嵐ケ丘の紹介:1939年アメリカ映画。エミリー・ブロンテの同名小説を映画化した文芸作品。孤児ヒースクリフと美しい令嬢キャサリンの悲恋がドラマチックに綴られていきます。監督は「ローマの休日」「ベン・ハー」のウィリアム・ワイラー。主演のヒースクリフを演じたローレンス・オリヴィエは本作品がハリウッド進出第1作目となりました。
監督:ウィリアム・ワイラー 出演者:マール・オベロン(キャサリン)、 ローレンス・オリヴィエ(ヒースクリフ)、 デヴィッド・ニーヴン(エドガー・リントン)、 ジェラルディン・フィッツジェラルド(イザベラ・リントン)、 フローラ・ロブソン(エレン・ディーン)、 ヒュー・ウイリアムズ(ヒンドリー・アーンショー)、ほか
映画「嵐ケ丘(1939年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「嵐ケ丘(1939年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
嵐ケ丘の予告編 動画
映画「嵐ケ丘(1939年)」解説
この解説記事には映画「嵐ケ丘(1939年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
嵐ケ丘のネタバレあらすじ:起
19世紀中頃のイギリス、ヨークシャー。荒野に荒れ果てた館が立っています。嵐が丘と呼ばれるこの古びた館を訪問する物好きは旅人ぐらいだと言われていました。寒さ厳しき冬のある晩、道に迷った貧しき小作人ロックウッドが館に迷いこんできました。館には主人ヒースクリフを始め、妻イザベラや使用人のジョゼフ、エレンらが暮らしていましたが、皆表情は暗く、どことなく陰鬱な空気が立ち込めていました。ヒースクリフから滞在を許されたロックウッドは夫婦の間だという一室に通され、そこで一晩を明かすことになりました。
その夜、ロックウッドは館の外からヒースクリフを呼ぶ女の声を耳にします。女は自分をキャシーだと名乗ります。これを聞いたヒースクリフは取り乱し、吹雪の中へ飛び出していきました。ヒースクリフを呼んだのは今は亡き彼の恋人キャサリンでした。古くから嵐が丘に仕えてきた使用人エレンはこの屋敷の娘であったというキャサリンについて語りはじめます。
嵐ケ丘のネタバレあらすじ:承
今から40年前のこと。仕事先のリバプールから戻ってきた嵐が丘の旧主人アーンショーはある孤児の少年を新しい家族として迎えいれます。少年はヒースクリフと名付けられ、娘キャサリンと息子ヒンドリーとともに主人の我が子として育てられます。ヒンドリーは孤児のヒースクリフを嫌いましたが、同じ年頃のキャサリンは彼を気に入りました。兄弟のように育った二人は好意を寄せ合うようになり、やがて荒野で愛を語り合う仲となりました。
しかしその後、病でアーンショーがこの世を去ると、主人となったヒンドリーはヒースクリフを使用人として扱き使い始めるようになります。耐えかねたヒースクリフは駆け落ちしようとキャサリンに訴えかけますが、お嬢様育ちのキャサリンには貧しい暮らしなど到底できるはずもありません。キャサリンの夢は裕福となって社交界でデビューすることです。
ある夜二人は大地主のリントン邸で開かれていたパーティに忍び込みますが、キャサリンが番犬に足を噛まれて動けなくなってしまいます。リントン邸の主人エドカーに助け出されたキャサリンは傷が癒えるまでリントン邸で暮らすことになりました。休養を終えて戻ってきたキャサリンはエドカーから頻繁にデートに誘われるようになり、嫉妬心を募らせるヒースクリフとは喧嘩が絶えなくなります。
キャサリンはヒースクリフを愛していましたが、結婚相手としては考えることができず、ついそのみすぼらしさを愚弄してしまいます。やがてキャサリンはエドカーからプロポーズされます。キャサリンに失望したヒースクリフはついに家を飛び出してしまいました。これを知ったキャサリンは嵐の中を飛び出し、あたりを探しまわりますが、ヒースクリフは遥か遠くへと旅立った後でした。
嵐ケ丘のネタバレあらすじ:転
エドカーから再度求婚されたキャサリンは結婚を決めました。時は流れ、エドガー夫人として幸福な暮らしをしていたキャサリンをある夜ヒースクリフが訪ねてきます。アメリカで成功したヒースクリフは上等な衣服に身を包み、裕福な紳士に変貌していました。ヒースクリフは借金を抱えるヒンドリーから嵐が丘の土地を買ったと告白、キャサリンとエドガーを困惑させます。ヒースクリフは復讐の鬼と化していました。ヒースクリフは積年の恨みを晴らすかのようにヒンドリーに下働きをさせるようになります。一方でエドカーの妹イザベラから好意を持たれていることを知り、彼女を利用することを思い付きます。
イザベラから招かれたリントン邸のパーティでヒースクリフはキャサリンに愛を囁きますが、彼の変貌ぶりに落胆するキャサリンは断固拒絶します。イザベラはエドガーやキャサリンの忠告も聞かずにヒースクリフとの結婚を決めました。しかしヒースクリフの心の中にあるのはキャサリンだけ、イザベラには幸福とはかけ離れた結婚生活が待っていました。
嵐ケ丘の結末
そんな中キャサリンが重い病にかかっていることが分かり、ヒースクリフは病床のキャサリンに会いにいきます。キャサリンもヒースクリフの来訪を待っていました。キャサリンはもう一度荒野を見たいと囁き、ヒースクリフに支えられながら窓辺に立ちます。そして想い出の荒野であなたを待ち続けると囁き、息を引き取りました。
ヒースクリフとキャサリンに起きた悲劇をエレンが語り終えると、そこに医師のケネスが現れ、ヒースクリフが死去したことを知らせます。ケネスはヒースクリフとキャサリンが手をつなぎ、荒野へと歩いていく姿を見たと告白します。これを聞いたエレンは二人がようやく結ばれたのだと胸を撫で下ろすのでした。
以上、映画「嵐ケ丘」のあらすじと結末でした。
「嵐ケ丘(1939年)」感想・レビュー
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1988年の日本版「嵐が丘」を観ましたが、原作とはかなり違いそうです。
大筋は同じですが、こちらのほうがえぐいです。オリジナル版は、かなり奇麗に作られているのかなと、思います。
女ってそうなのよ やっぱり安定した穏やかな暮らしが欲しいのよ いくら情熱的に愛し愛されてもそれを信じ切れずにそれに全てを委ねられない自分がいるのよ 私にとって嵐ヶ丘は恋愛小説の中で一押しの バイブルです。