(トム・スケリット)が、気乗りしない兄のポール(ジョー・ドン・ベイカー)を連れ、二人を連れ戻すために町に向かいました。ジョンに遭遇したロスは「フランクなら売春宿にいる」と嘘をついてやり過ごそうとしましたが、あっさりと嘘は見破られたうえに、ジョンは娼婦のメイベル(レイチェル・ロバーツ)と口論となり、駆け付けたジャクソン保安官が騒ぎを鎮めました。
その頃、牧場ではウォルターの妻ネル(レオラ・ダナ)がロスたちを追って町に行った息子二人を心配していました。
夕陽の挽歌のネタバレあらすじ:転
ロスはビリングスの家に向かう途中で馬をクーガーに襲われました。何とかビリングスの家に辿り着いたロスはフランクと合流、牧場の仲間の給料とビリングスの家族にと奪った金の中から3千ドルをビリングスの家に置き、1頭の馬に二人乗りで逃げ去って行きました。
ビリングスは金を受け取ることを拒みましたが、妻のセイダ(リン・カーリン)から3千ドルを自分たちのものにしてしまえばいいと言い寄られ、とりあえずジャクソン保安官に銀行強盗があったことを通報しました。
同じ頃、ロスたちが銀行強盗に及んだことを知ったウォルターは怒り狂い、ポールとジョンに、必ずロスとフランクを生死は問わず連れ帰るよう厳命、ジャクソン保安官の追跡に同行させました。
一方、逃避行を続けるロスとフランクは、ロスのかつての軍隊仲間だったベン(モーゼス・ガン)の手助けを得てモンタナから脱出、そのことを知ったジャクソン保安官は管轄外であることを理由に追跡から手を引きました。ジョンは自分たちだけでもロスたちを追う決意を固め、ポールも仕方なく弟についていくことにしました。
ワイオミングに入ったロスとフランクは雪原で野生馬を捕らえ、見事に飼い馴らすことに成功してそのまま旅を続けました。
夕陽の挽歌の結末
ロスとフランクはベンソンの町に流れ着き、ロスは風呂に入り、酒を飲み、女を買うなどして束の間のひと時を過ごしました。ところが、それだけでは物足りないフランクはポーカーの勝負に大金を注ぎ込み、勝利はするものの相手と喧嘩になってしまいました。
フランクは相手を撃ち倒すも、自らも銃弾を受けて重傷を負ってしまいました。フランクは牧場にいた時の方がまだましだったと後悔し始めました。
時を同じくして、モンタナの牧場ではウォルターが羊飼いとのトラブルの末に射殺されてしまいました。ベンソンで父の死を知ったポールとジョンでしたが、ロスたちを捕らえることに執念を燃やすジョンはモンタナには戻らずこのまま追跡を続行することにしました。
ロスはフランクを連れて南へ下り、ユタ州に逃げ込みますが、フランクの容態はますます悪化するばかりでした。ロスはフランクを医者に診せようとベンソンに戻ることを検討しましたが、フランクはこのまま旅を続けてロスが夢にまで見たメキシコに行くことを希望しました。
一方、ジョンとポールはベンソンの保安官らと共にロスとフランクを追っていましたが、ユタ州に入ったことで保安官は手を引き、兄弟だけで追跡を続けることにしました。
ある日の午後、ロスはメキシコでのバラ色の日々の夢話などをフランクに語りかけて励まし続けましたが、傷の悪化したフランクは遂に力尽きて静かに息を引き取りました。
フランクを埋葬したロスは一人でメキシコへの旅を続けていましたが、ある日遂にポールとジョンに追いつかれ、逃げ切れずにジョンに撃たれてしまいました。ポールはロスに撃ったことを謝罪し、ロスもまた金を盗んだことを詫びて絶命しました。ポールはロスに敬意すら払わないジョンを見限り、一人でその場を立ち去っていきました。ジョンはロスの死体を持って牧場に引き返そうとしましたが、途中で力尽きました。
以上、映画「夕陽の挽歌」のあらすじと結末でした。
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