コラテラル・ダメージの紹介:2001年アメリカ映画。“シュワちゃん”ことアーノルド・シュワルツェネッガーが、スティーヴン・セガールの“沈黙シリーズ”第1作『沈黙の戦艦』やハリソン・フォード主演作『逃亡者』などのアンドリュー・デイヴィス監督とタッグを組んだクライム・アクション作品です。当初は2001年の公開予定でしたが、同年のアメリカ同時多発テロ事件の影響で2002年に延期された作品です。
監督:アンドリュー・デイヴィス 出演:アーノルド・シュワルツェネッガー(ゴードン・“ゴーディ”・ブルーアー)、クリス・カーティス(クラウディオ・ペッリーニ/ウルフ)、フランチェスカ・ネリ(セリーナ・ペッリーニ)、イライアス・コティーズ(ピーター・ブラント)、ジョン・タトゥーロ(ショーン・アームストロング)、ジョン・レグイザモ(フェリックス・ラミレス)、タイラー・ポージー(マウロ)、ミゲル・サンドヴァル(ジョー・フィップス)ほか
映画「コラテラルダメージ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「コラテラルダメージ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「コラテラルダメージ」解説
この解説記事には映画「コラテラルダメージ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
コラテラル・ダメージのネタバレあらすじ:起
ロサンゼルスの消防隊長で、爆弾と放火による火災対応のプロフェッショナルであるゴードン・“ゴーディ”・ブルーアー(アーノルド・シュワルツェネッガー)は仲間たちと共に消火と救助活動に出動、燃え盛る炎の中に突入して逃げ遅れた住民を無事救出しました。翌日、ゴーディは病院の診察に行く息子マット(イーサン・ダンプ)と仕事の妻アン(リンゼイ・フロスト)とコロンビア総領事館前のカフェで待ち合わせをし、たまたま居合わせた警官に一時的に路上駐車の許可を得ました。政府高官たちがカフェに到着したところ、付近に留めてあった警官のバイクが突然爆発、カフェは爆発に巻き込まれ、駆け寄ろうとしたゴーディはタクシーに撥ねられてしまいました。
警察やFBIの捜査で事件はコロンビアとアメリカの両国の政府高官を狙ったテロの可能性が高まり、現場に居合わせていたコロンビア担当のCIAエージェントのピーター・ブラント(イライアス・コティーズ)はFBIの捜査協力要請に対して外交を優先する立場から難色を示しました。一命を取り留めたゴーディはアンとマットが死亡したことに深い哀しみに暮れていました。
病院に搬送され、病室でテレビニュースを見ていたゴーディは、見舞いに訪れた同僚たちに「犯人はあの警官だ」と語り、病院を抜け出してFBIのジョー・フィップス捜査官(ゲル・サンドヴァル)に情報提供を申し出ました。監視カメラの映像にはゴーディが駐車許可を求めたあの警官が映っており、その正体はコロンビア人テロリストの“ウルフ”ことクラウディオ・ペッリーニ(クリス・カーティス)であることをゴーディはフィップス捜査官から知らされました。自分が待ち合わせに遅れたせいで妻子を失ったと自責の念に駆られるゴーディにブラントがお悔やみの言葉をかけ、ウルフを必ず捕まえると約束して名刺を渡しました。
妻子の葬儀を終えたゴーディの元にテレビ局から取材の申し入れの電話がありましたが、ゴーディはそんなものは受ける気はありませんでした。ゴーディはテレビのニュースで、国防総省宛てにウルフから犯行声明の動画が送り付けられたことを知ります。覆面を被ったウルフらしき人物は“アメリカがコロンビアへの侵略行為を止めない限り”同じ攻撃を続けると宣言、続いてコロンビアに詳しい南米連帯委員会のスポークスマンのインタビューが流され、スポークスマンは今回の犠牲者が「コラテラル・ダメージ(目的を果たすための巻き添え)に過ぎない」との見解を示しました。インタビューの内容に激昂したゴーディはテレビ局に殴り込んで大暴れし、駆け付けたFBIに逮捕されてしまいました。フィップス捜査官のとりなしで不起訴となったゴーディは、ウルフが既にコロンビアへ逃亡したことを知らされました。
コラテラル・ダメージのネタバレあらすじ:承
事件から3週間後のワシントンD.C.、ダレス国防省ビルでは、ブラントが独断でコロンビアのゲリラ“コロンビア解放軍”の掃討作戦を総領事館に持ち込んだことがテロ事件の発端になったと上院議員団から追及され、今後のゲリラとの交渉はコロンビア政府が受け持つことを理由に72時間以内にコロンビアから撤退するよう圧力をかけられました。
ゴーディはブラントに電話をかけて事件の捜査状況を尋ね、アメリカ政府は事件解決よりも和平交渉、すなわち国益を優先したことを告げられました。ゴーディはインターネットで独自にコロンビア解放軍の情報を集めているところに同僚のジャック(マイケル・ミルホーン)が友人でかつてコロンビアで軍の顧問をしていたエド(J・ケネス・キャンベル)を連れて訪れ、ゴーディはエドのアドバイスを受けながらコロンビア入りの作戦を立てました。コロンビアに入国するには国防省の許可がいるためパナマ経由で密入国し、警備の薄いジャングル地帯を通り、地元のバスを使い、街に着いたらゲリラの活動地帯を通るのに必要な通行許可証を入手するなどの作戦を立てたゴーディは単身コロンビアへ向かいました。時を同じくして、ブラントもまたコロンビア・モンポス近郊のCIA支局に到着していました。
コロンビア・バレンシアに到着したゴーディはモンポス行きのバスに乗り込みましたが、途中でバスは現地民兵の検問所で止められ、しかも民兵はゴーディたちを一方的にゲリラと見なして発砲してきたため、ゴーディは他の乗客たちと共に逃げ出し、激流に飛び込んで何とか逃れましたが、その際にパスポートの入ったリュックサックを失ってしまいました。ゴーディのパスポートを回収したブラントは、わざとゴーディの情報をゲリラに流して彼を捨て駒にし、上院議員たちにコロンビアとの和平交渉など無意味であることを知らしめようと画策しました。一方でサンパブロ郊外にあるコロンビア解放軍キャンプに逃れていたウルフは、仲間たちに今回のテロは成功だったことを伝え、ゴーディを捕らえて人質に取りアメリカ側から身代金をせしめるよう命じました。
コラテラル・ダメージのネタバレあらすじ:転
漁船でモンポス港に到着したゴーディは、ゲリラ地帯に行くには川を上るしかないことを現地人から聞きつけました。ゴーディは通行証を手に入れるため街を散策していたところ、マットと同じ年頃の少年マウロ(タイラー・ポージー)とその母セリーナ(フランチェスカ・ネリ)がバイクに轢かれそうになった挙句、乗っていたチンピラと口論になっている現場に出くわしました。ゴーディがトラブルを仲裁したところに突然警官が現れ、ゴーディは不法入国の罪で逮捕されてしまいました。
ゴーディが収監された拘置所に、ゲリラ相手に商売をしているカナダ人の男ショーン(ジョン・タトゥーロ)が収監されてきました。ゴーディはショーンに通行証を売って欲しいと頼みますが、ショーンは警察にバレたら殺されると拒否しました。ところがその夜、ゲリラが拘置所を襲撃、ゴーディは通行証を渡すことを条件にショーンを助けて脱出しました。ゴーディはゲリラとの仕事から足を洗うというショーンから「絶対に死ぬなよ」と激励され、ボートでゲリラの支配地帯へと向かいました。
サンパブロに到着したゴーディは、ゲリラの資金源としてコカイン密造に手を染めているフェリックス(ジョン・レグイザモ)に案内されてコカイン工場へと潜入しました。ゴーディが現れたことを知ったウルフは部下を捜索に差し向け、ゴーディは用意していた手作りの火炎瓶を投げてコカイン工場を爆破しました。その際にフェリックスはウルフの部下に射殺され、ゴーディはゲリラの車の下に潜んでそのままウルフのアジトへと潜入しました。
ゴーディはウルフの部屋近くに爆薬を設置、ウルフを爆殺しようとしましたが、そこになぜかモンポスで出会ったセリーナとマウロが現れ、ゴーディは「来るな!引き返せ!」と二人に向かって叫びました。セリーナとマウロは間一髪で難を逃れましたが、ゴーディの叫び声に気付いたウルフも間一髪で脱出してしまい、ゴーディはウルフに捕らえられてしまいました。
セリーナの懇願で命だけは助けられたゴーディは、セリーナは実はウルフの妻であることを告げられました。セリーナが言うには、かつてテロリストになる前のウルフは学校の教師をしていましたが、アメリカ軍の攻撃により実の娘を失い、両親を失ったマウロを養子として引き取っていたというのです。セリーナは、ゴーディとウルフが似た境遇であることを語り、ゴーディはセリーナにウルフの凶行を止めさせるよう説得、ウルフはワシントンで次なるテロを計画していることを知りました。その時、ブラント率いる部隊がゲリラのアジトを襲撃、ゴーディとセリーナはウルフを止めるためにブラントと合流、マウロを連れてワシントンに向かうことにしました。
コラテラル・ダメージの結末
ワシントンのダラス国防省ビルに到着したゴーディとセリーナはフィップス捜査官と合流、ウルフの次の狙いはユニオン駅であることを突き止めました。ところが、セリーナは突然気分が悪くなり、化粧室へと向かいました。その際にゴーディはセリーナの手の動きが以前に犯行声明として送り付けられた映像の覆面の人物の動きと全く同じであることを突き止め、セリーナこそがロサンゼルスでゴーディの妻子を殺した真の実行犯であり、ウルフと共犯していたことに気付きました。ゴーディはセリーナを追うも、セリーナは付き添っていたFBIの女性捜査官やブラントを殺害して逃走していました。
対策室に戻ったゴーディはマウロの人形に爆弾が仕掛けられていることに気づき、急いで天井の窓を破って投げ飛ばし、間一髪でその場の人間の命を救いました。ゴーディは地下へ逃げたウルフとセリーナを追い、地下道のゲートを閉じて逃げ道を封じると、斧で天然ガスのパイプを破壊し、引き返してきたウルフとセリーナに発砲させてガス爆発を起こさせました。ところが、ウルフとセリーナはしぶとく生き残っており、ゴーディはウルフとセリーナと格闘戦を挑み、セリーナを変電設備に投げ込んで感電死させました。激怒したウルフはゴーディを殴り倒し、ユニオン駅に仕掛けた爆弾の起爆スイッチを押そうとしましたが、間一髪でコーディはウルフの胸に消火斧を投げつけて殺害しました。起爆スイッチの液晶画面には「キャンセル」の文字が表示されていました。地上に戻ったゴーディはフィップス捜査官らに全てが終わったことを伝え、駆け寄ってきたマウロを引き取ると一緒に国防省ビルを後にしました。
以上、映画「コラテラル・ダメージ」のあらすじと結末でした。
テロって言葉が世の中に広まりつつある時代に公開になった映画だった感じがします。家族を爆弾テロで失ったアーノルド・シュワルツェネッガーが復讐のためにテロリストを追って本拠地へ。。。その後の裏切りがあったりとストーリー的にもハラハラさせられっぱなし。今回のシュワちゃんは戦闘のプロとして復讐劇に走るというモノではないので、危なっかしくてドキドキさせられます。そこがまたこの映画を面白くしていますね。