ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディの紹介:1942年アメリカ映画。「ブロードウェイの父」と呼ばれた、第二次世界大戦以前のアメリカを代表するエンターティナー、ジョージ・M・コーハンの半生を描いた伝記ミュージカルです。アカデミー賞で主演男優・ミュージカル映画音楽・録音の3冠を達成しています。
監督:マイケル・カーティス 出演者:ジェームズ・キャグニー(ジョージ・M・コーハン)、ジョーン・レスリー(メアリー・コーハン)、ウォルター・ヒューストン(ジェリー・コーハン)、リチャード・ウォーフ(サム・ハリス)、アイリーン・マニング(フェイ・テンプルトン)ほか
映画「ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディの予告編 動画
映画「ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ」解説
この解説記事には映画「ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディのネタバレあらすじ:起
1937年。10年ぶりに『私はむしろ正しくありたい』で舞台に復帰したジョージ・M・コーハン(ジェームズ・キャグニー)は時の大統領フランクリン・D・ルーズベルト大統領を演じました。大成功となった舞台の終演後、コーハンはプロデューサーのサム・ハリス(リチャード・ウォーフ)から、何と当のルーズベルト大統領(キャプテン・ジャック・ヤング)本人からの招待状が届いたことを知ります。そしてホワイトハウスに招かれたコーハンは、大統領を前にこれまでの自分の生い立ち、そして歩んできた道のりを語り始めました…。
1878年の独立記念日の前日、ボードヴィルの芸人夫婦であるジェリー・コーハン(ウォルター・ヒューストン)とネリー(ローズマリー・デ・キャンプ)の間に男の子の赤ん坊が誕生しました。名前は初代大統領ジョージ・ワシントンと、両親のルーツがアイルランド系であることから“マイケル”の名を組み合わせ、“ジョージ・マイケル・コーハン”と名付けられました。一家にはその後妹のジョジーも生まれ、やがて成長したコーハン(ダグラス・クロフト)は一家と共に地方巡業の舞台に上がるようになりました。
ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディのネタバレあらすじ:承
それから10年後、成長したコーハンは妹ジョジー(ジーン・キャグニー)と共に地方巡業を続けていました。そんなある日、コーハンの舞台を観た当時まだ18歳の女性メアリー(ジョーン・レスリー)が自分を女優として売り込みにやってきました。その演技を認めたコーハンはメアリーと付き合うようになり、自分が作曲した歌をメアリーに歌わせていきました。その後、ニューヨークの劇場支配人(ウォルター・キャトレット)と公演内容を巡ってトラブルになったコーハンは干されてしまい、その後しばらく不遇の時代を過ごしました。そんな折、自分同様に干されていたハリスと知り合ったコーハンは投資家のシュワブ(S・Z・サカール)のバックアップを得て、ブロードウェイ・ミュージカル『リトル・ジョニー・ジョーンズ』を大成功させ、コーハンはスター街道を歩み出すこととなりました。その後もコーハンは家族4人での興行を行う一方、大女優フェイ・テンプルトン(アイリーン・マニング)をどうにか口説き落として主演に据えた『ブロードウェイから45分』でも大成功を収め、私生活でもメアリーと結婚するなどまさに人生の絶頂期を迎えていました。
ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディのネタバレあらすじ:転
1912年。妹ジョジーは結婚を機に父ジェリーや母ネリーと共に引退を決意、ジェリーは長年の夢であった農場で隠遁することになりました。その頃、折しも第一次世界大戦が勃発、コーハンは軍隊に志願しましたが39歳という年齢がネックとなり、代わりに前線慰問での貢献に情熱を注ぎました。コーハンが作曲した『オーヴァー・ゼア』はアメリカの軍歌として親しまれました。
戦後、ブロードウェイに戻ったコーハンは以前にも増して精力的に活動を続け、新たな全盛期を築き上げていましたが、ネリーとジョジー、そしてジェリーが相次いてこの世を去り、家族を失ったコーハンは次第に舞台への情熱を失っていきました。そして1928年、『ビリー』を最後にショービズの世界から引退することを決意したコーハンはハリスとの15年間に及んだコンビを友好的に解消、妻のメアリーと共に世界を旅し、帰国後はニューヨーク近郊の農場で静かに余生を送ることにしました。
ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディの結末
時は流れ、コーハンは自分のことや曲などを知らない若者たちが増えたことを知り、時代の変化と共に自らの老いを痛感しました。そんな時、コーハンはメアリーから、ハリスがコーハンを復帰させるために舞台を用意したので出てほしいとオファーしてきたことを知ります。一度は断ろうか考えたコーハンも、親友の頼みだからと引き受けました…。
映画は再び冒頭の1937年に戻ります。長い回顧を終えたコーハンは、ルーズベルト大統領から芸能人では初となる『議会名誉黄金勲章』を授与されました。コーハンは、自分は国家に命を捧げたわけでもないと恐縮しましたが、大統領は国への貢献は様々だと語り、コーハンの歌はアメリカの魂の象徴だと絶賛しました。ホワイトハウスを出たコーハンは、兵士たちや人々が『オーヴァー・ゼア』を歌いながら行進する様を目の当たりにし、自らもその列の中に加わっていきました。
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